
「採用担当の本業は魅力づけ」AI面接で実現した、24時間止まらない選考とリードタイムの大幅削減
優秀な人材を取りこぼさない採用へ
はじめに、AI面接を導入される以前の採用課題についてお聞かせください。
小池さん:弊社は国内に1,200店舗近くを展開しており、近年は海外展開も強化しています。そのため、語学に堪能な方やグローバルで働ける方など、幅広い人材を求めていました。実際に国内だけでなく国外の方からも応募をいただいておりますが、そこで大きな壁となっていたのが「面接の日程調整」です。従来の一次面接は、面接担当者2名で実施していたため、どうしても面接枠に限りがありました。その結果、予約がすぐに埋まってしまったり、海外の応募者の方とは時差の関係で日程調整が難航したりして、意欲のある方とスムーズに面接ができない状況が発生していました。
さらに大きな課題となっていたのが、選考プロセスの長期化です。面接枠が限られており、面接の実施が応募から1ヶ月先になることも珍しくありませんでした。また、その間に他社の選考が進み、一次面接を辞退するケースが発生していたことも課題でした。こうした「リードタイムの長期化」による応募者の離脱や、他社への流出といった機会損失が、結果的に優秀な人材を取りこぼす要因となっているのではないかと、強い危機感を抱いていました。
大田垣さん:採用チームは少人数体制ですが、単純に人員(面接担当者)を増やして課題解決するのではなく、弊社の店舗オペレーションのように生産性や効率を高める方向で課題解決する方法を模索していました。そこで、AIやテクノロジーの活用に注目し、生産性を向上させつつ課題解決できるのはAI面接ではないかと考えました。
数あるサービスの中で、なぜ「harutaka AI面接」をお選びいただいたのでしょうか。
小池さん:弊社では4年前に「harutaka Web面接」を導入し、直近では面接の『AI要約機能』を活用しています。長年の運用を重ねる中で、共に採用課題の改善に取り組んでいくだけでなく、AIの精度や効果も実感してきました。これまでも、内定辞退者へのインタビュー調査や面接官向けの講習を行っていただくなど、伴走者として弊社の採用改善に深く向き合っていただきました。現場の状況を踏まえた改善提案を継続して行っていただけるので、安心して相談できます。そうした積み重ねが、ZENKIGEN社への信頼につながっています。
さらに、ZENKIGEN社が神戸大学と共同で、AIやITの仕組みだけでなく「採用」そのものを学術的に研究されている点も非常に魅力的でした。単なる効率化のための自動化ツールではなく、学術的かつ科学的な裏付けをもってプロダクト開発に磨き続けている姿勢に期待を抱き、「ZENKIGEN社のAIなら面接を任せられる」と感じました。
大田垣さん:社内での導入決定は非常にスムーズでした。人手不足が深刻な昨今、限られた予算と人員でいかに成果を出すかという点は、多くの企業に共通する課題ではないでしょうか。弊社も、まさに同様の状況で、「単純に人員を増やすのではなく、AIや自動化ツールなどの新しい技術を取り入れて効率化を進める。そして、既存メンバーの時間配分や業務プロセス、運用ルールを見直すことで、現在の体制のままで、採用業務の質と生産性の両方を高めていく」という方針を共有したところ、社長からもすぐに承認を得ることができました。
採用担当の本業は魅力づけ

具体的な運用方法と、導入時に工夫された点をお聞かせください。
大田垣さん:まず、AI面接を導入する選考フェーズの設計から、ZENKIGEN社と一緒に進めました。導入にあたっては、弊社の抱える課題や理想とする選考を丁寧にヒアリングいただき、状況に寄り添った柔軟なご提案をいただけた点が非常に心強かったです。現在は、一次面接の代替として「harutaka AI面接」を活用しています。質問内容としては、志望動機や就職活動の軸、学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)といった一般的な項目に加え、弊社独自の質問や、採用要件との合致度を見極める項目を設定しています。深掘り質問については、応募者の回答内容に応じてAIが生成し、追加で確認を行っています。AI面接では、回答内容の録画と全文の文字起こし、要約をログとして記録しています。そのログを採用担当が確認し、一定基準に基づく見極めを行っています。
工夫した点としては、導入前に徹底的なトライアンドエラーを繰り返したことです。新卒学生に近い入社1年目の社員や他部署の社員など、合計約20名の社員が実際にAI面接を体験し、回答の深掘りが適切か、応募者が戸惑わないかなどを検証しました。当初、AI面接の受験回数は一度きりの想定でしたが、若手社員から「練習機会が一度はあったほうがいい」という率直な声が上がったため、現在はやり直しが可能なプロセスとなっています。
小池さん:弊社が採用活動で最も重視しているのは、「採用担当の本質的な役割は、応募者への魅力づけと、未来を共に創る仲間を見つけ出すこと」という理念です。この考えに基づいて、一次面接のAI化を進め、採用担当の定型業務にかかる工数を大幅に削減しました。
これにより、これまで一次面接に充てていたリソースを二次面接の強化へと転換し、二次面接の実施機会を増やしています。さらに、AI面接では対応しきれない応募者からの逆質問にじっくり応えるため、個々の二次面接の所要時間も延長しました。
応募者の方々一人ひとりと深く向き合い、丁寧なコミュニケーションを通じて弊社の魅力やMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)、具体的な仕事内容をお伝えしています。同時に、応募者が抱える疑問や不安を解消できるよう努めることで、企業と応募者双方にとって納得感のある、後悔のない採用へとつなげています。
受験者数と面接の公平性が劇的に向上

AI面接をご利用いただき、西松屋チェーンの採用はどのように変わりましたか?
小池さん:AI面接の導入により、当社の採用活動は多角的に変化し、特に受験者数の増加と選考の公平性向上に劇的な効果がありました。まず、応募者の動向が明確に可視化されるという変化がありました。受験データからは、日中だけでなく、21時頃の実施が多いことが判明し、従来の有人面接では対応困難だった夜間や早朝といった時間帯にも、多くの応募者が受験していることがわかります。これにより、例えば学業やアルバイトなどで日中の面接が難しい「これまでの一次面接ではリーチしきれなかった層」を確実に捉えることができています。
定量的な成果として、合格基準を維持しながらも、選考の母集団が拡大したことによって、一次面接の受験者数、合格者数ともに従来の約1.5倍に増加しています。これは、予約枠の制限を撤廃し、より多くの応募者に門戸を広げられた成果だと評価しています。さらに、面接に関わる工数も劇的に削減されました。従来は応募者一人あたり、面接実施から評価完了までに1時間程度かかっていましたが、現在はAIが実施した面接を、採用担当者が録画や文字起こしを確認し評価するのに15分程度で完結します。これにより、一人あたりにかける工数を約75%削減できたことは、生産性向上における非常に大きな成果です。
大田垣さん:運用面では特に、選考の公平性担保という点で大きなメリットを実感しています。評価にあたっては、必ず人の目を通して録画や文字起こしを確認する運用を徹底しています。これまでは、1日に数多くの面接を行うと、採用担当者の疲労や集中力の低下により面接の質の低下や評価のばらつきが生じたり、面接記録が十分に残らなかったりといった課題も発生していました。しかしAI面接では、応募者のすべての回答が文字起こしされ、録画データも確実に記録として残ります。これにより、誰が評価しても揺るぎない一定の基準で判断が可能となり、情報の聞き漏らしもなくなりました。これは、単なる生産性向上に留まらず、選考の公平性を担保する上で極めて価値のある変化だと捉えています。
加えて、採用管理システム(ATS)である「sonar ATS」にも対応していただいたことで、応募者の方々はシームレスに、面倒な入力の手間なくAI面接を受験できるようになりました。応募者情報を管理する私たち採用担当にとっても、システム間を横断する手間が省け、業務効率が大幅に向上しました。
受験した応募者様からの反応はいかがでしたか。
小池さん:ご応募いただいた方々からは、AI面接に関して概ねポジティブな反応をいただいております。具体的には、「思ったよりもちゃんと面接らしい面接だった」「しっかり深掘りされて驚いた」「緊張したが、自分のペースで話すことができた」といった感想が多く寄せられています。AIが時には厳しい質問で深く掘り下げてくることもありますが、応募者の方が時間をかけて話してくださった内容は、AIがしっかりと認識し、評価に反映されていると感じていらっしゃるようです。これにより、自身の伝えたいことを十分に表現できた、という手応えを持っていただいていると捉えています。

また、AI面接の導入は、当社への企業イメージにも良い影響をもたらしていると感じています。「最先端の技術を積極的に採用活動に取り入れている企業」として、先進的で意欲的な風土で、何事にもチャレンジできる環境がある企業であるというポジティブな印象付けにも繋がり、採用ブランディングの強化に貢献していると認識しております。
AI面接の導入を検討中の他の企業様へのアドバイスをお願いします。
小池さん:私たち採用担当者の本質的な役割は、自社の魅力を伝え、応募者との信頼関係を築く「広報」であり、またその方の可能性を見出す「プロデューサー」のような側面も持ち合わせていると考えています。AIが定型的なスクリーニングプロセスを自動化することで、採用担当者は「人にしかできない、より本質的な仕事」に集中できます。具体的には、応募者一人ひとりの個性と誠実に向き合い、深い対話を通じて自社の魅力を伝え、採用後の活躍を具体的にイメージするといった人間ならではの役割に多くの時間を割けるようになると思います。AIによる客観的な評価は、私たちの判断を強力に補完し、応募者の内面やポテンシャルを深く理解するための時間を確保できるようになります。一方、応募者の皆様にとっても、「24時間365日、好きな時間にどこでも面接が受けられる」という利便性は非常に大きく、学業と課外活動・アルバイトの両立、遠隔地からの応募など、様々な方々に平等な機会を提供できるメリットがあります。
まさにAI面接は、効率と公平性を追求する企業側と、利便性や機会の平等性を求める応募者側の双方にとって、真のwin-winの関係を築く強力なツールだと思います。
最後に、今後の採用活動の展望を教えてください。
小池さん: 今後の採用活動では、国内外からの応募者もさらに増えるでしょう。その中で、グローバルに活躍できる方や、様々な経験や独自の視点を持つ方々の中から、西松屋の未来を担う優秀な人材を採用していきたいと考えています。このような人材を公平かつ効率的に見出し、惹きつける上でAI面接のようなテクノロジーの進化は不可欠です。ZENKIGEN様には、これまでの導入を通して弊社の採用課題を深く理解し、細かい要望にも迅速にご対応いただいており、プロダクトの提供から採用担当者への講習などでサポートしていただいています。
今後も、ZENKIGEN様のプロダクト進化と共に、弊社の採用活動を強力にご支援いただきながら、未来を切り拓いていけることを期待しています。
