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【新卒・中途】それぞれの採用基準を設定する!押さえたい項目9選

「採用活動を振り返ってみると、何となく雰囲気で採用をしてしまっていて、フィーリングに頼った採用活動になってしまっている」

「新卒と中途採用では求めるものが違うのに、評価基準などが曖昧で、このままでいいのか迷っている」

面接時のフィーリングや話の盛り上がり方などで、何となく採用を決定してしまっていると、この採用方法で本当にいいのかと不安になってしまいますよね。

今回は、採用基準の項目の例を挙げながら、新卒・中途採用それぞれの評価基準や注意点について解説します。

採用基準を作ろうと考えていても、なかなか作れないと悩んでいる人事の方は、ぜひ、最後まで読んでいってくださいね。

採用基準とは

採用基準とは、自社にマッチした人材を採用する上で大切な、面接における評価基準のことを指します。採用基準を設定することで、公平な採用を行うことが出来るほかに、面接官が持っている主観を排除することができ、採否の決定がスムーズになるというメリットがあります。また、採用基準が統一されることによってミスマッチ離職などを減らす効果に期待を持つことができます。

採用基準を定める重要性

会社が持続的な利益を生み出す上で採用基準を定めることはとても重要です。採用基準を定めることで、社員一人ひとりの生産性を担保することはもちろん、組織内での無用なトラブルや歪の原因を避けることもできます。

採用基準に問題があると起こる現象

「採用基準に問題があると、どんなことが起こってしまうの」と気になっていませんか。採用基準に問題があると、以下のような現象が起こります。
(1)早期離職が起こる
(2)人事と現場との温度差が大きく、人事の面接を通過しても現場の管理職の面接で落ちる
(3)役員面接の合格率が極端に下がる

それぞれについて解説します。

(1)早期離職が起こる

採用基準に問題があると、早期離職が起こる確率が高くなります。
採用基準が曖昧なまま採用しているため、実際に入社して会社に馴染めるのかどうか、力を発揮できるのかどうかが曖昧です。
社風に合わないなどの理由で早期退職する社員が出てくる可能性もあります。

(2)人事と現場との温度差が大きく、人事の面接を通過しても現場の管理職の面接で落ちる

現場と人事の温度差が大きいと、人事が良かれと思って面接に合格させたとしても、現場の課長などが面接をするとイメージと全く異なっていると判断されて落とされる可能性が高くなります。
出来る限り人事と現場で調整し、採用の指針を決めていくべきであるといえます。

(3)役員面接の合格率が極端に下がる

採用基準を経営者(役員)と人事の間でしっかりと共有しておかなければ、役員面接での合格率が極端に下がり、採用効率が落ちます。
特に、役員面接は最終面接に設定されていることも多く、最終面接の通過率が極端に低いと応募者をまた集めなおすことになり、非常に苦戦を強いられます。
一次面接を何となくフィーリングで通過させていると、余計な時間がかかり、結果的には会社の重役の貴重な時間を奪うことにもなりかねません。
必ず役員と事前に採用基準の打ち合わせを行うようにしましょう。

採用基準設定においておさえておくべき事項

ここからは、採用基準設定においてどのような事項を重要視すべきかを解説します。

価値基準・パーソナリティ

よほど能力が高い人材だったとしても、組織の文化にマッチしていなければ、現場の雰囲気を悪化させる可能性があります。そこで、候補者自身の価値基準や志向性を精査することで、組織との相性を判断することができます。「面接官の質問をしっかりと理解したうえで、的を得た回答を返せるか」といったポイントから、理解力や対人能力があるか判断することもできます。また「一貫性した主張をできているか」「面接に臨む上で、自身の志望動機を明確にできているか」といったポイントから、謙虚さや自主性の判断材料とすることができます。

技術・経験値

採用面接の中でも特に中途採用において、重要なポイントといえるのが技術や経験値です。「どのような成果を具体的にあげたか」「一番の困難だと言える経験はなにか」といった質問をすることも判断において効果的です。また、実績そのもの「個人としての成果なのか」「組織としての成果なのか」などを細かく確認することで、単一的な技術・経験値という情報だけでなく、その人の仕事の様子などもうかがえるでしょう。

コンピテンシー

コンピテンシーとは「成果を出す人物に共通する行動特性や思考傾向」という意味合いで、どのような人材が欲しいか、という人物像を設定することで役に立ちます。仕事においてハイレベルの結果を生み出し、周りから評価の良い人をモデルにし、どのような思考が結果につながっているのかを分析して見ることも有効的です。いくつかのモデルを選択し、同一箇所を見いだすとより確実です。似たような思考習慣を持つ人物なら、入社後の活躍の活躍も大いに期待できるということです。

採用基準の決め方

採用基準の決め方は、会社にとって必要な人材であるニーズを満たしていることが鉄則です。ここでは、採用基準の決め方についてみていきましょう。

どんな人材が必要かを明確にする

求める人物像は、募集するに至った背景や人材獲得の必要性の中身によって変わります。既存社員の配置転換などではなく、どうして新たな中途採用が必要なのか、あらためて中途採用をする必要がある目的や意義を明確化する事が必要です。欲しい人材の経験や能力、タイプも具体的に想定し、それに見合った採用基準を設定しましょう。

評価の項目を設定する

求める人物像が明確になったら、評価するうえで必要な項目をリストアップします。「技術」「経験値」のほか「論理的な思考力」「パーソナリティ」も項目に入れることでより多角的に判断することが可能です。さらに、求める人物像から逆算して、必要項目の優劣を定めることも重要です。たとえば、迅速な人材補強のためならば、必要性に応じた技術と経験値が最重視される必要があります。経済産業省が仕事に必要な能力として提唱している「社会人基礎力」は判断に迷ったときの参考になります。

評価の基準を設定する

最後に、評価項目ごとの評価基準を決めます。スキルや価値感覚について、不適切な評価ではミスマッチにつながってしまう可能性があります。ゆえに、評価の段階を明確にすることが重要です。その際には具体的な質問項目に置換することがおすすめです。面接官の質問に対する回答内容を段階別に評価し、採用の基準を定めることで、合否の判断を迅速かつフラットに行うことができます。

新卒採用と中途採用の採用基準の違い

新卒採用と中途採用では、それぞれ採用基準は異なるでしょう。新卒採用は能力やスキルよりも「価値観」「基礎力」「ポテンシャル」の見極めが大切。「仕事への熱意」「向上心」「主体性」「協調性」「誠実性」を判断できる質問を行っていくのがポイントです。一方、中途採用は即戦力人材を求めることがほとんどでしょう。「経験年数に応じたスキルを身に付けているか」「応募に至った背景」をしっかりと見極めましょう。

新卒採用の選考において重視すべき採用基準5選

「新卒採用においてはどのような方法で採用基準を設定すれば良いのだろうか」と悩んでいませんか。
2018年度の経団連の調査によれば、新卒採用で重視した点として、以下の5点が挙がっています。
(1)コミュニケーション能力
(2)主体性
(3)チャレンジ精神
(4)協調性
(5)誠実性

参考:一般社団法人 日本経済団体連合会 2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果
https://www.keidanren.or.jp/policy/2018/110.pdf
アンケートによれば各企業は16年連続で、コミュニケーション能力を1位としています。
上記の各企業が最も重視している点を基軸として、採用基準を作ってみましょう。

(1)コミュニケーション能力

口ばかりが達者な学生がコミュニケーション能力が優れているとは限らないため、総合的なコミュニケーション能力を見るようにしましょう。ここでいうコミュニケーション能力とは、会話のキャッチボールが成立するかどうかということです。
聞かれてもいない話を延々として質問の意図を理解していない方は人当たりが良くても、仕事が回せない可能性があります。
逆に大人しそうに見えても質問に対して的確に答えられる人はコミュニケーション能力が高いといえます。

(2)主体性

様々な仕事に対して自ら積極的になれるかどうかが主体性です。
主体性のある人材は、仕事を進めていく上で自分自身で課題を発見し、様々な仕事を推進することができます。

(3)チャレンジ精神

チャレンジ精神とは、困難な仕事に対しても熱意を持って取り組むことができることや、未経験の仕事に対しても積極的に取り組むことが出来るメンタリティのことを指します。
難しいプロジェクトや、他部署を巻き込んで行われる難しい横展開の仕事などを面倒くさがらずに積極的に出来るかどうかなど、非常に重要な評価指標であるといえます。

(4)協調性

サラリーマンとして仕事をしていく以上、協調性は必要不可欠であるといえます。
会社は組織として機能しているため、協調性を持って仕事がうまく行くように社員全員が一丸となって仕事に取り組む必要性があります。全体のために仕事を進められる協調性のある人材が良いといえます。

(5)誠実性

企業のコンプライアンス管理が厳しくなっており、正社員として企業に勤務する以上、誠実に仕事に取り組む必要性があります。
これからの企業経営では、法令順守や就業規則の順守、社内の慣習を受け入れつつ、誠実に仕事をできる人材が求められているといえます。

中途採用の選考において重視すべき採用基準4選

新卒採用とは異なり、中途採用者には、以下の採用基準を設けることが良いといえます。
(1)これまでの仕事の実績(経験)とスキル
(2)仕事への熱意があるかどうか
(3)社風と合うかどうか
(4)協調性はあるかどうか

それぞれについて解説します。

(1)これまでの仕事の実績(経験)とスキル

中途採用者を採用するにあたっては、特にこれまでの仕事の実績(経験)とスキルがあるかどうかを確認するようにしましょう。
中途採用者を採用する以上は、即戦力を採用する必要性があります。
前職での経験がそのまま活かせるようであれば、非常に心強い戦力となります。

(2)仕事への熱意があるかどうか

いくら仕事の実績や経験、スキルがあっても、熱意がなくては良い仕事はできません。
応募者の熱意を測るために、出来れば、志望動機を入念にチェックするようにしましょう。
志望動機が具体的かつ、前向きなものであれば、仕事への熱意を確認できる可能性があります。

(3)社風と合うかどうか

会社の社風と応募者が合うかどうかはしっかりとチェックするようにしましょう。
新卒と中途採用者で異なるのはすでに他社の社風に染まってしまっている可能性があるということです。
注意すべきは、大企業からベンチャー企業へ転職希望してくる応募者です。
トップダウンの厳しい大手企業からベンチャーへ転職すると、仕事の自由度などからどう仕事をして良いか分からないという社員も出てきます。必ず社風と合うかどうかを質問で見抜くようにしましょう。

(4)協調性はあるかどうか

特に転職回数が多い転職希望者の場合には、協調性があるかどうかはチェックするようにしましょう。
何度も転職出来ているということはスキルはあっても他の社員とうまく仕事が出来ないなど、何らかの原因があるはずです。
面接の質問で、退職理由などを深堀して、しっかりと確認するようにしましょう。

まとめ

採用基準とは自社とマッチする人材を採用する上で大切な、面接時の評価指標です。
採用基準に問題があると、早期離職が起こったり、人事の面接を通過しても現場の管理職の面接で応募者が落ちてしまう現象や、役員面接の合格率が極端に下がって、採用効率が悪くなるというデメリットがあります。
新卒採用の評価基準として5つの評価基準があります。

経団連のアンケートでも重視されているコミュニケーション能力・主体性・チャレンジ精神・協調性・誠実性です。
社会人としては当たり前の基礎力ですが、新卒採用時の採用基準とすることで、優秀な学生を確保できる可能性が高くなります。

中途採用者にとって大切な評価基準としては、これまでの仕事の実績(経験)とスキルがあるかどうか、仕事への熱意があるかどうか、社風と合うかどうか、協調性はあるかどうかを採用基準とすることが望ましいといえます。
経験や実績などの能力は申し分なくとも、社風と合わないと力を発揮できません。
仕事への熱意が欠けていても同様です。
協調性に関しても、協調性がなければ入社しても早期離職につながる可能性もあります。
自社にマッチした採用基準を作り、採用をレベルアップさせましょう。

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