WEB面接を導入した結果、選考以外の用途も見えてきた。
母集団形成に留まらない、「攻めの選考」のインターンシップ
ソフトバンクの採用戦略について教えてください。
中條さん:ソフトバンクの新卒採用には毎年30,000人近い学生からのエントリーがあります。ですが就職活動を行う学生全体からすると10分の1にも足りません。当初はソフトバンクに興味を持っていなくても、ソフトバンクにマッチする優秀な学生はたくさんいると考えており、現状には決して満足していません。源田さん:ソフトバンクはまだ「通信キャリアの会社」として学生から見られていると感じています。しかし私たちが強く求めているのはAIやIoT、ロボットなどの技術に精通しており、新しい事業を創ることができる人材です。そのような学生にソフトバンクのことを知ってもらうには、従来のように大量の母集団を集めるのではなく、ターゲットに合わせて適切なアプローチ方法を考えていく必要があります。私たちが求める学生と早期から接点を持てるよう、「攻めの選考」としてインターンシップの強化に取り組みました。
実施したインターンシップの内容について教えていただけますか。
源田さん:夏と春に実施する就労体験型のインターンシップと、地方創生に特化したインターンシップ「TURE-TECH(ツレテク)」の2種類があります。「TURE-TECH(ツレテク)」は地方自治体の課題解決を目指したプログラムで、ソフトバンクへの興味の有無に関わらず、課題解決に挑戦したいという意欲ある優秀な学生に参加してもらうことを目的にしたものです。中條さん:一方、就労体験型インターンシップはソフトバンクのリアルな仕事・環境を知ってもらうことが目的で、最低でも2週間は特定の部署に配属をして仕事を体験してもらいます。貴重な休みを返上してでも本質的な就労体験をしたいと考える、優秀で意欲の高い学生が多く集まります。今回は就労体験型インターンシップの選考でharutaka(ハルタカ)を導入しました。
WEB面接導入の狙いは、“既存業務の効率化”ではない
harutaka(ハルタカ)の導入の背景について教えてください。
源田さん:私たちは採用業務へのテクノロジー活用を積極的に進めており、WEB面接の導入もその一環です。これまで、エントリーシートの選考をAIで自動化する、学生からの問い合わせにチャットボットを活用するなど、業務効率化のためにテクノロジーを活用してきました。ですが、harutaka(ハルタカ)に関しては効率化ではなく、「多くの応募者の中から、よりマッチする学生にインターンへ来てほしい」という想いのもと導入しました。中條さん:「攻めの選考」として就労体験型インターンシップを強化した結果、学生の間でもクチコミが広がってエントリー数が増加しました。すると、短期間でマッチ度の高い学生を絞り込んでいくフローが重要になってきます。従来はエントリーシートと面接のみで選考を行っていたのですが、今回は面接前にエントリーシートと併せてWEB面接を導入することで、より多くの情報を用いてしっかりと学生を見極めたいと考えました。
実際にWEB面接のHARUTRAKA(ハルタカ)を活用してみていかがでしたか。
源田さん:動画で実際に話している姿を見られるのは人材を見極める上で有効で、インターン生を受け入れる部門からも好評でした。エントリーシートのみを実施した場合より選考への移行率は下がります。ですが面接に来てくれる学生のマッチ度や、インターンの受諾率は上がっており、選考へ進む学生の意欲を実感できました。中條さん:効率化を狙った施策ではないとはいえ、本気でない学生はそもそも動画を撮影しないので意欲でのスクリーニングにもなり、結果としては選考業務自体も効率的になりましたね。
カルチャーフィットや意欲を見る上でWEB面接はきわめて有効
WEB面接ではどのような点に注意して人材を見きわめましたか。
源田さん:インターンシップでは実際の業務を行ってもらうにあたり、チームで働くことになるのでしっかりとコミュニケーションが取れるかどうかを重視しました。その場で学生に質問ができないとはいっても話している姿である程度はわかります。「この人と一緒に働きたいかどうか」というカルチャーフィットを図る上でWEB面接は非常に有効でした。WEB面接を試して初めて気づいたことなどはありましたか。
中條さん:人となり・キャラクターが分かるという点に大きなメリットを感じています。その点を活かし、何か他の施策にも活用できないかと考え、WEB面接の動画提出システムを活用して内定者の自己紹介動画を集めました。動画は一人ひとりの個性が出ますし、人となりもわかるので人事内でも好評です。入社して部署が決まるころに、配属先の上長・先輩社員にどんな新入社員が来るのか動画で見せることで、入社後の円滑なコミュニケーションに繋がるのではないかと考えています。他にも、内定式の答辞代表者の選抜にWEB面接を使いました。ソフトバンクでは人事の指名ではなく、手挙げで答辞代表者を決めています。以前は応募理由を文面で提出してもらっていましたが、動画にすることで意欲の高さや事前準備の深さを図ることができました。
今後はHARUTRAKA(ハルタカ)の活用をどのように考えていますか。
源田さん:今後は本選考での活用も考えられますし、先ほどの内定者の自己紹介や答辞代表者の選抜など、選考に限らず幅広い場面で使っていきたいと考えています。個人的には、選考以外の用途が見えたのが印象的でしたね。WEB面接の活用法をいろいろな企業同士でシェアしていくと、幅が広がり面白くなると思います。harutaka(ハルタカ)が秘める巨大な可能性に期待
ZENKIGENに対して要望やメッセージがあればいただけますか。
源田さん:WEB面接は“距離”で不便になっている人を救うことができるツールです。地方の学生や海外大学の留学生に対しては積極的に推し進めてもらいたいです(※)。海外の大学に通う学生は卒業時期が日本と違うので「就活難民」になることも多くて、そうした人たちを救える可能性があります。将来的にharutaka(ハルタカ)が動画投稿のプラットフォームになり、地方の学生が撮った動画に対して企業からオファーできる仕組みができあがると面白いですよね。また、大量の動画データを分析して数年後に活躍する人材の特性が可視化できるようになると、さらに面白いことが起きますね。個人が動画を撮影してharutaka(ハルタカ)に投稿すると、どういう会社や仕事が合うかをサジェストしてくれるサービスが可能になるかもしれません。それが実現すればミスマッチがなくなるので、個人としても企業としても最高です。思いついたことをいろいろと話してしまいましたが、ZENKIGENさんには他がやっていないことをやってほしいです。harutaka(ハルタカ)の可能性には大いに期待しています。
※ZENKIGENは地方学生の就活応援プロジェクト「上京しなくてもいい就活」を推進しています。
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