エントリー動画を加えることで、エントリーシートのテキスト情報だけでは測れない人柄や熱意を多角的に読み取ることができた。
WEB面接サービスharutaka(ハルタカ)を取り入れた、背景や狙いについて。
採用に動画選考を取り入れようとお考えになった背景について教えてください。
冨永さん:2018年にWebセミナーやライブ座談会を実施したのですが、そこで動画の有用性を実感したのが大きなきっかけですね。採用活動で動画をもっとうまく活用できないか検討し始めました。これまで東京と大阪の二カ所で実施していた一次選考を動画選考に置き換えることができれば、運営側の移動時間や工数の削減につながりますし、全国からお集まりいただく応募者の方々の負担も減るのではないかという期待がありました。
トライアルではharutaka(ハルタカ)をどのように運用していたのでしょうか。
冨永さん:もともと新卒採用で動画選考を検討していたのですが、まずは既卒(卒業後7年以内)採用のタイミングでharutaka(ハルタカ)を導入しました。従来のエントリーシート提出に加えて自己PR動画を投稿してもらう形です。
実際に既卒採用でエントリー動画を実施して感じた手応えや成果はありますか?
西村さん:エントリーシートのテキスト情報にプラスして、また違った角度から応募者の方の人柄や熱意をキャッチできるのが非常に良かった点ですね。そもそも既卒採用を始めた背景として、卒業後に何かしら自分の意思で活動されていた方(例えば歌手を目指していて自分の夢に一区切りついたところで就職を希望されている方)にお会いしたいという目的がありました。そのような応募者の方の思いも、動画だからこそより強く伝わってきたと感じています。
また、結果として投稿完了率が非常に高かったので、エントリー動画は距離や時間の制約がある方にマッチする手法だとあらためて思いました。既卒採用ではお仕事をされていて時間制約のある応募者の方も多くいらっしゃいましたので、そういった方でも負担なくエントリーできたのではないでしょうか。
他に、エントリー動画のメリットはどのような点にあると思いますか?
西村さん:エントリーシートも動画も複数名で拝見していますが、動画については選考官それぞれの着眼点の違いもありました。話している内容そのものに着目するのはもちろんですが、例えば動画に映っている背景の様子とエントリーシートの情報を結びつけてその応募者の方についてより具体的にイメージをもつ人もいました。多角的に判断できるメリットは大きかったと思います。
冨永さん:もちろんエントリーシートだからこそ深堀りできる部分もあるので、どちらか一方ということではなく、うまく組み合わせることでカルビーの求める人財を見極めることができたと思います。動画の活用により運営側の負担も軽減し、対面面接で一人ひとりの応募者の方にお会いする時間を増やすことができるメリットもあるのではないでしょうか。
ユニークな設問に対するアプローチの違いで、応募者の主体性やキャラクターがより明確に。
既卒採用のエントリー動画で印象に残っている動画はありますか?
冨永さん: 例えば設問の問1と問2で撮影場所を変えるなど、ちょっとした工夫を凝らしていらっしゃる方もいましたね。なかには撮影した動画を編集している方もいらっしゃいましたし、逆に動画の最後に「私は撮り直しをせずに本当の面接だと思って一発勝負で臨みました」というようなメッセージを添えてくれた方もいらっしゃいました。どちらもその人らしさや意気込みを感じて印象は良かったですね。
志望動機や自己PR以外にとてもユニークな設問設定をされたそうですが、具体的にはどのようなものだったのでしょうか。
冨永さん:ZENKIGENさんに撮影をお手伝いしていただいたのですが、社内のミーティングで議論の衝突が起きているシーンを私たちで再現して、「あなたがその場に戻ってきたとき、どのような第一声をかけますか?」というような質問を投げかけました。これは口頭でも説明できる内容の設問だとは思いますが、実際にその状況を演じることでよりイメージが伝わると考えたんです。私たち自身、ある意味楽しみながら熱演しました(笑)。
その設問の意図と、どんな回答があったのかを教えてください。
西村さん:当社が求める人材像として、「自ら学び、自ら困難な課題にチャレンジし、自ら育つ自立的実行力ある人財」というものがあるのですが、やはり主体的にアクションを起こせる方かどうかを知るためのヒント、という意図はありましたね。
実際の回答としては、少し距離を置いて落ち着いて状況説明をされる方もいれば、ほかのメンバーに確認を投げかける方もいらっしゃいました。どれが正解、というのはないので、みなさんそれぞれの言葉で働きかけていて、いろいろとキャラクターやアプローチの違いが見えましたね。
エントリー動画でのユニークな設問設計も含め、御社の採用活動のコンセプトはどのようなものなのでしょうか。
西村さん:ユニークな設問設計をしたことにも関係するかもしれませんが、選考を受ける応募者のみなさんに何かしら“気づき”や”経験”のようなものが残ったらな、という思いがあります。また私たちの場合、応募者の方は同時にお客様でもあるので、カルビーのファンづくりの場でもあると思って臨んでいますし、気持ちの良い採用活動というものを目指しています。
20新卒の一次選考で本格的に運用開始。データの利活用も見据え、より精度の高い選考設計を目指す。
20新卒採用ではどのようにharutaka(ハルタカ)を運用する方針ですか?
西村さん:Webエントリーシートや適性検査などの他に、エントリー動画を実施する予定で、その後の、何回か対面面接を予定しています。新卒採用はエントリー数も既卒の10倍以上になりますし、設問設定に関してもさらに精査する必要があると考えています。当社の大事にしている考え方や学生さんご自身の価値観や自分らしさのようなものがうまくリンクするような設計をしていきたいです。
今後harutaka(ハルタカ)を活用してチャレンジしてみたいことはありますか?
冨永さん:リアルタイムのWebセミナーにもharutaka(ハルタカ)を活用してみたいですね。当社は技術系社員の数が限られているのですが、先輩社員との座談会のニーズは高いです。例えば広島の技術系社員がオンラインで全国の学生との座談会を実施するというようなことができたら嬉しいですね。地方在住の方との早期段階でのタッチポイントを増やしたり、内定者フォローの際にコミュニケーションの機会を増やしたり、いろいろ活用できるのではないかと考えています。
西村さん:今すぐというわけではないのですが、先々はリアルタイムのライブ面接も検討していくと思います。その際には録画機能も使いたいですね。ログを残して次の選考の面接官に情報として伝えることで大きな効果があるのではないかと考えています。
様々なデータを取得できる環境が整ってきているので、データの利活用にも積極的に取り組んでいきたいです。根拠となるデータがあれば、一辺倒な設問設定ではなく応募者の方一人ひとりの強みを引き出せるような設計も可能になるのではないかと考えています。少し先のお話にはなるかもしれませんが、AIを活用してより客観的な判断をプラスした精度の高い選考が実現することも期待しています。テクノロジーをうまく組み合わせて採用活動をデザインしていきたいですね。
いくつかのサービスをご検討されていたと思いますが、harutaka(ハルタカ)を選んだ決め手は何かありますか?
冨永さん:エントリー動画に関して当初はイメージがぼんやりとしていたのですが、ZENKIGENさんにとても丁寧にアドバイスを頂きました。サポートの手厚さも大きなポイントでしたが、ZENKIGENさんは自社内に開発体制が整っていて、クライアントの声をすぐに反映させてharutaka(ハルタカ)をどんどん進化させているので、そのスピード感が一番の決め手だったかもしれません。
西村さん:トライアル導入のコストがリーズナブルだったことでチャレンジしやすかったのもありますが、何より問題解決のスピードが速い点が大きかったですね。当社が導入している採用管理システムともスムーズに連携できましたし、もちろん一つのツールとしても非常にユーザビリティが高いと感じました。
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