【最新情報】アメリカのWEB面接市場とトレンド
人材採用ソフトウェア市場は比較的新しい業界ですが、その市場は急速に伸びています。ビジネス情報共有プラットフォームCrunchbaseによると、人材採用ソフトウェアスタートアップの採用に投資したVCの資金の総額は2018年8月までの8ケ月間だけで、6億米ドルを超えたことがレポートされています。
世界中の9千人以上の人事担当者の意見を元に2018年世界最大級のビジネス特化型SNSリンクトインが調査した「The 4 Trends Changing How You Hire in 2018 and Beyond」によると、56%の専門家や採用担当者が、新しい面接ツールは採用方法に影響を与える最も重要なトレンドであると答えています。同調査では、人事担当者である回答者は、従来の面接おいては印象による偏りの問題と、ソフトスキルと弱点を評価する能力が限られていることを指摘しています。単に会話をするだけでは、候補者の無秩序さや組織への適応性を評価するのは困難であると回答しています。
AI技術を駆使した人材採用ソフトウェアを提供するIdeal社によると、最近の調査では人事部長の63%がビデオ面接を実施していることが明らかになっています。ビデオ面接ソフトウェア市場の成長を推進する要因には、時間の節約、遠隔地からの候補者のスクリーニング、費用対効果の高さ、候補者へのプレッシャーの軽減などがあることが、RadianInsight社のレポートで分析されています。 その他、ビデオ面接は、自分の都合の良い時に手軽に転職活動ができるという観点から、受動的な雇用(ヘッドハンティング)を促したり、応募者の増加を促すことにも貢献しています。また、デジタル世代である若い世代の雇用の確立を高めることにも寄与しています。
実際にアメリカでは、どのようなツールが使われているのでしょうか。WEB面接ツールの大手3社を見てみましょう。
目次
アメリカのWEB面接ツール大手3社
(1)HireVue
HireVueはデジタル動画面接・AIによる面接選考支援・ゲームベースの能力検査機能を備えたクラウド型デジタル面接プラットフォームです。2004年にアメリカで開発され、現在は30ヶ国語以上に対応し、世界の著名企業700社以上、日本でも大手企業を中心に80社以上で利用されています。
導入企業名
ヒルトングループ、ユニリーバ、ボーダフォン、オラクル、HBO、カンタス航空、BASF等
活用事例
急成長の需要を満たすスケーラブルなモデルを必要としていたヒルトングループは、HireVueの導入を受けてほぼ90%の時間を短縮に成功しました。HireVueが採用チームに優秀な人材を推薦できるだけでなく、優秀な候補者の評価も受け取ったことが証明されています。候補者たちは、HireVueを使った体験がとても好評だったことを語っており、ヒルトンの人事チームに84.9のスコアを与えています。
(2)SparkHire
SparkHireはグローバル企業5,000社以上の顧客を持つ人気のあるビデオインタビューソフトウェアです。 個人事業主から大企業まで網羅できる、手頃な価格体のソリューションを提供しています。
導入企業名
IKEA、フォルクスワーゲン、米国郵政サービス等
活用事例
トップクラスの大学生と大学院生を海外に留学させ、ハイテクスタートアップと仕事をするグローバル起業家精神プログラムを促進するSage Corps社は、ここ数年で爆発的な成長を経験し、かつてないほど多くの申請者からの応募を受け始めていました。そこで対面インタビューのために社員を送らず、全国から応募者にインタビューできるような解決策を望んでいました。SparkHireを導入後、採用工程はビデオインタビューによって5倍も高速化でき、その成長の加速を止めることなく事業を拡大しています。
(3)WePow
WePowは、モバイルおよびオンラインのインタビュー、複数言語、24時間365日のカスタマーサポートなどの機能を提供しています。
導入企業名
レノボ、アディダス、ハイネケン、FOX、ヴァージョンアトランティック航空、ボッシュ等
活用事例
世界最大のテクノロジーディストリビュータの1つであるTech Data社は、HP、Apple、Cisco、Microsoftやその他何百社もの製品の市場投入を担当しています。Tech Data社はWePowを採用して以来、これまで以上に徹底的に才能を評価するためのビデオレスポンスを使用して、現地での販売ポジションに最も適した人材を見つけることが可能となりました。また、プラットフォーム上の、候補者が組織に何をもたらすことができるかを評価することで、全社的な成功を収めています。
アメリカのWeb面接トレンド
・モバイル対応求人・マッチングサイト・アプリ
各種マッチングサイトが進展する中で、求職サイトもそのモバイル化やアプリ化の傾向を強めています。モバイル化やアプリ化は、求職者や候補者との即時性のあるつながりや、最初のコミュニケーションを円滑に継続する利点があります。
企業と人事担当者は、自社のコンテンツと職務内容がモバイル対応であることを確認する必要があります。
・人材採用マーケティング
テクノロジーの発展に伴い、採用マーケティングを最適化することが不可欠になっています。会社の検索プロファイルを改善することから、オンラインおよびソーシャルメディア上でのやり取りを増やすことまで、企業の人材採用マーケティング戦略を立てることが重要です。最適な候補者の目を引く様々なタイプのソーシャルメディアを効果的に取り入れることで、正しいオンラインコミュニティを創造することが望まれています。
・ビデオ採用ツール
時間や場所を選ばない面接が出来るビデオ面接は、多くの企業で既に使われています。加えて、候補者側からのビデオプロファイルも利用されてきています。ビデオコンテンツと一緒に候補者の履歴書を審査することは、候補者の性格や雰囲気を掴むために、採用担当者が事前に決断を下すのに役立ちます。AIテクノロジと共に、候補者のリアルな反応を映し出すビデオには大きなメリットがあります。
・AI対応の採用選考
2019年は、ますます多くの候補者がビデオ通話を介してポジションの面接を行っているため、AIの使用は大幅に増加する可能性があります。SkypeやGoogle Chatの利用が増えれば、AI開発の可能性が広がるでしょう。自動プラグインをビデオ通話プラットフォームに統合して、インタビューの進行状況を観察でき、HireVueなどのAIソフトウェアは候補者の緊張をボディーランゲージから評価できます。候補者の口調やどもりから、候補者の信頼性も窺うことも出来ます。
・仮想現実を利用した採用選考
さらに企業は、面接中に候補者が特定のプレッシャー下でどのように反応するかより良い想定をするために、採用にインタラクティブゲームを使用するケースが出てきています。仮想現実のテストはより実用的で、ある意味では性格テストよりも誠実なアプローチとして注目されています。
参考文献
https://www.radiantinsights.com/research/global-video-interview-software-market-size-status-and-forecast-2025
https://www.hellotalent.com/blog/2019-recruitment-trends/
https://www.moovly.com/blog/why-video-is-a-must-have-in-recruitment-in-2019
https://www.g2.com/categories/video-interviewing?segment=all
https://www.talentlyft.com/en/blog/article/87/15-new-recruiting-trends-you-should-implement-in-2019-updated