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「学生を見て、コンテンツを作ってますか?」NTT東日本の採用担当が覚えたインターンへの危機感 -後編-

伊藤 信吾 様 (東日本電信電話株式会社 総務人事部 人事第二部門 海外研修担当)

小林 優菜 様 (東日本電信電話株式会社 総務人事部 人事第二部門 採用人事担当)

NTT東日本(東日本電信電話株式会社)は、2021年のサマーインターンからコンテンツ内容を一新しました。変更から1年が経過し、インターンにどのような変化が現れたのでしょうか。後編となる今回は、参加した学生さんから届いた率直な声や運営時に大変だったことを語り合っていただきました。お二人の話から見えてきたのは、学生心理を理解したインターン運用と自社らしい企画を組み合わせることの大切さでした。

 ※所属・役職等は制作時点のものとなります。

泥臭い側面を隠さず見せたからこそ、学生に受け入れられた

ーインターンシップに参加した学生さんを見る中で、特に興味深かった点を教えてください。

伊藤さん:自分が成長できる環境か否かを見定めている点が興味深かったです。プログラム後の先輩社員対話会では、「会社に入って自分は成長できるのか?」というところにフォーカスした質問をぶつけてくる子が多く、自分が入社した8年前とは違うなと思いました。同時に、入社後に自分のキャリアをどう高めるかを見定めていることも実感しました。

また、成長意欲のかたまりであるとも思いました。インターン時には「通常の業務では、実際どうなっていますか?」「こういう設計はありなんですか?」という質問が飛び交っていたからです。

ーまさに自分が成長できる環境を求めて新卒採用に臨む姿勢は、Z世代そのものですね。やはり、こうした意欲的な学生さんもスタートアップを視野にいれて就活をしているのでしょうか?

伊藤さん:いえ、スタートアップだけを受けている学生さんもいれば、大企業だけを見ている学生さんもいます。面白かったのが、大企業だけを見ている学生さんは転職する前提で企業を選んでいることでした。「最初からスタートアップへ入ると恐らく勉強ができないので、上手く大企業を利用して転職しようと思います!」と話した学生さんもいたぐらいです。

大企業で学ぶことを学び、力をつけたら転職してもいいし、待遇がよければそのまま働き続けてもいいという考えがあるのでしょう。彼らは自分の可能性を狭めず、視野を広く見ています。

今回のインターンを通し、技術系志望でも営業職やコンサルのインターンに参加したり、工学系出身なのに製薬系のインターンにいったりする学生さんにも出会いました。中途半端に自分を見ず、全てを見ることで自分の可能性をつぶさないように活動しているという姿が印象的でした。

ー実際にインターンへ参加した学生さんからはどのようなコメントが寄せられましたか?

小林さん:「実業務のリアルを伝え、泥臭いことも全部見せてくれる」というコメントが結構寄せられました。どうしてもインターンは自社の魅力を伝える場なので、上澄みのキラキラした部分だけを伝えようとする企業は少なくないと思います。

何よりインフラ業界は社会にとって重要な要素を扱うからこそ、重大な責務を抱えており、1つのプロジェクトを進めるのにもさまざまな手順を踏まなくてはなりませんし、準備に時間を費やすことは正直多いです。一方、若手であってもこれらの手順をしっかり踏めば、大規模の設備構築プロジェクトをリーダーとして牽引できます。

こうした泥臭い本音も含め、インターンで曝け出した姿勢を学生さんに評価してもらえたと思っています。

 

ー泥臭いところを見せつつも、リアルさを体験してもらいながら、面白さを伝えた成果が出たということでしょうか。

伊藤さん:そうだと思います。それこそ、今の就活生にとって魅力的に映るのは「自分が成長できる仕事かどうか」です。彼らの論理を理解した上で、「NTT東日本でこの仕事を行ったら、貴方の市場価値はこれだけ上がるよ」「このスキルを持つことで、会社を辞めても他の転職先があるよ」などを示すことを意識しました。

例えば、SEのインターンに来た学生さんは、確実にTCP/IPを理解して帰ります。一歩踏み込んだ、システムエンジニアの知識を持って変えることで、「5日間でこんなに成長できるんだったら、入社後も成長できるだろう」と学生さんの魅力形成にも繋がりました。

「社内副業でも参加したい」社員を動かした人事の想い

ーここまでの話を振り返り、お二人が特に大変だったことを教えてください。

小林さん:SEが先陣を切ってコンテンツを一新したとはいえ、ネットワークプランニングならではのコンセプトを考えること、ワークをゼロから作るのは大変でした。NTT東日本の仕事の魅力を伝えたいという思いを大切にしつつ、学生に楽しんでもらうために、まずは自分が楽しいと思うものを反映するよう心がけたので、辛かったけど楽しかったです。

ー小林さんのお話にもありましたが、SEからインターン改革をスタートしたこともあり、大変だった点も多かったのではありませんか?

伊藤さん:準備も進行も語り尽くせないぐらいの大変さはありました。特に大変だったのは、社内でのチーム作りです。1回のインターンで約50名の学生さんに参加してもらうため、人事だけでは到底手が回りません。これまでは社内協力という形で、各部署から人員を提供してもらっていましたが、人によっては「しかたなく参加している」という雰囲気が学生さんにも伝播してしまうため、社内副業制度を活用し、人事に興味がある社員でインターンの運営フォロワーチームをつくりました。意欲があって集まったメンバーとはいえ、より良い働きをしてもらうためには、常にモチベーション、やりがいを付与しないといけないところに難しさを覚えました。

ー「副業でやりたい!」と来たメンバーでも、チーム運営はやはり難しいのでしょうか?

伊藤さん:正直、難しかったです。最初はむしろ「副業したい」と言ってもらうことが大変でした。彼らが参加してくれたのは、9割方、僕たちの想いに共感してくれたからだと思っています。誰しもが、心のどこかで会社に対し危機感を感じているはずなんです。ただ、自分でアクションを起こすのは中々難しい……だからこそ、自分たちが採用を通し、どのように会社を変えたいかを伝えました。

今でこそ社内副業として参加してくれている10名の社員は、1年前のインターンの時点では全員が社内要請で参加してもらった協力社員でした。プログラムを経ていくうちに、「楽しい、副業として引き続き関わりたい!」と全員から言われたのは嬉しかったです。2021年冬季インターンからは副業として参画してもらい、今の体制になりました。

2022年からは15名体制で運営しています。改めてこの2年間を振り返ると、バラバラだった皆の方向性が1本のベクトルになったことを実感します。

ー会社説明やハッカソンはよく行われていますが、ここまでリアルな就業体験をできるケースは、なかなか聞きません。

伊藤さん:相当パワーはかかりましたが、やってよかったです。「ネットワークインフラをやりたい」「SEとして働きたい」と言葉にして伝えてくれる学生さんが、明らかに昨年のインターンから増えました。インターンを変えた成果が、学生さんの心にも届いたのだと思います。

 

ー伊藤さん、小林さん、ありがとうございました。

 

前編はこちら

「学生を見て、コンテンツを作ってますか?」NTT東日本の採用担当が覚えたインターンへの危機感 -前編-

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伊藤 信吾 様(東日本電信電話株式会社 総務人事部 人事第二部門 海外研修担当)

小林 優菜 様(東日本電信電話株式会社 総務人事部 人事第二部門 採用人事担当)

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