「応募者にとってもいい採用を」面接データから採用の改善に挑む、日本トータルテレマーケティングの取り組み
誰しもが使いやすいWeb面接サービスを求めて
中途採用に「harutaka」の導入を検討した背景を教えてください。
山川さん:きっかけは、コロナ禍でWeb面接を円滑に進めるためです。元々、他社サービスを契約していたものの、ほとんどオンラインツール機能を使用してこなかったためか、面接担当者が上手にツールを使いこなせておりませんでした。日本トータルテレマーケティングでは、部門ごとに面接を行っているため、基本的に人事は同席をせず、面接担当者に任せています。面接担当者から、「今のままではWeb面接が行いにくい」との声が上がったことをきっかけに、利用サービスを再検討することにしました。
本業との兼ね合いもあり、面接にかけられる時間は限られています。1日で10名前後の学生を面接するため、どうしても時間帯によって質にバラつきが生じてしまうのが課題でした。面接担当者の負担軽減、終盤でも前半同様の面接品質を担保できる方法を探していたなかで『harutaka IA』を知り、導入を決意しました。
さまざまなサービスがあるなかで、「harutaka」を選んだ決め手を教えてください。
山川さん:システム上で個人情報の同意から面接までを一元管理できたからです。特に人事として重視したのは、「システム上で各種個人情報の同意・取得管理ができる」です。相手の同意が取れないままだと選考は進められませんし、確認が取れるまではメールや電話などのフォローが必要になります。
元々、応募者とはシステム上で各種同意のやり取りをしていたため、この部分がシステム上で行えないサービスだと人事側の業務負担が増える可能性がありました。セキュリティ面も考慮し、無料のツールではなく採用専門のサービスを取り入れたいと考えました。また、トライアルでUI/UXが分かりやすかったこともあり、Web面接に不慣れな面接担当者でも問題なく使えると思い、「harutaka」の導入を決めました。
harutakaの機能が当たり前になるぐらい、現場では利用されている
「harutaka」を実際にご利用いただくなかで、どのような効果を実感しましたか?
山川さん:導入前に寄せられていた、「Web面接が行いにくい」という声はピタリと止みました(笑)。人事としても、1次面接前の履歴書受領送付から内定連絡・承諾までを一貫して「harutaka」で行えるため、業務管理がより楽になりました。また、応募者の皆様のオンライン環境が分からないため、「harutaka」でのやり取りは応募者の負担軽減にもつながっていると思います。まさに「harutaka」は誰にでも通用する面接手法ですね。
日本トータルテレマーケティングで、「harutaka」をどのようにご活用いただいているかを教えてください。
山川さん:1次面接は基本的に「harutaka」の『ライブ機能』を使って面接を実施しています。面接後に『アンケート機能』を活用することで、応募者が面接時に受けた印象を確認できるようになりました。
場合によっては2次面接も「harutaka」上で実施しますが、面接と並行し、入社意欲などに関するアンケートに『アンケート機能』からお答えいただきます。ここで得たアンケート結果は、面接が適切な環境で実施されたかの確認や応募者の入社意欲が面接を通して醸成されたかの把握などに利用しています。
「harutaka」の『アンケート機能』は当たり前すぎて自分たちではそこまで使っている自覚はありませんでしたが、今回の取材をきっかけに振り返ったところ、それだけ自然と採用スキームに溶け込んでいるのだと思いました。
現場では特に面接録画をご活用いただいていると伺いました。人事の皆様や面接担当者の皆様が実際にどのように活用されているか教えてください。
山川さん:面接録画は、主に2次面接の申し送りに活用しています。2次面接では本部長・副本部長部長クラスのメンバーが担当することもあり、これまでは必要な内容を書き出していました。応募者の雰囲気が伝わりにくいなどの話を受け、面接録画共有に切り替えたところ、現場ではよく利用されているようです。
他にも、「履歴書」「個人情報取り扱いの同意」「内定承諾の同意」を「harutaka」の機能で取得・管理したり、内定連絡やその後の各種書類のやり取りを「harutaka」内のメール機能を使用したりと、「harutaka」は日本トータルテレマーケティングの選考フロー全体において、もう欠かせない存在になっていますね。
きっかけは応募者アンケート。面接録画から分かった面接の現状
「harutaka」の面接録画を確認し、面接担当者へのフィードバックなどに活用していると伺いました。活用に至った理由や抱えていた課題について教えてください。
山川さん:面接後に「harutaka」で実施しているアンケートの結果や選考通過状況などを踏まえ、「もしかしたら、部署と応募者の間で選考のミスマッチが起きている……?」と人事側で異変を感じたからです。
面接録画を視聴したときの感想を聞かせてください。
山川さん:アンケートの結果や選考通過状況などを踏まえ、応募者体験が少し心配になる面接があったので、その面接録画を確認したところ「もしかしたら、応募者との会話のキャッチボール回数が少ない?」「応募者がアピールできる時間が十分に取れていない?」と思う場面がいくつもあり、「応募者体験が不十分なまま選考が終わってしまった方もいたかもしれない」と感じました。
日頃から顧客と接する機会が多い担当者だったため、面接も問題なく行えると人事チームでは考えていたのが正直な気持ちです。しかしこの一件をきっかけに私たちも反省し、「役職に関わらず、応募者のことを考えた面接のあり方を面接担当者に伝える必要がある」と考えるようになりました。なぜなら、面接担当者の対応に悪気はなく、良かれと思い行動している可能性があったからです。実際に自身の進め方が不適切であることに気がついていない様子が録画からも伺えました。
面接を解析してみた結果と今後の期待
これまでに蓄積してきた録画データを『harutaka IA』で解析したと伺いました。解析に至った背景を教えてください。
山川さん:先ほどお話した面接担当者の魅力付けが不足していた事例のように、もしかしたら人事チームが見落としている面接が他にもあるのではないかと危機感を抱いたからです。ZENKIGENの皆さんに相談し、一度『harutaka IA』で解析しようという話になりました。
解析結果からはどのようなことが分かりましたか?
山川さん:全般的に危惧していたほどの結果ではなく、ひと安心しました。数値として評価が見れたことで、スコアからハッキリと傾向が見れたのは分かりやすかったです。アンケートの結果も併せて確認したことで、スコアと一定の相関があることを確認できました。こうして結果が見れたのも、地道に面接録画とアンケートを蓄積してきた成果だと思います。また社内の関係者に「アンケートにこのような声があった」と説明するよりも、分析結果が一緒だとより納得感が高くなると感じました。
『harutaka IA』が面接を定量的に評価してくれることは、面接担当者の教育の後押しとして役立つと思います。面接録画やアンケート情報などは引き続き蓄積しているため、「今後新たに動画を解析するなかで、見えてくることもあるのでは?」と期待しています。
応募者を見る力を全社で養い、応募者・企業の双方に良い採用を目指す
今後、日本トータルテレマーケティングの採用を進めていくにあたり、大切にしていきたいことを教えてください。
山川さん:応募してくれた相手を考え、お互いにとっていい採用をしていきたいです。どうしても、採用は会社都合、つまり自分たちの都合になってしまいがちだと思っています。
例えば、そのときに求めている経験や職歴を持つ人が応募してきたら、部署としては「いい人がきた!」と飛びつきたくなります。面接でも、その方に入社してほしいと言う気持ちが強くなっているためか、いいところしか見えないことも……あると思います。厳しい言い方になりますが、この状態で採用に至っても、お互いに不幸になってしまうケースは少なくありません。
応募する方にも人生があるからこそ、ひとつひとつのやり取りを無駄にしないようにしつつ、時には厳しい目線で判断する必要もあると感じてます。
日本トータルテレマーケティングが目指す採用の実現に向け、「harutaka」に期待する点を教えてください。
山川さん:「harutaka」で情報を集めるなかで、『harutaka IA』の結果を適性検査のような成績表として将来的に渡せるようになると、役職などに関係なく、面接担当者がより自身の面接に関心を持つきっかけになるのではないかと期待しています。各々が自身の面接の質を高めるなかで、会社の魅力付けにもつなげていきたいです。
最後に、より良い採用の実現に向けて課題を抱えるBPO業界の企業やご担当者様に向けて一言メッセージをお願いします。
山川さん:どうしても今の面接は、感覚的な部分が多いと思います。感覚的な視点だけでは、面接をより良くしていくのは難しいのが正直なところです。可視化し、形にできる材料が「harutaka」からは得られます。この情報を活用し、自分たちの面接の質を高め、お互いにいい方とのご縁を今後ともつくれたら素敵ですよね。