

学生に就職活動の納得感を届ける。面談フィードバックレポートの開発
インターンシップ期に接触した学生へ、企業の魅力を今以上に伝える施策を検討
エンジニア派遣・請負を通じてテクノロジー分野の人材サービスを提供するアウトソーシングテクノロジーでは、多様な働き方と個人にあったキャリア形成ができることを強みとしており、選考では学生自身が気づかなかった可能性や適性を発見できる面談を実施しています。
今回、インターンシップ期のタイミングで一人でも多くの学生に対してより企業に対して魅力に感じてもらうための施策を検討していました。
「一人でも多くの学生さんに面談に参加してもらうことが、弊社にとっては非常に重要です。そこで面談の満足度を向上させるための施策を検討しました」とアウトソーシングテクノロジーの採用担当者は語ります。
未来の自分からの手紙。描かれるキャリアの道筋

この課題に対し『harutaka 採用ブランディング』では、面談データを活用して学生に面談フィードバックレポートを返すというアプローチを提案しました。単なる企業とのマッチング情報だけでない、学生自身が気づいていない可能性や、面談時に良かったところ、改善ポイントを客観的に伝えることで、就職活動全体の価値を高める「ギフト」を贈るという発想です。
特徴的な内容の1つが、「アウトソーシングテクノロジーに入社した未来の自分からの手紙」というもの。学生がアウトソーシングテクノロジーに入社した場合の「未来のキャリアパス」を複数提示し、それぞれのキャリアステップを描きながら、現在の自分へのメッセージという形で情報を届けるというものでした。
さらに、AIが学生の発言内容を分析し、その背後にある志向性・価値観を捉えます。学生の志向性・価値観にもとづき、それらを後押しできるアウトソーシングテクノロジーの具体的な魅力をレポートで出力。第三者目線でマッチした企業であると感じてもらえた学生が多く、採用担当の意見を補強する補助ツールとしての価値も高く評価されました。
AI活用の慎重なアプローチ
AIの活用にあたっては、リスク回避のための慎重な範囲設定を行いました。企業からの確固たる情報(キャリアパスや企業文化など)はAIに任せず、企業側が原稿を用意。AIは、学生の発言内容の要約や価値観分析など、限定的な範囲で活用することになりました。
これにより、実際に入社後のギャップが生じないよう配慮し、企業側で提供できる待遇や環境と学生の価値観のマッチングに注力。入社後に確実に得られる具体的な待遇、職場環境、キャリア支援などを明確に伝えることで、学生が現実的な期待を持って入社判断ができるようにしています。
「ついシェアしたくなる」エンタメ性を重視したデザイン
「ついSNSでシェアしたくなるような要素を含めたエンタメ性を持たせたものにしたい」という思いから、単なる情報提供だけでなく、見た目の魅力にもこだわりました。結果、「非常にポップなデザインで見やすく、わかりやすい」と評価され、またアウトソーシングテクノロジーのコーポレートカラーに合わせた統一感のあるデザインが好評でした。
面談フィードバックレポートは面談の場で学生と共有する形で活用されています。導入後、リクルーターからは、非常にポジティブな反応が寄せられました。「学生の価値観に合わせた会社の魅力を具体的に伝えやすくなった」「使いやすい」「学生に対して話題にしやすい」という声が多く、コミュニケーションの質が向上し、より深い相互理解が生まれるようになりました。当初の予定よりも早いペースでレポート作成を求める声もあがっています。
採用面接に特化した分析技術がもたらす独自の価値
『harutaka 採用ブランディング』の強みは、採用コミュニケーションに特化した分析力にあります。この技術により、学生の価値観や志向性を客観的に可視化し、それを「未来の自分からの手紙」という形で学生にフィードバックすることを可能にしました。
このプロジェクトの特に大きな成果は、初期選考段階から学生の傾向や価値観をデータとして残せたことだといいます。今まではスキルや経験からあっているキャリアを伝えることがメインだったものに対して、今後は価値観に合わせた魅力づけを行えるようになりました。
現在はインターンシップや特定の選考コースに限定して提供している『harutaka 採用ブランディング』の面談フィードバックレポート。今後は、他の採用チャネルや選考プロセスといった範囲への拡大も検討中です。さらに多くの企業や学生に価値を届けられるようサービスの拡充が進められています。
AIがつなぐ、価値ある採用体験の新たな形
アウトソーシングテクノロジーの担当者は、想定していたより学生からの反応が良く、むしろAI分析の結果が自分たちの伝えたいことを補強していけるものだと改めて実感できたといいます。さらに、AIとうまく付き合っていくことが今後も重要になってくると感じたという声もありました。
人事ご担当者様の多くが、応募者の悩みに対してきちんと答えたいという思いがあるものの、技術やリソースの課題があって実現できないことがあったのではないでしょうか。このプロジェクトを通じて、そうした想いを実現できる可能性が広がりました。
アウトソーシングテクノロジーが学生とともに創り出す採用体験は、関わるすべての人に価値ある経験を創出する、新たな採用の形を示していくことでしょう。