採用面接時の「アイスブレイク」のコツ。成功させるためのポイントを伝授
アイスブレイクという言葉をご存知でしょうか。初対面の相手との間にある緊張をほぐし、より円滑なコミュニケーションを取ることです。そんなアイスブレイクを面接に取り入れて、より充実した面接を実践するためのコツとポイントをご紹介します。
目次
アイスブレイクとは?
アイスブレイクとは、初対面の人同士が円滑にコミュニケーションを取るため、緊張をほぐすことを言います。その名の通り、凍っている氷を溶かし、水のように流れるコミュニケーションを作り出す、という意味です。
アイスブレイクは、面接時にも広く活用されており、面接官が応募者に対してアイスブレイクを行うことで、充実した面接を目指すことができます。この記事では、面接におけるアイスブレイクのコツやポイントについて、詳しく解説。コミュニケーションに自信がない方も、コツを知って円滑な面接を目指しましょう。
面接におけるアイスブレイク3つの目的
アイスブレイクを面接に導入する目的は、大きく分けて3つに分類されます。目的を正しく理解して、アイスブレイクを活用してください。
応募者の緊張を解きほぐす
面接に挑む応募者は、多くの場合緊張しています。緊張の度合いには個人差があるものの、気が張っていたり焦ってしまい、応募者の緊張がほぐれないまま終わってしまう、というケースも少なくありません。
そんな応募者の緊張を解きほぐすことが、アイスブレイクを面接に取り入れる大きな目的のひとつです。肩の力を抜いてリラックスできると、応募者は自身の長所を存分にアピールできるでしょう。
応募者の魅力を探り出す
応募者の緊張がアイスブレイクによってほぐれると、人物像に迫りやすくなり、魅力や長所に気付きやすくなることもポイントです。緊張している状態だと素の部分が見えにくいですが、気持ちがリラックスしている状態だと、応募者のいつもの姿を面接時に確認することができます。
何気ない会話から応募者の魅力に触れることで、より優秀な人材確保にも繋がるはず。反対に、応募者の弱点が浮き彫りになるケースもあるので、面接官はうまく応募者の人物像を見極めたいところです。
面接の流れをスムーズにする
面接は限られた時間で行われるため、応募者だけでなく、面接官側も、企業アピールを短時間で行う必要があります。両者が満足のいくコミュニケーションを取るためには、アイスブレイクで気持ちを打ち解け合い、最低限の信頼関係を築けるかがポイントと言えるでしょう。
面接官と応募者のやり取りが円滑に行われると、面接の流れがスムーズになり、わずかな時間でも情報交換を確実に行うことが可能。アイスブレイクの導入は、面接の質を高める効果もあるのです。
面接時のアイスブレイクのコツ
実際に面接においてアイスブレイクを導入する際、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。具体的なコツとテクニックをご紹介します。
アイスブレイクは面接冒頭で行う
限られた面接時間を有効活用するためにも、アイスブレイクは面接の冒頭に取り入れましょう。一方的にコミュニケーションを取る必要はありませんが、応募者の様子に合わせながらできるだけ早い段階で緊張をほぐすと、面接時間をより充実させることができます。
逆効果になる話題は避ける
アイスブレイクには基本的に世間話や天候など気軽な話題が取り入れやすいですが、逆効果となる話題もあるので注意しましょう。
例えば政治、スポーツの話題には個人的主観な要素が強く、意見が割れたり会話が弾まなかったりする可能性があります。特に政治的な話題を面接で行うことは、厚生労働省から禁じられている行為になるので避けるようにしてください。
他にも、宗教や出身校、金銭関係の話題も、トラブルになりやすいので避けるのが賢明です。
会話のパターンをいくつか準備しておく
アイスブレイクは、慣れていない面接官にとっては難しい手法になります。いきなり実践すると、うまくいかないまま面接時間が終了してしまう可能性もあるので、必ず事前準備をしておきましょう。
また、面接官にとって得意な話題があったとしても、応募者に的確かどうかは分かりません。いくつかのパターンを用意しておけば、焦らずに落ち着いて対応できるはずです。
バーチャル背景を使うとアイスブレイクしやすい
お気に入りの写真があれば、簡単に仮想背景を設定できます。最近ではバーチャル背景にオンライン名刺を利用する採用者も多く、会話の糸口やアイスブレイクにも効果的でコミュニケーションの活性化と話題性に有効的です。
取り入れやすいアイスブレイクのネタ
アイスブレイクに取り入れやすい、会話のネタや質問内容をご紹介します。事前に心構えをしておくことで、自信を持って面接を行うことができるでしょう。
面接官の自己紹介から始める
一般的には応募者の名前や職務履歴などを質問する流れで始まることの多い面接ですが、あえて面接官の自己紹介から始めることは、有効なアイスブレイクと言えます。
あまり固い内容ではなく、面接官の趣味や所在地、勤務方法など、身近な自己紹介を行うことで、応募者の面接官への親近感アップが期待できるはず。場合によっては、好きな食べ物や特技などで、会話を盛り上げるのも良いでしょう。
面接会場への交通手段や勤務方法について質問する
面接当日に、どのような手段で来たのかを尋ねるのも良いでしょう。必ず答えがあるので回答しやすく、採用の有無に差し支えない内容であるため、最初の会話として取り入れやすくなります。
また、リモートでのweb面接の際は、「接続状況は大丈夫ですか」「聞き取りづらかったら遠慮せず教えてくださいね」などの話題で会話を進めることができます。
応募者との共通点を探る
人は、相手との間に共通点があるほど、親近感が湧く心理を兼ね備えています。その心理を活用し、アイスブレイクで応募者との間にある共通点を探ってみるのも有効です。
事前に履歴書の提出がある場合には、趣味や特技などをチェックしておくと良いでしょう。他にも通勤方法や家族構成など、身近な話題で共通の話題を見つけると、打ち解けやすくなります。
天気の話題から始める
天気に関する事は初対面でも話しやすく話題にしやすいですが、面接時のアイスブレイクでも有効です。話題に悩みがちな面接菅や、応募者が緊張している場合でも、気兼ねなく会話を始めることができます。
「暑い日が続きますが、体調はいかがですか?」「足元が悪い中来ていただきありがとうございます」など、応募者を気遣うこともできるでしょう。
面接時のアイスブレイクの注意点
面接でアイスブレイクを成功させるために、注意しておきたいポイントをご紹介します。面接経験が少ない方も経験豊富な方も、ポイントを抑えてアイスブレイクをうまく取り入れましょう。
会話になりにくい質問をしない
アイスブレイクで取り入れる質問は、「はい」「いいえ」の返答だけで終わってしまうような話題は避けるようにしてください。例えば「今日は電車で来ましたか?」だと「はい」もしくは「いいえ」だけで会話が終わる可能性があり、アイスブレイクに繋がりにくくなります。
会話を続ける投げかけとしては「電車だとご自宅から所要時間はどれくらいですか?」のように、具体的な回答を得られる質問がおすすめです。初対面でも、会話のキャッチボールが成功しやすくなるでしょう。
難しい質問は避ける
限られた面接時間を活用するためには、回答に時間のかかるような質問はおすすめできません。冒頭から「志望動機は何ですか?」「前職の退職理由は何ですか?」など、応募者が回答を考えなければならなかったり、気を遣ってしまうような投げかけはアイスブレイクに相応しくありません。
最初の質問やアイスブレイクを成功させるためには、応募者が頭を使わなくても簡単に答えらえれる質問や話題をするように意識してみてください。
会社や自分の話ばかりしない
面接の際、応募者が緊張していることを気遣い、面接官が多く話してしまうケースがありますが、アイスブレイクとしては適切ではありません。面接官がリードして話すことは良いですが、応募者が話す時間を設けないと、コミュニケーションが取れないまま面接時間が終了してしまいます。
会社紹介や面接官の自己紹介は簡潔にまとめる程度にし、応募者へ質問を行うなど、お互いが同じくらいの割合で話せる時間を作れると良いですね。また、話が長いと応募者のモチベーションが下がってしまうので、話す時間には注意しておきましょう。
答えやすい質問で、アイスブレイクを活用!
アイスブレイクには、できるだけ応募者が答えやすい内容を取り入れるようにしましょう。回答に悩むような質問をしてしまうと、時間がもったいないだけでなく、応募者とのコミュニケーションが途切れてしまう可能性があります。
面接は、企業にとってより優秀な人材と出会うための大切な場です。わずかな時間を上手に活用し、有意義な面接を実践してみてください。