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BPRとは?業務改善との違いや成功事例を徹底解説

BPRとは

BPRとは、Business Process Re-engineering(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の略で、社内での業務内容や業務フロー、組織構造などを会社規模で根本的に再構築する「業務プロセスの改革」を指します。

業務そのものをスムーズに行うのではなく、ゼロベースから見直し、重複している無駄な作業を排除したり、すでに根付いているルールやシステムを一から最適化して生産性を向上することが目的です。

BPRが行われる背景

BPRがIT業界で注目されたきっかけは、1993年に出版された「リエンジニアリング革命」という著書にあります。当時のアメリカ企業は業績が停滞しており、 状況から脱却するための経営改革を、著者のマイケル・ハマー氏らが「BPR」 と名付けました。

この一連のプロセスがなぜ現在注目されているかどうかは、以下の背景と関連していると考えられます。

・働き方改革の実施

企業が人材不足の悩みを抱えているなか、長時間労働を増やすばかりでは従業員の負担が増えたり、生産性向上も見込めません。限られた人材で多くの業務をこなすには、組織や業務フローの改善を最適化する必要があるためです。

・「2025年の崖」への対策

「2025年の崖」とは、経済産業省が2018年に発表したレポート「DXレポート」に記載されていたキーワードのこと。2025年までにDX(Digital Transformation)、言わば”デジタル技術”による変革を起こさなければ、企業の競争率や業務効率が低下すると予想されています。

大企業だけでなく中小企業や個人事業主も影響を受けるとされており、この危機に立ち向かうべく社内での改革を行い、自社の課題をスムーズに解決できる状態を作ることが必要です。

BPRと業務改善の違い

BPR(業務改革)は、”業務改善”という言葉と類似していますが、考え方が大きく異なります。

業務改善とは、一部の業務に関わる人やコストなどを見直し、ムダを省いて部分的に業務の効率化を図っていくことをさします。一方BPRは、業務に関わる人のみならず、企業全体が見直しの対象となります。業務内容や品質管理、人材採用、業務フローなどすべての企業活動を一から構築し直し、コストをかけて根本的に最適化していく手法です。

つまり、業務改善は業務自体が“あるべきもの”という前提で、部分的な改善を行うことに対し、BPRは業務のみならず、広い視点で一からプロセス全体を見直すという点が大きく異なります。

BPR導入のメリット

コストの削減

BPRは、企業活動にかかわるムダを省いていくことが第一のため、金銭的コストや人的コスト、時間的コストの削減が期待できます。一方で、BPRは企業全体が行う改革であるため、イニシャルコストが発生するのは避けられませんが、長い目で見ると大幅なコスト削減に繋がるでしょう。

業務の効率化

社内の業務内容を一から見直し、可視化することで、無駄な作業を発生させる根源を発見することができ、より効率的な業務への取り組みが可能となります。また、業務の観点のみならず、組織体系の見直しを図るため、適材適所な人員配置を行うことにより業務の効率化が期待できるでしょう。

従業員の満足度UP

企業全体のために業務を効率化することにより、生産性向上に繋がるため、従業員の負担軽減やモチベーションアップも実現できるでしょう。これらにより、サービス向上や高品質な製品提供が可能となり、顧客満足度UPや業績向上も期待できます。

BPRの進め方

BPRの方法や進め方の指針は、5つのステップがあります。

STEP1:目標設定

BPRを行うには、まず各部署やチームにおける現状と理想像を具体的に可視化します。把握できていない課題や問題などもすべての業務を洗い出し、経営戦略を軸とした目標設定を調整していきます。また、BPRを成功させるために、期間を定めて具体的なシナリオを設定することで、BPRの成功率を高めることができるでしょう。

STEP2:課題の抽出

現状と理想を可視化したところで、現状と理想の間にある空白を埋めるための課題を抽出していきます。「無駄が発生している業務に関してはツールの導入を検討する」「最適化すべき人員配置の見直しを行う」など、課題解決までの施策を具体的に考えましょう。

ただし、経営陣だけでなく従業員や顧客の双方の視点も取り入れて判断することが重要です。企業業績をアップさせることも大切ですが、双方の立場が考慮された持続可能なプロセスを見定めましょう。

STEP3:設計

課題が見えてきたところで、実際にどのように改善していけばいいのか方針や戦略を立てます。全てのビジネス設計を一から構築するためには膨大な時間がかかるため、効果の高いものから優先順位をつけて現実的な業務プロセスを設計しましょう。

ここでも従業員からの情報収集や共有が欠かせません。各チームや部署で設計内容を共有しながら業務プロセスを少しずつ構築していくことが大切です。

STEP4:実施・評価

設計された新しい業務プロセスを従業員に共有し、課題解決のためのタスクを業務に落とし込んでいきます。大規模な変革のため、時間をかけて従業員の理解度を深めていくことが大切です。

一定期間を終えたら、「実際にどれだけ課題が解決したのか」「目標に対しての成果は合ったか」「適切な進行状況であるか」など、様々な視点で評価を行いましょう。これらを定期的に行い、既存の課題点・新たに生まれた課題点を整理しながら少しずつ消化していくことが重要です。

BPRを行う上でのポイント

BPRを成功させるためには、むやみに進めても時間と費用を無駄にするため、いくつかポイントを抑える必要があります。構築の際に、下記ポイントを抑えられているかどうかを随時確認することが大切です。

・課題やゴールを明確化する

BPRで大切なことは、BPRの対象を決め、課題やゴールを明らかにすることが大切です。企業全体で行う改革のため、取捨選択しなければならないほど決定すべき事項が多量にあります。そのため、設計段階で軸からぶれてしまいがちになるので、課題やゴールを明確化させておくと、意思決定をする際に大いに役立ちます。

・BPRでの決定事項をメンバーに共有する

BPRは提案者や主幹だけで実行することはできません。課題抽出やフロー設計を行う上で、現場の声や協力が必要不可欠のため、一丸となって業務改革を行うためにも、社内のメンバー全員にBPRの目的や必要性、課題やゴールなどを共有し、会社の変革に対してプラスな姿勢を持ってもらうことが大切です。

・短期的なゴールを見つける

会社全体や部署ごとの長期的なゴールのほかに、チームや個人単位の短期的ゴールの目標設定を行いましょう。メンバーのモチベーションUPに繋がり、目標達成のためのスピード感を意識付けすることができます。メンバーの進行状況がわかるよう、STEP4の「実施・評価」を繰り返し行うことが大切です。

BPRの成功事例

・株式会社日刊スポーツ新聞社

インターネットの普及に伴い、1997年から新聞業からウェブメディアを運営する総合情報事業へと劇的な変化を行いました。新しいコンテンツ管理システムを導入し、ニュースメディアとして欠かせない情報発信スピードを大幅に向上させました。

スポーツに関するニュースを軸に、情報を正しくスピーディーに発信することを目標とし、配信する情報の質を上げるためにワークフローを整えた結果、顧客満足度を上げることに成功しました。

・日立製作所

日立製作所では、働き改革の施策の一環として、独自で開発した「Exアプローチ」を活用しました。Exアプローチとは、ユーザーが求める経験価値の視点で、経営戦略や新規事業を顧客ともに”協創”する手法のこと。

「協創」活動の一環として働き方改革を行い、日々の業務を”見える化”させることにより、残業時間を短縮し、ミスコミュニケーションを減少させることに成功しました。

・静岡県

静岡県の行政は、「行政の質をあげるために科学的な視点が必要」という考えのもと、平成1997年にBPRの取り組みをはじめました。1998〜2002年度に累計5,819事業を見直し、人員コスト削減と行政評価のPDCAサイクルを行い、2009年度の予算は322億円もの金額を圧縮することができ(2004年比)、投資的経費がピークであった1998年度に比べ40%圧縮することに成功しました。

具体的な施策としては、現場職員から業務実態をヒアリングして課題を抽出し、各業務のマニュアル化や認定審査の自動化を行いました。

・ビズリーチ

ビズリーチは、高い精度でデータを一元管理できるMAツールを導入し、顧客の潜在意識を可視化することにより、顧客満足度やサービス向上へと繋がりました。

また、ビズリーチでは社内にBPR部を部署として設けており、事務作業等の自動化を行い、社内業務の最適化を拡大しています。

BPRを成功させるために

BPRは企業や経営に大きなインパクトを与える業務改革のため、慎重且つ効果的な戦略が必要不可欠です。決して簡単な手法ではありませんが、会社全体が一丸となって目標に向かって変革を行うことで、大きな成果を得ることができるでしょう。

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