WEB面接サービスharutakaをトライアル導入で選考参加率が向上。擬似SPI効果も期待される結果に。
WEB面接サービスharutaka(ハルタカ)の導入を決めたきっかけについて教えてください。
福留さん:当社の中途採用では、本社や主要都市以外に全国各地域の店舗で面接を行うケースも多いのですが、約600という店舗数でもやはり一部カバーしきれないエリアがあるんです。例えば兵庫県では瀬戸内海沿いに店舗が集中しており、一定以上のエントリーがあるにも関わらず選考参加率が低いという状況にありました。滋賀、栃木、広島も同様です。
多忙な求職者の方々が時間と場所を選ばずに面接できるharutaka(ハルタカ)のエントリー動画を利用することで、面接の参加率が向上すると考え、この4県を対象にトライアル導入を決めました。
池ノ谷さん:当社の中途採用では、年間8500名ほどの応募があり、600名ほどを採用しています。理想は800名の採用ですが、応募者の10%を採用するというのは非常に難しいことです。これまで良くも悪くも完成された採用活動をキープしてきており、母集団形成や歩留まり改善などあらゆる面で頭打ちになってしまっている状態でした。特に地方の採用は現状維持ということで結論を出そうとしていたんです。だからこそ、harutaka(ハルタカ)を導入することでもう一つアクセルを踏めるかもしれないという期待はありましたね。
参加率というのは、実は引き上げる手立てがあまりありません。内定から受諾までは面談などいろいろとコミュニケーションをとってフォローすることができますが、まだ会ったこともない方に選考の場に来てもらうことに関してはなかなか施策がなく、長年の課題となっていたんです。
トライアルではharutaka(ハルタカ)をどのように運用していたのでしょうか。
福留さん:harutaka(ハルタカ)を利用したエントリー動画が一次選考で、エントリーシート・職務経歴書・履歴書の提出とSPI受検を二次選考としていました。内定に至るまでWeb上で全て完結する選考方法となりますね。
harutaka(ハルタカ)の導入によって課題は解消されましたか?
池ノ谷さん:対象とした4県の選考参加率は大幅に向上し、全国平均を10%以上上回る結果となりました。これは想定していた数字よりも高かったです。本当に苦戦していたエリアだったので、大きな手応えを感じました。
当初の導入目的以外で副次的な効果はありましたか?
福留さん:エントリー動画を受けていただいた方のSPIの点数が通常の選考の合格者の点数よりも高いという傾向が見られました。当社では、適正としてチャレンジ精神や柔軟性に重きを置いています。このような慣れない選考方法に対しても自分なりの工夫を持って対応できる方がIDOMの求める人材である可能性は高く、harutaka(ハルタカ)が擬似的なSPIのフィルタになりえるという仮説を立てることができました。
全都道府県にエントリー動画対象を拡大。harutaka(ハルタカ)を一次フィルタ機能として活用し、工数の削減につなげる。
トライアルを終えて、現在はharutaka(ハルタカ)をどのように運用していますか?
福留さん:トライアルでは4県でしたが、現在は全都道府県に対象を広げています。同時に、40歳以上の営業職の求職者の方に絞って一次選考でharutaka(ハルタカ)を活用しています。二次選考では、各種書類の提出にプラスして、オンラインでのライブ面接も実施するという流れです。
対象とする年齢を絞ったのは、これまで40歳以上の方の合格率と受諾率が平均より低かったためです。採用しづらいゾーンにharutaka(ハルタカ)を一次フィルタ機能として差し込むことで、より効率的な採用活動を行うことができ、工数の削減につながると考えました。
池ノ谷さん:擬似SPI効果が期待されることから、当社の採用におけるharutaka(ハルタカ)の役割が明確に見えてきたということですね。トライアルではエントリー動画だけで選考を完結させようとしていたんですが、一次フィルタ機能としての活用がより有効だと考えました。加えて、ライブ面接で相互にコミュニケーションをとることも大事だと再確認した部分もあります。
現状ではどのような成果が生まれていますか?
池ノ谷さん:選考工数については1ヶ月で34時間ほど、移動工数も43時間ほど削減することができました。約77時間なので、10日分くらいの工数が削減されたということですね。また、選考会の移動交通費や会場費用なども大幅に削減されました。合格率の低いゾーンで、採用人数を変動させることなく工数の削減に成功したため、他にリソースを割くことが可能となりました。
まだharutaka(ハルタカ)を活用した取り組みが始まってから数ヶ月しか経っていませんが、徐々に蓄積されてきているデータの分析も始めています。参加率や適性が高いという仮説が成立することも期待していますし、成功事例を重ねて、来期には戦術の柱としていきたいです。
一次フィルタとなるエントリー動画で重視しているポイントを教えてください。
池ノ谷さん:営業職ということもあって、とにかく第一印象を重視していますね。録画された画面越しにでも熱意は伝わってきますし、しっかりと自分の言葉で話しているかどうかも分かります。
福留さん:動画をアップロードする際の容量の問題で1分ほどに区切って投稿していただいているのですが、1分で端的に自己紹介したり志望動機を伝えたりするのは実は非常に難しいことだと思います。その限られた時間のなかでも熱意をもって自分のことを伝えられる方というのは、やはり営業職としても人間的にもとても魅力的に映りますね。
今後エントリー動画はアルバイトや新卒採用での活用も視野に。Webで完結する選考スキームの構築を目指す。
Web面接のメリットはどこにあると感じますか?
池ノ谷さん:例えばプロ野球ではビジターゲームよりホームゲームの方が勝率は高いですよね。自分の本来の力を思う存分に発揮できる環境というのは大事で、求職者が自分の”ホーム”でリラックスした状態で面接を受けられるという点が大きなポイントだと思います。
また、これまでのアプローチでは届きづらかった地方在住の方との接点をしっかりと持つことができるのもWebならではですね。先日も、台風や震災の影響で名古屋・大阪・札幌の選考会がキャンセルになってしまったんですが、そういった際にもうまく活用できると考えています。
福留さん:一人の面接官によるジャッジではなく、複数人のマルチな視点で評価し、かつ何度も見直すことができるという点が大きなメリットですね。自動車は価格が安いからといって売れるような商品ではなく、お客様との関係性が非常に大切になってきます。同様に対人能力が重要になる業界の企業様にとって、適性を測るうえでharutaka(ハルタカ)のようなツールはとても有用なのではないでしょうか。
中途採用以外でのharutakaの活用はお考えですか?
池ノ谷さん:全国の拠点のアルバイトの面接での活用は検討しています。なかなか面接の時間がとれない主婦の方なども多いので、harutaka(ハルタカ)を有効活用できるはずです。現在は各店舗の店長がアルバイトの方を採用していますが、合格率にばらつきがあったり採用に関する認識のズレがあったりもします。今後、harutaka(ハルタカ)を通して本社でアルバイトさんを採用して現地に着任させてあげるという形も充分に考えられますね。
先々は、新卒採用においても、ライトに選考を受けることができる一つのフックとして成立するのではないかと思っています。アルバイト・新卒の順で段階的に運用の幅を広げられたらいいですね。
長期的にはどのような採用を目指していますか?
池ノ谷さん:まずは採用活動での出張をゼロにしたいですね。エントリー動画とライブ面接を利用してWebで完結するスキームを確立させたいと考えています。
現在の当社の中途採用の選考官の人数はアシスタントを含め6名です。もし年間800名の採用を2名くらいで回すことができたら、他のメンバーは既存社員のフォローなどに注力していくことも可能になると考えています。
福留さん:近年はEC市場が拡大し、自動車の販売もWebで完結するものが多くなってきていますが、当社は実は1998年から通信衛星を利用した画像販売システムを運用するなど、ある意味で時代に先駆けてテクノロジーを活用してきた経緯があります。ハードもソフトも扱うことができ、圧倒的な数のリアル店舗とオンライン環境があるのが当社の強みです。採用に関しても同じことが言えます。Webで完結とはいえ、リアルとオンラインどちらか一方に偏りすぎず、バランスのとれた採用活動をしていきたいですね。
録画選考をアシストする『harutaka EF』について、詳しくはコチラをご覧ください↓