Case

事例

「学生一人一人とより真摯に向き合いたい」東京建物がAI導入で成功した評価の定量化と、データ活用のこれから

東京建物株式会社

内田 翔太 様

山本 梨乃 様

東京建物株式会社は、1896年に創立された日本最古の総合不動産会社として、ビル、住宅、商業施設、ホテル、物流施設など幅広く事業を展開しています。同社には2022年7月から新卒採用で『harutaka EF(エントリーファインダー)』をご導入いただきました。今回は新卒採用を担当する内田さん、山本さんにお話を伺いました。
事例サマリー
課題
  • 録画選考における評価の属人化
  • 数千人分の動画の閲覧、評価にかかる膨大な業務量と負担
導入の決め手
  • 評価基準が可視化できる
  • 顧客に寄り添い続けるカスタマーサクセスの姿勢から、サービスと担当者の質の高さを実感できた
  • プレテストを経て、自社とマッチするサービスだと理解できた
結果
  • 評価基準の定量化に成功
  • これまでの50%の労力で自己PR動画の視聴から評価までを実現
  • 初期選考における採用システムの一元化により、人事・面接担当者の業務が効率化
  • 一人一人の学生に向き合う時間をより多く確保できるようになった

学生への真摯な寄り添いに向けた「ノンバーバル情報の定量化」

『harutaka EF』を導入した理由とその背景を教えてください。

内田さん:これまで以上に学生の皆さんと真摯に向き合いたいと思ったからです。『harutaka EF』導入前は、初期選考としてエントリーシート(以下、ES)とWebテスト、録画選考を行っており、録画選考におけるノンバーバルな情報を『harutaka EF』で定量化できれば、今まで以上に評価者の基準が統一された採用が可能になると思いました。エントリーしてくれた学生の皆さんに真摯に向き合うためにも評価基準の定量化が必要だと考えたからです。

当時、録画選考において、どのような課題を抱えていましたか?

内田さん:課題は評価の属人化です。東京建物では、新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン採用を導入し、その際に録画選考も取り入れましたが、インターンシップ選考と本選考で数千本単位の自己PR動画を3名の採用担当が選考ごとに1週間以上かけて視聴・評価していました。 
録画選考の評価項目は定められていますが、自身の評価にブレを覚える場面がありました。他の担当者と評価のすり合わせをしても、視点が合っていないと感じることもあり、そうした状況から、評価者のブレを極力抑えることができれば、学生の皆さんにより真摯に向き合うことができると考えました。また、評価者の負担軽減・選考の迅速化など、採用担当にとっても良い効果をもたらす可能性があると思い、『harutaka EF』の導入を進めました。

『harutaka EF』の導入を前向きに検討した理由は他にもありますか?

内田さん:東京建物のニーズに合わせて、録画選考の評価軸のブラッシュアップを提案してくれたこともあり、学生一人一人とより真摯に向き合う採用を一緒に創っていけると思いました。

ZENKIGENの協力のもと、情報がオープンとなったことで導入ハードルが下がった

『harutaka EF』導入に際し、さまざまな社内ハードルがあったとお伺いしました。選考へのAI導入はまだまだ一般的ではないため、懸念を感じる人も少なくなかったと思います。東京建物ではどうやって導入ハードルを乗り越えましたか?

内田さん:録画選考において、人が評価していた部分にAIを導入するのは、ほとんどの従業員が初めて聞く内容でした。社内理解を得ながら進める必要があったため、ZENKIGENの皆さんにもご協力いただきながら、AI導入で実現できることをはじめ、AI活用に関する情報を社内でオープンにしながら、一歩ずつ着実に導入を進めました。

具体的に、ZENKIGENはどのような点でご協力できましたか?

内田さん:『harutaka EF』の評価項目がどのように設計されているのか、具体的にどのような演算が行われているのかなどを、ZENKIGENのエンジニアにもMTGに参加してもらい、丁寧に説明してもらいました。おかげさまで「採用でのAI活用は怖いものではなく、採用担当の評価を助けるものだ」という理解を深めることができました。

また、東京建物のこれまでの評価データを用いて、現状の評価基準の可視化をお願いし、私たちの過去の合否判断の傾向が『harutaka EF』によって、どのように定量化され、評価基準として活用可能かを理解できました。

導入に向けて、なぜここまで慎重に慎重を重ねられたのでしょう。

内田さん:私たちの評価基準を可視化できたとしても、アウトプットされる結果によっては、東京建物にとって最適な『harutaka EF』の運用方法を見出せない懸念があったからです。システムがどれだけ優れていても、自社に最適な運用方法を見出せなければ、導入は難しいと判断せざるを得ません。

しかし、ZENKIGENの皆さんは初回の説明からプレテストにかけて『harutaka EF』の最適な運用方法を状況に応じて常に示し続けてくれました。ここまでの対応は、どの企業も行ってくれるわけではありませんので、本当に感謝しています。

独自の観点や価値観に沿った評価基準が作れた

『harutaka EF』における採用担当の合否傾向と分析結果を見たとき、率直にどう思いましたか?

内田さん:かなり納得感がありました。東京建物の評価の特徴量を可視化できたからです。そしてその精度の高さに驚きました。

『harutaka EF』の導入目的「録画選考の定量化を通じて、学生一人一人とより真摯に向き合いたい」という目標は達成できましたか?

内田さん:達成できたと思います。これまで可視化できなかった雰囲気や人柄といったノンバーバルなコミュニケーションを定量化でき、一人一人の学生とより向き合えるようになったからです。

山本さん:私は25卒向けのサマーインターンシップから録画選考に携わりましたが、ESでは見えない魅力が自己PR動画からは伝わってきました。録画選考1つにしても、学生それぞれの魅力は本当に十人十色だなと感じたと同時に、雰囲気や人柄など、その人から醸し出される部分を定量的に理解できる『harutaka EF』は画期的なサービスだなと思いました。

業務負担の軽減という点ではいかがでしょう?

内田さん:10年以上現場で利用してきたATSと「harutaka」の連携、さらに採用システムを「harutaka」に一本化できたことで、面接担当者の負担軽減・選考の迅速化などの工数面においても効果を発揮しました。録画選考だけで見ると、これまでの約半分の時間で視聴・評価が可能となりました。面接担当者が選考に集中しやすい環境が整えられたという意味でもプラスに働いています。

山本さん:業務の負担が軽減されたことで、学生との1対1の面談やイベントなど交流や対話に費やせる時間が増え、一人一人の学生の魅力にこれまで以上に向き合えるようになったと思います。

ここまでの結果を踏まえ、『harutaka EF』のデータを今後社内でどのように活用したいとお考えでしょう。

内田さん:活用の仕方は無限大だと思いますが、まずは評価基準の精緻(せいち)化をより進めたいです。採用データを蓄積できることそのものが財産だと思います。将来的には東京建物に入社した人が「どれだけ定着・活躍したか」をデータとして蓄積していきたいです。ゆくゆくは活躍人材に共通するデータを定量化できないかと考えています。

価値観の定量化から「人への寄り添いの体現」を目指す

今後、東京建物の新卒採用において、何を大切にしていきたいですか?

内田さん:東京建物の新卒採用では「人への寄り添いの体現を大切にする」を合言葉に活動しています。学生の皆さんにこれまで以上に寄り添えるよう、テクノロジーも 活用した適切な 採用を進めていきたいです。

山本さん:少しでも見えていない学生の魅力を引き出すことが、寄り添うことなのかなと私は解釈しています。「harutaka」や『harutaka EF』などのテクノロジーの力を借り、面接では見えなかった部分を私たち人事が引き出すことで、ありのままの学生を知ることができると思います。また、入社後もその学生が活躍できるよう、人事が場を整えることも大事です。入社後の配置やオンボーディングの場面でも積極的にデータを活用できたらと考えています。

東京建物が大切にする「人へ寄り添う採用」を実現していくにあたり、ZENKIGENとどのようなことに挑戦をしていきたいですか?

内田さん:ZENKIGENの強みはデータ化とデータ分析にあると思います。「定量的な特徴量を落とし込んだ新卒採用の実現」を目指し、「人への寄り添いの体現を大切にする」を一緒に実現していきたいです。

山本さん:東京建物はジョブローテーション制を採用しているため、新卒で入社すると、数年間で複数の部署を経験します。「どの部署の掛け合わせが、本人のパフォーマンスを引き出すのか?」など、入社後の配置や異動にも採用データが活用できないかをZENKIGENと協力しながら模索していきたいです。

また、2023年5月に採用プロセスの整理を目的としたワークショップをZENKIGENと行いましたが、新たな気づきや発見などは得られましたか?

内田さん:ワークショップは収穫しかなかったです(笑)。活躍人材の議論では、各々が描く具体的な人物像を踏まえつつ、自身の思う人材像を一度深く考えることができました。就活生の1年間のモチベーションを落とし込んだ採用ジャーニーも作成しました。採用ジャーニーを通じて、採用プロセスの課題感について共通意識として持てたことをきっかけに、どの時期にイベントを開催することが就活生にとって有益なのかを社内で議論できました。

山本さん:ワークショップを行ったときは、採用担当になってまだ2ヶ月足らずだったこともあり、東京建物としての活躍人材の言語化も採用ジャーニーも担当としての基礎固めになりましたし、今後の採用方針を考える土台にもなりました。社内だけではこうした時間を意識的に確保しなかったかもしれないので、この機会を用意してくださったZENKIGENのご担当者には本当に感謝しています。


最後に、よりよい採用の実現に向けて課題を抱える企業やご担当者様に向け、一言メッセージをお願いします。

内田さん:ZENKIGENの皆さんには非常に丁寧にご対応いただき、本当にいつも助かっています。採用基準が不明確で困っている採用担当は、少なからずいらっしゃると思っています。採用の評価基準をつくるという意味では『harutaka EF』は非常に有効な手段だと思いますので、データ活用や評価基準のあり方に悩まれているご担当者様は、ぜひ一度ZENKIGENへご相談されてみてはいかがでしょうか。

山本さん:正直に申し上げると、人事部へ移動してきた当初、AIを採用に取り入れることに対し「本当に信頼できるのかな」と若干の抵抗感がありました。ただ自己PR動画を視聴すればするほど、自分の判断基準にさえ少なからず不安を覚えました。

不安を覚えたからこそ、評価基準をAI分析から策定し、評価基準にもとづいて応募者一人一人と向き合うことが信頼できる評価につながることを身をもって実感できました。効率化から生まれた時間を、学生の皆さんの見えていなかった魅力の発見に使えるという意味でも、『harutaka EF』は良いサービスだと思います。

お2人とも、ありがとうございました。

東京建物株式会社
デベロッパーエントリーファインダー採用DX録画選考工数削減選考精度向上
業種
デベロッパー
利用シーン
新卒
従業員数
101〜1000名

東京建物株式会社 内田 翔太 様 (うちだ しょうた さま)

東京建物株式会社 人事部

※所属・役職等は制作時点のものとなります。

東京建物株式会社 山本 梨乃 様 (やまもと りの さま)

東京建物株式会社 人事部

※所属・役職等は制作時点のものとなります。

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