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事例

応募数増加も面接リードタイムを1.5日短縮|採用工数・コスト削減を実現した西松屋チェーンの面接改革とは

株式会社西松屋チェーン

中里 一幸 様

林 忠良 様

株式会社西松屋チェーンは、ベビー・子ども用品の専門店である「西松屋」を全都道府県に約1100店舗を展開しています。同社には2022年1月からパート・アルバイト採用での利用を目的に「harutaka」をご導入いただきました。今回はパート・アルバイト採用を担当する本部長席事務部長の中里さん、実務面を取り仕切る林さんにお話を伺いました。
事例サマリー
課題
  • 面接担当者の移動範囲が広く、予定のすり合わせが困難なために生じる面接機会の損失
  • 応募から面接までのリードタイムが長い
  • 応募者の急増に伴う、各種コストの増大
導入の決め手
  • ブラウザ上での利用が可能
  • 世代を選ばず利用できるシンプルな操作設計
  • 採用情報のデータ化と蓄積が可能
結果
  • 調整時間の削減に成功
  • 1次面接のリードタイムを約1.5日短縮
  • 面接設定率が前年比で約10%増加

課題は、面接機会の損失と応募者の急増に伴う採用コストの増大

西松屋チェーンのアルバイト・パート採用(以下、AP採用)について教えてください。

中里さん:西松屋チェーンはベビー・子ども用品の専門店「西松屋」を全都道府県に展開し、現在は約1100店舗(取材時点)を構えております。全て直営店なのが特徴です。店舗スタッフの大半は、アルバイトおよびパート従業員です。1店舗あたり約6〜7名のアルバイトおよびパート従業員が勤務します。従業員の世代は10代後半から50代と幅広く、学生にフリーター、主婦やお孫さんのいる方まで、いろいろな属性の方が働いています。

林さん:AP採用では応募から内定までに2回面接があり、店舗店長が1次面接を、地区長が2次面接を担当します。年間で約3.5万人のご応募があり、現在の採用率は応募者全体の約10%です。

「harutaka」を導入した背景を教えてください。

中里さん:大きく2つの理由があります。1つは応募から面接設定までのリードタイムを短縮することです。一般的にAP採用では面接が1回きりという企業が多いと思いますが、先ほど林からも話がありました通り、西松屋チェーンのAP採用は基本的に面接を2回実施します。店舗店長・地区長のそれぞれと面接を行うことによって、勤務いただく実店舗とそこで働くイメージを応募者・西松屋チェーンの双方ですり合った上で、ご入社していただきたいからです。

しかし、店舗店長は1人あたり平均5〜6店舗を掛け持ちしていることから、予定そのものが組みにくく、かつ当時は対面しか面接方法がなかったため、面接日の設定が困難でした。そのため1次面接だけで応募から面接までに約7日かかっていました。

地区長になると平均20〜30店舗を担当していることから、2次面接も実施までに10〜14日を要しました。地域によっては県を超えて店舗を担当することもあるため、リードタイムはもっと長くなり、応募から内定まで1ヶ月近くかかるケースもありました。

中里さん:もう1つの理由は、応募者の急増に伴う各種コストの増大です。西松屋は新型コロナウイルスに影響されにくい業態として、コロナ禍に突入した2020年以降、AP採用の応募者数が急増しました。2019年と比べ、2020年は応募者が約1.3倍となりました。その一方で問題になったのが、採用における人材負担および費用の増加です。

応募者の急増に現場が対応しきれず、1次・2次ともに面接日程を組めないケースが頻発しました。当時は店舗店長自ら地区長と面接日程を調整していたため、調整業務の急増によって他業務にも影響を及ぼしていました。さらに採用業務を一部外部へ委託していたため、外注費用が例年の2〜3倍にまで膨れ上がっていました。

また、全体の約10%の面接で当日の無断キャンセルが発生しており、無駄な移動コストが生じていました。北海道のように移動が大変な地域は面接のためだけに地区長が飛行機で移動することもあるため、従業員の業務負担という意味でも事前連絡のない辞退は正直辛かったです。

一斉にデジタルへ舵を切り、アルバイト・パート採用を完全に内製化した

かなり人の手が介在する採用スキームだったと思いますが、採用のデジタル化は検討されていましたか?

中里さん:はい、手始めに応募受付の自動化を進めているタイミングでした。受付から面接完了までを一斉にデジタルへ移行することで、AP採用を完全に内製化し、各種採用コストを一気に下げられないかと考えていました。その一環として「harutaka」を2021年の夏から検討し、22年1月から導入しました。

「harutaka」を選んだ決め手を教えてください。

中里さん:専用のアプリをダウンロードする必要がなく、ブラウザ上で利用できることから、応募者の利用負担を下げられると思いました。「harutaka」の仕様に加えて、担当セールスのサポートが手厚かったことも決め手の1つでした。担当セールスの方には基本的なことはもちろん、「どうしたらシステム面の課題をクリアできるのか?」などの相談によく乗ってもらいました。また、「harutaka」には利用方法についての問い合わせを365日対応してくれるコールセンターがあるため、サービスとしても安心して利用できると思いました。

林さん:現場担当者の取り扱い負担が少ないのも決め手でした。西松屋チェーンには若手からベテランまで幅広い世代の店長・地区長が所属しています。シンプルな操作設計の「harutaka」なら年代によらず感覚的にすぐに使えると思いました。

北海道を皮切りに、3ヶ月間かけてharutakaを全国展開

西松屋は全国に店舗がありますが、「harutaka」は一気に各店へ導入されたのでしょうか?

林さん:いいえ、初回導入は北海道のいくつかの店舗から始めました。「harutaka」に限らず、西松屋では何か新たなサービスやツールを導入する際は、実験的に小規模で取り入れ、そこから少しずつ広げていきます。今回北海道に導入したのは、店舗間の移動が大変であることに加え、以前からアルバイト・パート向けのATS(採用管理システム)上にあるオンライン面接機能を活用する地区長がいたからです。

中里さん:オンライン面接に理解のある地区長を中心に「harutaka」が利用されるようになり、特に問題なく運用できていたことから、どんどん導入を拡大し、3ヶ月も経たないうちに全国で利用されるようになりました。

社内から導入に対し、反対の声はあがりませんでしたか?

中里さん:基本的に反対の声はありませんでしたが、オンライン面接の利用を避けている店舗店長は少なからずいました。しかし、リードタイムの短縮で応募者の取りこぼしが減るなど、「harutaka」の利用を拡大していくなかで蓄積されたデータや知見を元に繰り返し説明したことで、オンライン面接のメリットが少しずつ社内に浸透し、最初はオンライン面接を避けていた店舗店長たちも利用してくれるようになりました。

林さん:地区長は基本的に1店舗にじっとしていないため、導入当初から積極的に「harutaka」を利用していました。彼らを通じてオンライン面接の利便性などを店舗店長へ伝え、教育していく方法も「harutaka」の利用機会を増やすには効果的でした。

システム運用面で障壁になったことはありますか?

林さん:セキュリティ面や運用面の課題がいくつか発生したため、社内IT部門とのやり取りは頻繁に行いました。例えば「harutaka」では、応募者情報に応募した店舗を組み込むことができないことから、既存のATSとの連携を図る必要がありました。私たちは既存のATSからの応募者情報と「harutaka」の応募者情報をマッチングさせ、応募店舗を抽出し、店舗担当者に配信するフローにすることでこの問題を解決しました。

ワークフローの変更など、導入にあたって見直した点を教えてください。

林さん:応募者を待たせない、連絡の取りこぼしを防ぐことを徹底するため、採用スキームと本部の業務体制を見直しました。本部には、採用チームの一員としてデータ処理を行う3名のパート従業員がいます。店舗の負担を減らすため、採用に関する店舗と応募者との連絡業務は本部の従業員が行うようにしました。

林さん:パート従業員たちの業務フローを見直し、マニュアルを作成しましたが、連絡を取りこぼしやすい点などを把握した上で、できるだけ簡素にかつ正確なデータ処理ができるよう、手作業を極力減らし、マクロを利用したシンプルな処理を実現しました。

改めて振り返ると、「harutaka」の導入は大変でしたか?

中里さん:採用の内製化とオンライン化の2つを約3ヶ月間の準備期間で一斉に行ったのは確かに大変でしたが、「harutaka」はサポート体制が整っているので、導入そのものは大変ではありませんでした。

応募から面接までのリードタイムを1.5日短縮できた

「harutaka」をご利用いただき、西松屋チェーンの採用はどのように変わりましたか?

林さん:オンライン面接導入前は応募日から1次面接実施までのリードタイムが7日でしたが、オンライン面接だけで言うと5.4日にまで減りました。面接設定率も改善しています。対面面接だけでなく、オンライン面接を加えられたことで、面接の受け皿が広がり、日程調整を必要とする応募者数が減少しました。結果として、面接設定率が2022年に比べ、2023年は約10%増加しました。また応募者の当日キャンセルも減りました。

オンライン面接はどれだけ利用されるようになりましたか?

中里さん:西松屋チェーンのAP採用では、応募者へ案内する面接設定枠を、オンライン面接と対面面接を、基本的に半々の割合で設定しています。オンライン面接だけで見ると「harutaka」導入当初のオンライン面接の設定率は約20%でしたが、利用地域が広がるなかで、「面接する店舗に行かなくてもいい」という手軽さを実感した店舗店長が増え、本部も根気強く啓蒙を続けた結果、面接設定の約50%がオンライン面接という現状になっています。面接を実施している割合でいうと、約25〜30%がオンライン面接で実施されています。

従業員の皆様からの反応はいかがでしょう?

中里さん:「harutakaのオンライン面接を一度でも経験すると、対面には2度と戻れないですね」と話す店舗店長が出てくるぐらい、オンライン面接は社内で好評です。応募者の方に店舗を知っていただく機会という意味で対面面接も大事なため、この店舗店長には注意を促しましたが、オンライン面接そして「harutaka」が受け入れられているという意味では安心しました。

なぜここまで、社内で「harutaka」が浸透したのだと思いますか?

中里さん:実験的に小規模で導入し、そこで生じたエラーを改善するーーこれを繰り返し、徹底したことによる成果だと思います。今回は北海道から少しずつ「harutaka」導入地域を広げましたが、利用者が増えると、さまざまな問題が発生します。例えば、「電話番号の登録方法が違っていた」「相手が時間になってもharutakaに現れない。どうしたらいい?」など、登録から面接当日までさまざまな問題が起こりました。

林さん:これらのエラーを解決するため、説明用のWebページを別途作成しました。申し込みの時点で「これはオンライン面接の方向けのフォームです」のように案内を強調する必要があると考えたからです。ここまで案内を徹底したのは、今回の採用デジタル化では、アルバイト・パート領域のATSとチャットボットと「harutaka」の3つのシステムをそれぞれ駆使しながら進める運用にしたためです。応募者がどのツールを利用するかを迷わないよう、誘導案内はしつこいぐらいがちょうどいいと考えました。

エラー改善はマッチング面を見直すきっかけにもなりました。度々、応募ページに記載した条件と応募者の条件がマッチしていなかったからです。各求人ページの要件をどうしたら適切に面接までに伝えられるかを考えるようになりました。

西松屋チェーンでは一部店舗をのぞき、面接形態を応募者が選べるシステムになっています。ここまで応募者にオンライン面接が選ばれるのは、なぜだと思いますか?

中里さん:スマートフォン普及率の高さが影響していると思います。応募者は19歳が一番多いため、オンライン面接を選択するのもデジタルに慣れた若年層がほとんどだろうと予想していました。しかし直近の数字を見ると、オンライン面接を選択している応募者のうち、40〜50歳代の割合が33%と、若年層だけでなく、幅広い世代の応募者にオンライン面接が選ばれていることが分かりました。

AP採用のエントリーはWebからのみ行えますが、約90%の方がスマートフォンから申し込まれます。世代に関係なくスマートフォンを取り扱える人が増えてきたことで、オンライン面接が選ばれやすくなってきたのではないでしょうか。

採用のデータ化にharutakaと挑む。目指すは、情報に基づいた確実性の高い選考の実現

西松屋チェーンでは録画選考の導入が少しずつ進んでいますが、なぜ、録画選考に注目されたのでしょうか?

中里さん:データを蓄積しながら、少しでも従業員の業務負担の軽減につながればと考えたからです。店舗店長も地区長も、複数店舗をかけもちしていると、どこかの店舗では求人募集を出しているのが現状です。オンライン面接の導入で面接機会のロスを削減できているとはいえ、まだ応募者の希望日程とのミスマッチは起こります。もし録画選考を選考フローに組み込むことができれば、面接枠を利用することなく選考が行えるため、我々のように複数店舗を掛け持つ体制の場合には非常に大きな武器だと言えます。

林さん:現在、西松屋チェーンは積極的に出店しており、今期は60店舗の出店を見込んでいます。オープン前には商品陳列のためにアルバイト約30名を2〜3日間の短期で雇用しますが、この面接は地区長が行います。面接人数が多く、社員の身体的にもハードなため、最低限の質問だけに絞った自己PR動画の提出に切り替えることで、面接担当者の負担を減らしていきたいという狙いもありました。

すでに小規模で録画選考を実施されているとのことですが、取り入れた結果はいかがですか?

林さん:東北・埼玉・新潟の3エリアで実験的に導入しましたが、正直、想定よりも多くの人が録画選考を選択したと感じました。提出率、内定率において、対面面接や、オンライン面接と比較しても遜色ありませんでした。

現状、『harutaka エントリー動画』の導入をHP上では大きくアピールしてはいませんが、実験エリアの拡大とともに録画選考を選ぶ応募者が増えることを期待しています。また、録画選考の開始当初は20歳代前半の応募者からの投稿が目立っていましたが、少しずつ30歳代や40歳代の応募者からも選ばれるようになってきました。オンライン面接と同様、年齢層に関係なく利用が増えると予想しています。

※2023年10月現在録画選考は8割のエリアで実施中

将来的に録画選考をどれだけの割合で選考に取り入れていきたいですか?

中里さん:1次選考のうち、50%を録画選考にできたらと考えています。オンライン・対面による面接も選択肢として残すことで、応募者の方の希望に応えつつ、店舗店長・地区店長の負担軽減につなげていきたいです。

今後、「harutaka」と挑戦したいことを教えてください。

中里さん:採用情報のデータ化です。例えば1次面接は評価結果を紙に記入していますが、この用紙は地区長との情報共有にのみ使われてきました。本部に資料として共有したり、データ化したりしてこなかったため、各面接の詳細は分からず、社内情報としても蓄積されていません。

「harutaka」に情報を蓄積することで、面接内容を可視化し、社内の評価マニュアルを見直したり、店舗店長の面接教育へ活用したりなどできたらと考えています。またデータがあれば、店舗店長と地区長の面接情報の確認と評価のすり合わせも行いやすくなると思います。結果的に二次面接までのリードタイムが短縮されることも期待しています。

林さん:採用マッチングの向上や選考基準の統一にもつなげたいです。1次面接では主に条件面を確認しますが、求人情報に記載している要件と応募者の条件が合わないために不合格となるケースが4人に1人の割合で生じています。「harutaka」に情報を貯めていくなかで、どのような部分でミスマッチが生じるかを分析し、求人ページの記載方法の改善や応募者へのアピールの方法を変えていきたいです。

最後に「harutaka」への期待をお聞かせください。

中里さん:私たちが最初に「harutaka」を知った2年前は、アルバイト領域でこのサービスを利用している企業は少なかったと思います。それこそ最初は、「AP採用は新卒採用で必要とされる機能までは求めていないから、本当にフィットするのかな」という気持ちが私たちにもあったぐらいです。いざ利用すると、設計はシンプルで、手広く利用でき、数多くの応募者を受け入れることができました。今後もAP採用の運用効率に有効なさらなる機能とその実装を期待してます。

林さん:正直に言うと、「harutaka」を使いこなせているわけではありませんが、いろいろな使い方ができるとは思っています。個人的にはさらにマニアックな使い方を模索していきたいです。素人な質問をすることもあるかもしれませんが、ZENKIGENの皆さんには引き続きサポートをしてもらえると嬉しいです。今、実験的に導入している『harutaka エントリー動画』による録画選考は、新規店舗の短期パート採用でも導入を拡大させようと画策中です。本選考を全国へ広げていくためにも目の前の導入が定着できるよう頑張らないといけないと思っていますので、ぜひご協力いただけると助かります。

お2人とも、ありがとうございました。

株式会社西松屋チェーン
アルバイト採用採用DX録画選考コスト削減工数削減選考精度向上
業種
小売
利用シーン
スタッフ
従業員数
101〜1000名

株式会社西松屋チェーン 中里 一幸 様

株式会社西松屋チェーン 本部長席事務部 部長

※所属・役職等は制作時点のものとなります。

株式会社西松屋チェーン 林 忠良 様

株式会社西松屋チェーン 本部長席事務部

※所属・役職等は制作時点のものとなります。

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