動画選考とオリジナル質問の二刀流はアトラクトにも効果あり。中途採用におけるエントリー動画の可能性
年間1万件の応募に対応するには「選考工数の削減」が不可欠だった
早速ですが、harutaka検討時にネクストビートが抱えていた中途採用の課題を教えてください。
早川さん:ありがたいことに現在当社は応募が増えており、新卒・中途合計で年間2万件近くのご連絡があります。中途だけでも1万件を超え、多い月には約1,000件の応募をいただくこともありました。採用チームとしても、できる限り多くの候補者にお会いしたいと思う一方、工数の観点から現実的には厳しく。そのため書類選考を実施しましたが、カルチャーフィットや価値観など、「自社とマッチした人材と本当に会えているのか?」という課題を抱えていました。
この課題を解決するためにharutakaをご導入いただいたわけですね。
早川さん:はい、全部をマンパワーで進めるのではなく、面接で見てる観点をテクノロジーで代替できないか。そう思い、harutakaの動画選考を導入しました。
最初に動画選考が導入されたのは、中途採用ではなく、新卒採用からでしたよね?
早川さん:そうです。主に営業職採用でharutakaを利用しようと検討しサービスへの理解を進める中で、対人印象といった営業特性を見るのなら新卒の方が相性が良いと気づきました。そのため、実験的に新卒採用で導入することにしたのです。新卒採用で試す中で、人柄やカルチャーマッチなど候補者のソフト面を理解したい当社とharutakaがマッチすることが分かりました。
この結果から、職種によらず第二新卒や業界未経験など職務経歴書に書ける実績が少ない中途採用の候補者にも動画選考を取り入れることにしました。なお、営業職に限っては書類選考からharutakaの動画選考へと初期選考がスイッチしつつあります。
第二新卒に対し、動画選考を導入した理由を教えてください。
早川さん:履歴書や職務経歴書だけからだと、どうしても本当の姿を評価しにくい場面があると感じていたからです。先に述べた通り、第二新卒だと職務経歴書に記載できる実績がどうしても限られています。人によってはその評価が自身の力というよりも、会社や環境に与えられていたケースが少なくありません。その一方で、目に留まる結果や実績が残せていなかったとしても高いポテンシャルを感じさせてくれる素敵な方が一定率いらっしゃることも事実です。適切に人材を評価するため、当社では職務経歴よりも、EQ(心の知能指数)やカルチャーフィットを重視しています。動画の伝え方や話し方から候補者の印象が掴める動画選考は、候補者の初期スクリーニングに有用だと思い、導入しました。
ネクストビートの中途採用の流れを教えてください。
早川さん:書類選考後、業界未経験や営業経験が無い方は、harutaka上で当社のオリジナル質問と動画選考を受けていただいています。その次のステップが人事面接です。なお、営業経験のある方やすでに実績をお持ちの方は、面接からスタートします。
導入にあたり、不安だった点はありましたか?
早川さん:選考離脱率の増加です。動画選考になった途端、選考を辞退されるかもしれないという不安がありました。しかし、実際に選考を運用してみると、そこまで気にすることではありませんでした。応募日を起点にスケジュールに沿って受験案内を数回実施すれば、大体の方には受験していただけている状態です。
動画選考とオリジナル質問の二刀流で候補者とのカルチャーマッチを評価
候補者を動画で判断することによる選考メリットを教えてください。
早川さん:大きく2つあります。一つは、候補者全員に会いたいけど会えないという状況が改善されたことです。動画選考を取り入れたことで、事業規模の拡大によって生じていたペインが解消されました。職務経歴書では判断できない候補者に対し、カルチャーマッチや価値観を考慮した状態で、初期スクリーニングが実施できたのも大きな利点です。
候補者のアトラクト(魅力付け)は、どの企業も頭を抱える内容の一つです。ネクストビートが工夫した点を教えてください。
早川さん:動画選考だけでなく、当社オリジナルの質問を考え、設問設計を求める候補者像にマッチするよう改良し続けている点です。その結果、初期段階から自社カルチャーとマッチする候補者に出会えるようになり、アトラクトにも効果を与えました。
当社は採用において、EQ(心の知能指数)とカルチャーフィットを大事にし、伝え方や感じ方を動画から、カルチャーマッチをオリジナル質問から知ろうとしています。今も同様の取り組みは実施していますが、より候補者の人柄や経験値から、価値観や会社選びに対する考え、好み、指向性などが浮き彫りになるような設問に変えていこうと、ブラッシュアップしている最中です。
これらのデータが初期段階で得られるメリットは、候補者理解が進むことです。その後の面接などの工程においても、候補者の特性に配慮した選考が行えます。それに双方のカルチャーが一致した状態で入社していただいた方が、その後の仕事でも力は発揮しやすいと思います。これまで重視していた履歴書や職務経歴書といったハード面の人物理解から、価値観やEQといったソフト面の理解へ振り切れたのも、選考を支える土台にharutakaがあったからです。
オリジナル質問でマッチング度合いを確認してから、動画を視聴するようにしたため、より当社に合う人材から評価できるようになりました。動画も一人当たり約1〜2分で確認でき、面接官1人で判断ができることから、担当者のリズムで選考できます。面接のようにスケジュールが合わないために先延ばしになるということはありません。
「一番見たい観点は何か?」合理的な採用設計がポジションごとに求められる
動画選考の設問設計は、どのように行いましたか?
早川さん:基本的な型は、新卒採用の時点で完成していたので、中途採用はそれを転用しました。EQ(心の知能指数)とカルチャーマッチを評価するのは新卒・中途で共通していたからです。
ネクストビートでは営業職を中心に動画選考を取り入れられていますが、他のポジションについてはどうお考えでしょう。
早川さん:そうですね、マーケティングやコーポレートのように、書類判断が適すポジションもあると思います。この職種の方たちは、評価の土台となる類似経験や要件を、書類の結果も踏まえ考慮した方がいいからです。動画選考も含め、本当に見たい観点やポジジョンに適した選考を設計した方が、合理的ではないでしょうか。
採用拡大中のベンチャー企業では、年々業務量が増え続けていることをよく伺います。動画選考やオンラインを用いた採用は、どのような貢献ができると思いますか?
早川さん:広がりと生産性向上です。動画選考は会える人の範囲が広がるため、数多くの可能性のある方々とお会いするチャンスが増えます。また、自社の基準を明確に設けることで、効率よく会いたい方たちと出会えます。結果として採用における、人的工数の削減や投資対効果の最大化へとつながるでしょう。
harutaka導入から1年。「採用の可能性とチャンス」の広がりを実感した
今後、harutakaに期待することを教えてください。
早川さん:候補者の採点、アトラクトなど、AIによる採用の高度化に期待しています。特に期待するのは、アトラクトポイントの洗い出しです。候補者の感情に合わせ、どのように不安を払拭させ、内定をクロージングするかなど、アドバイスがもらえると嬉しいです。選抜の基準を調整する観点でどのように評価をコントロールするかは私たちが考え、AIによる解析結果が評価のスタンダードになれるようharutakaには頑張ってほしいです。
最後に、この記事を読まれる各社の採用担当者へメッセージをお願いします。
早川さん:実際にharutakaを使わないと分からないことは、結構あると思います。当社も最初は動画選考を実施するサービスと捕らえていました。しかし、サービスを理解するうちにカルチャーマッチ評価の実施など、harutakaが持つ可能性を知りました。
harutakaができることを知る中で、新しい応募者へ会いに行ける可能性を見出す企業もきっと多いと思います。それこそ、当社はharutakaを採用のメインルートに据えたことで、これまでお会いできなかった方と出会えるチャンスが広がりました。これは1年間harutakaを運用した感想であり、サービスを導入する前の自分に伝えたいことでもあります。
早川さんありがとうございました。
録画選考をアシストする『harutaka EF』について、詳細はコチラをご覧ください↓