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戦略人事とは?4つの機能や求められる条件について解説

戦略人事という言葉をご存知でしょうか。通常の人事と異なり、業務の効率化やオペレーション業務を円滑にするため、人的マネジメントを行うことを意味します。この記事ではそんな戦略人事について詳しくご紹介します。

戦略人事とは?

戦略人事とは、「戦略的人的資源管理」を略した言葉です。企業にとっての目標を達成するために必要な人材をマネジメントすることから、こういった名称が付けられました。

戦略人事は最近多くの企業で取り入れられており、今後企業にとっては必要不可欠な存在となるでしょう。この記事では戦略人事に必要な4つの機能や、企業にとってのメリットについてご紹介します。

人事と戦略人事の違い

戦略人事という言葉ができる前から、人事という部署は存在しました。人事では採用や雇用者の管理などを行う業務をこなしていましたが、より具体的に人事をマネジメントするのが、戦略人事の役割です。

人事の方向性を決めたり、企業の目標に合わせて人事業務を進めていくという意味においては、これまでの人事と大きく異なる点と言えるでしょう。

戦略人事に必要な4つの機能

戦略人事を行う際、必要な4つの機能についてご紹介します。

1.HRBP(HRビジネスパートナー) 

戦略人事には、企業のトップや各部署のリーダーなどと常にコミュニケーションを取り合い、ビジネスパートナーの関係である必要があります。

企業内でどのようなことが求められているのかや、現在の課題について把握することができ、よりスムーズに業務を進めることができるでしょう。

2.COE(センター・オブ・エクセレンス)

優秀という意味を持つエクセレンス。戦略人事は、企業にとって重要なポジションになるため、優秀な人材が揃っている必要があります。

具体的に計画を立てることができたり、トラブルの予測、データの管理など、積極的に業務に取り組むだけでなく、豊富な経験も戦略人事にとって大きなポイントとなるでしょう。

3.OD&TD(組織開発&人材開発)

より優れた人材の育成や、教育、さらに組織としての成長を目指すために必要なのが、OD(組織開発)とTD(人材開発)です。どちらも欠かすことのできないもので、企業にとっての将来を左右すると言っても過言ではありません。

従業員の能力を見出したり、モチベーション維持のために働きかけることも含まれます。

4.OPs(オペレーションズ)

従業員の勤怠管理や、給与管理、採用へのプロセスなどをオペレーションするのがOPsです。一般的な事務作業とは異なり、より企業にとって良い方向に進むために必要なデータを管理したり、効率的に処理を行う必要があります。

戦略人事を導入するための3つのステップ

自社でも戦略人事を導入しようと考えていながら、なかなか取り組むのが難しいと考えている企業もあるでしょう。その場合に参考にして欲しい、戦略人事導入のためのステップを紹介します。

1.業務の効率化を図る

まずは、戦略人事を上手に導入するために、既存の人事の仕事の効率化を目指しましょう。申請書や人事評価、実績の管理などをクラウドサービスを導入し業務を簡略化。既存の業務の効率をアップさせることで、戦略人事へ切り替える準備しやすくなります。

2.現場からの信頼を得る

従来の人事から戦略人事へ切り替えるには、現場の理解が必要になります。より経営に近い観点で人事の業務が執り行われるため、すぐに理解を得ることは難しいかもしれません。

場合によっては、現場のモチベーションを削ぐことにつながります。

戦略人事は、現場からの信頼がなければ成り立たないといっても過言ではありません。戦略人事とはどのようなものなのか、社員はどうあるべきなのかなどを説明する場を設けるのもいいでしょう。

3.戦略人事の実行するステップを理解する

戦略人事の運営には、以下5つのステップがあります。

1.経営ビジョンの理解:経営方針から将来のビジョンを読み取ります。

2.人材ビジョンの策定:経営ビジョンが達成されたときの社員の姿を策定します。

3.中長期経営計画の理解と人事計画の策定:躊躇期的な企業の目標を理解し、企業の「ヒト」部門に関するニーズを探ります。

4.採用計画と人材育成計画の策定:3.を参考に採用と育成の計画を立てます。

5.組織人事戦略:ここまでの計画に沿った組織開発を行います。

戦略人事を取り入れるメリット

戦略人事を取り入れるうえでのメリットは、スピード感ある人事配置ができることです。戦略人事は攻めの人事。従来型の人事よりも、変化の適応に時間がかかっていたため、臨機応変に対応することが難しかったといえます。

しかし、戦略人事の場合、経営戦略と人事が融合しているので、経営に関する決定がスピーディーに行えます。

戦略人事を取り入れるデメリット

戦略人事を取り入れるデメリットには、以下2つがあります。

ぴったりの人材が見つかりにくい

戦略人事は、従来の人事とは異なる部分が多くあります。人事の知識や経験だけではなく、経営の知識を持つ人材が必要です。よって、両方の知識を持つ人材を見つけなければなりません。自社で育てる方法もありますが、短期間でできることではないため、戦略人事を行おうとしている企業は、先を見越して人材の発掘や獲得、育成などをする必要があります。

運用が難しい

人事と経営の両方の知識を持つ人材が獲得できないと、従来の人事制度のような円滑な組織運営ができない可能性があります。適正な人材が見つからない限り、戦略人事の運用は難しいといえるでしょう。

戦略人事に求められる条件

次に、戦略人事へ求められる条件についてご紹介します。

積極性や行動力

戦略人事は、企業のために積極的に働きかける行動力が必要です。指摘されてから行動するのではなく、自主的に行動し、企業の目標達成や課題克服へ進めるよう、あらゆるマネジメントを行う必要があります。

もちろん社会人としての経験や実力も重要ですが、高い積極性と行動力は、戦略人事にとって大きな武器となるでしょう。

人事のプロフェッショナルであること

戦略人事は、人事の経験や知識が豊富なプロフェッショナルである必要があります。戦略人事の業務はとても多くあるため、高い知識や専門性、プロとして活躍できるかどうかはとても重要と言えます。

企業への深い理解

戦略人事は、ただ目的を達成するだけでなく、企業の特徴や取り組み、歴史、理念などを踏まえた上で、業務を進める必要があります。

数字を上げるだけでは、従業員のモチベーションが得られなかったり、売り上げを維持するのが難しくなるケースが少なくありません、企業への深い理解があってこそ、企業に適した形で業務を進めることができます。

積極的に戦略人事を導入しよう

戦略人事は、企業にとって重要な業務を担います。企業に集まっている人材をよりスムーズにマネジメントすることで、業務効率化や売り上げの向上にも繋がるはずです。人事経験や採用経験、マネジメント経験のある人物を企業に招くなどして、新たにプロフェッショナルな人材を採用するのも有効でしょう。ぜひ、戦略人事への理解を深め、積極的に導入を目指してみてください。

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