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採用KPIの大幅改善!大塚商会の採用・オンボード改革を大公開 「全員、会います採用」のDX化|オンラインで応募者に向き合う初期選考とは?

閤師 敏晃(こうし としあき) (株式会社大塚商会 人材開発部 部長代理)

野澤 比日樹(のざわ ひびき) (株式会社ZENKIGEN 代表取締役CEO)

株式会社ZENKIGENと株式会社大塚商会の共同プロジェクトとして「HRテクノロジー大賞・採用部門優秀賞」を受賞した「これからの採用DX」セミナーのイベントレポートです。

株式会社大塚商会は、『エントリー動画』のAI解析により、学生の印象を含めた初期選考に成功。また、ブラックボックス化しがちな面接を可視化し、面接官のスキル向上に取り組むことで、応募者の満足度向上を実現しました。さらに入社後の1on1面談においても動画データを活用し、オンボーディングに繋げた運用もご紹介します。

大塚商会の採用・オンボード改革を大公開
第1章:オンラインで応募者に向き合う初期選考とは?
第2章:面接の可視化で発覚した課題と面接改革とは?
第3章:リモートでも、予期せぬ退職を減らせた理由とは?

今回は3章にわたるイベントレポートの第1章『採用KPIの大幅改善!「全員、会います採用」のDX化|オンラインで応募者に向き合う初期選考とは?』をご案内します。

※本記事は2023年2月10日に実施された「大塚商会実践ソリューションフェア2023東京特別セミナー【これからのHRDX】AIを活用した採用面接と人材育成のポイント~「定量的」で「見える・分かる・出来る」未来へ~」の内容のレポートです。

※所属・役職等は制作時点のものとなります。

コロナ禍で発生した採用・教育の3つの課題

閤師氏:本日は大塚商会が実際に行ってきた「AIを活用した採用面接と人材育成のポイント~「定量的」で「見える・分かる・出来る」未来へ~」について下記3つの流れにてご説明しようと思います。

# 1つ目の取り組み:母集団の絞り込み改革
# 2つ目の取り組み:面接スキル改善のための”面接改革
# 3つ目の取り組み:入社後のオンボーディング改革

まず、2020年以前に行っていた新卒採用のフローについてご紹介します。この時の採用では「全員会います採用」という取り組みを行っていました。これは、説明会に参加してくれた学生全員にグループディスカッションを案内するというものです。

しかし、2020年にコロナ禍となり、下記3つの課題が発生しました。

①応募者の絞り込みが困難
グループディスカッションが実施不可になり、「全員会います採用」による応募者の絞り込みが困難に
②オンライン面接の運用負荷
面接のURLを都度発行し学生と面接官に共有する負荷が非常に高い
③予兆なし退職の増加
特に社内のコミュニケーションが希薄になったことにより、「急な」退職が増加

根本的に採用を見直す必要があると感じている中、ZENKIGENさんにお声がけいただき上記3つの課題を解決するためのプロジェクトを開始しました。

コロナ禍で発生した「応募者の絞り込みが困難」という課題に対して行ったことは「母集団の絞り込み改革」です。 これまでの「全員会います採用」では説明会に参加した全員に、グループディスカッションを案内し、その後面接を行うというフローでした。

しかし、コロナによりグループディスカッションが行えなくなり、説明会から面接に至るまでに学生を絞り込む新たな選考を考える必要がありました。ところが、「ESを1枚1枚見ていくのは非常に労力がかかる」、「適性検査だけで合否を決めるのは不安」、「オンライン化で替え玉受検の可能性もあるのでは」などを課題に感じていました。

その結果取り入れたのがZENKIGEN社の採用DXサービス「harutaka」による『エントリー動画』を解析するサービス『harutaka EF(エントリーファインダー)』です。

初期選考の質の向上と工数削減を可能にした『harutaka EF』

野澤:『harutaka EF』とは、『エントリー動画』をAIで解析し、応募者の印象を定量化をして、企業とのマッチングを実現させるサービスです。応募者の印象を定量化することで、面接前の段階からより多面的に候補者とのマッチングを精度良く行うことが可能となります。

閤師氏:大塚商会では、『エントリー動画』にて「自分らしさがわかる自己PRを60秒〜90秒で投稿してください。」という設問を設定し、学生に動画を投稿してもらいました。

この設問を設定した理由としては、独自質問ではないため、学生の投稿への抵抗感が低いのではと考えたからです。またharutakaでは、事前に撮影した動画の投稿も可能なため、学生の負荷が最低限だと感じました。

動画の評価の際は、「デジタルだけで合否をつけない」をモットーに評価を行いました。適性検査の結果と『harutaka EF』で解析された表情解析と発話解析をベースに人事が全員分の動画を見て一次判定を行っています。工数としては、一日100件約3時間の労力をかけています。

現在では仕組みが定着してきており、また合格に至る学生の表情解析の傾向もわかってきました。今後は、harutaka EFによる解析結果が基準以下の学生のみ目視で確認することで、試聴動画数を1/3程度にし、工数削減を図る予定です。

リアルで学生に会うという意味の「全員会います採用」はできなくなりましたが、動画から、学生全員の印象も含め選考することが可能になりました。 

harutaka EF(エントリーファインダー)

終わりに

「母集団の絞り込み改革」に対するソリューションとして、『harutaka EF』を活用した初期選考をご紹介しました。『harutaka EF』は、『エントリー動画』から分かる応募者の表現特性を可視化・定量化するAI機能です。AIが分析したデータを活用し、印象・表現特性を客観的に指標化しスムーズかつ公平な選考につなげるサービスです。

次回第2章では、大塚商会様の「オンライン面接の運用負荷」への対策と、面接の可視化によって見つかった新たな課題と面接改革についてご紹介します。

 
 
 
 

閤師 敏晃(こうし としあき)(株式会社大塚商会 人材開発部 部長代理)

1993年株式会社大塚商会に新卒で入社。1年間の営業職を経て1994年に人事部へ異動。以降30年間人事部にて新卒・キャリア採用・障がい者雇用促進などの採用業務全般、新人から管理職層までの階層別研修を幅広く担当。 合わせて次世代経営層育成、ピープルアナリティクス、エンゲージメント促進、マネジメント変革、女性活躍推進などの各種プロジェクトを推進。

野澤 比日樹(のざわ ひびき)(株式会社ZENKIGEN 代表取締役CEO)

1998年株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)に新卒入社。1999年創業期のサイバーエージェントへ転職し、大阪支社の立ち上げ、社長室、事業責任者等に従事し、会社の成長に貢献。2011年に孫正義会長の誘いでソフトバンクグループの社長室に入社し、電力事業であるSB Power株式会社の設立、立ち上げに携わる。2017年10月株式会社ZENKIGEN創業。

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