社内コスト20%削減と、評価の属人化からの脱却に成功した取り組みとは
採用担当と学生、双方の面接負担を減らしたかった
「harutaka」を新卒採用に導入した背景を教えてください。
松井さん:ハイマックスは全国的に新卒採用を行っており、新型コロナウイルスが感染拡大する前までは、採用担当が面接のために地方へ訪問することが多々ありました。ただ当時は、採用担当4名と事務1名という、わずか5名の社員体制だったため、採用担当が1名でも出張してしまうと、実務に費やす時間が全体的に不足してしまうことが課題となっていたのです。また、せっかく出張しても現地の学生と面接のタイミングが合わず、思ったように実施できないこともしばしばありました。一方、本社で面接を行う場合には、学生には自費(一部費用負担)で来社してもらっていたため、我々としては申し訳なく感じていました。そのため2020年卒採用で、主に地方学生向けにオンライン採用を導入しました。そこで一定の成果が得られたこともあり、2021年卒採用からは本格的に対面とオフラインのハイブリッドで採用を実施すべく、「harutaka」を活用することにしました。
「harutaka」を選んだ決め手は何でしょう。
松井さん:自己PR動画による録画選考、ライブ面接など、採用に関する機能が一通り集約されている点です。プロダクトがブラウザ上で扱えるという点も大きな利点でした。なぜなら、導入時はまだコロナ禍前ということもあり、オンライン面接のためだけに学生の私用端末にアプリを入れてもらうことすら、とてもハードルが高かったからです。新型コロナウイルスが流行り始めた2021年卒の選考はどうでしたか?
鳥居さん:コロナ禍で各社が採用をストップするなか、「harutaka」のお陰で説明会から最終面接まで、全てオンラインで実施することができました。また、コロナ禍前までの対面面接では直前キャンセルが一定数ありましたが、オンライン面接になってからは劇的に改善されました。最終面接まではリードタイムも早く、他社が採用を進められない中で、我々は前年より3ヶ月ほど早く目標の採用人数を達成することができました。まさにこの1年は採用強者だったと思います(笑)。
「harutaka」導入前までは、1次選考にグループディスカッションを取り入れていたと伺いました。自己PR動画による録画選考に変更したことで、どのような変化がありましたか?
松井さん:変更に際し、グループディスカッションと自己PR動画による録画選考の内容を比較しました。結果、発言内容や所作など、これまでの選考で評価していたポイントは自己PR動画からでも読み取れることが分かりました。実際の運用に移行してからも問題なく評価はできています。鳥居さん:副次的な効果として、自己PR動画は録画として記録に残るため、見返すことができる点は良いと思いました。選考に携わる面接官に、候補者情報として見てもらえるからです。
経験豊富なメンバーのノウハウを定量化したい
自己PR動画による録画選考を実施するなか、『harutaka EF』の導入を検討した背景について教えてください。
鳥居さん:新卒採用体制の変更に伴い、候補者の評価基準や業務を含め、定量化する必要が出てきたからです。なぜなら新卒採用メンバーの中には、定年を迎えた2名の社員が再雇用されていたため、彼らの雇用期間が終了する2年後までに経験豊富なメンバーの定性的なノウハウを蓄積する必要がありました。松井さん:ZENKIGEN担当者から『harutaka EF』について説明を受けた際、「AIによる業務のデジタル化」というキーワードが今の我々にはフィットしていると感じ、導入を検討しました。
『harutaka EF』導入にあたり、EFのスコアを活用した場合、運用にどのような差が生じるかを比較検討したと伺いました。
松井さん:はい。ただ、試しにその年の一次面接の評価内容を分析してもらったところ、「傾向がない」という結果が出ました。この結果には正直驚きましたが、傾向が出ないことにも心当たりがありました。実はちょうど比較検討を行った22年卒向けの採用では、オンライン化に伴い候補者数が大幅に増加していたこともあり、評価者数がいつもよりかなり増えていたからです。鳥居さん:選考そのものは、メンバーを増やすことで何とか運営できたものの、急ごしらえの体制では、評価者が増えた分だけ評価目線にバラバラになってしまうことが結果から分かりました。実際、長年選考業務に携わっていたメンバーに絞り再度分析してもらうと、少し傾向が見えてきました。
松井さん:これまで採用選考時だけ期間限定で応援を依頼するなどしながら候補者の評価を行ってきましたが、評価を統一すると言う意味では、基準となる定量的な情報が必要であることを『harutaka EF』の結果から学びました。
導入にあたり、『harutaka EF』に期待していた点は何でしょう。
松井さん:一つは採用品質の安定です。AIなら、決められた判断基準で評価を行うため、そのチューニングさえできれば、定量的な評価につながると期待しました。マンパワーにも限りがあるため、急な選考人数の増減に対応しきれない場合も少なくありません。もし仮に体制が整えられたとしても、品質にバラツキが出てしまう可能性が否めないため、AIの力を借り、採用基準を可視化できたらと考えました。鳥居さん:コスト削減という意味でも期待は大きかったです。候補者数の増加に伴い、採用コストが高騰していたからです。『harutaka EF』を選考に組み入れられれば、採用の質の担保とコスト削減が両立できるのではないかと思い、導入を進めることにしました。
採用基準の定量化と社内コストの約20%削減に成功
実際に『harutaka EF』をご利用いただき、ハイマックスの採用はどのように変わってきましたか?
松井さん:これまでの知見を踏まえ、採用基準が定まったことで、ベテラン社員や長年採用に携わってくれた担当者が持つ知見やノウハウが定量化できました。費用対効果という点ではいかがでしょう?
鳥居さん:選考および採用人数の増加に関わるコストはある程度削減できました。ただ、『harutaka EF』のシステム利用料などを考えると、導入初年度の社内コスト削減割合は10〜20%程度に留まりました。今後2〜3年間利用するなかで、『harutaka EF』を導入したことによるコスト削減の効果が見えてくることに期待しています。選考方法を変えたことで、面接に参加する学生に変化はありましたか?
鳥居さん:いいえ。自己PR動画による録画選考を経て2次面接に合格した学生さんと、過去にグループディスカッションが1次選考だった時代の2次面接の合格者を比較しても、大きな遜色は感じませんでした。松井さん:なお、『harutaka EF』を活用しながら自己PR動画の合否を判断した際、不合格となった方の自己PR動画は再度ヒトの目で視聴し、判断するようにしました。なぜなら、ハイマックスを志望する学生の中には対人コミュニケーションや自己PRが得意ではない学生が少なくないからです。彼らの選考を行う場合には、『harutaka EF』のAIが評価する発話量や表情、声のトーンなどの非言語コミュニケーションの要素よりも、再度ヒトの目で、会話内容などを踏まえ、判断した方がいいと我々は考えています。
実際に役割分担を行った結果、評価する候補者数はどのぐらい削減できましたか?
松井さん:『harutaka EF』を導入したことで、これまでの約70%まで削減できました。AIとヒトの両側面から評価する方法は、ZENKIGENの担当者からご提案いただいたのですが、コスト削減という意味でも、採用の質を担保するという意味でも両立された内容だと思いました。またこの提案はAIとヒトの両側面から評価を行うため、「AIだけで合否を判断していいのか?」という問題もクリアできました。「harutakaはコストに見合う価値を提供してくれる」
2019年にご導入いただき、現在までの約3年間、なぜ「harutaka」を継続利用いただけたのでしょう。
鳥居さん:今の選考のフローが、録画面接ありきで組み立っていることもありますが、我々が行いたいこと・予算・プロダクトが持つ技術力などを加味した上で、コストに見合う価値が提供されていると感じられたからです。松井さん:今振り返ると、もしかしたら「harutaka」ではないプロダクトでも実施はできたのかもしれません。しかし、コストに見合う価値を提供し続けてくれた「harutaka」だからこそ、ここまで継続利用できたのだと思います。
正直な話、コスト面が大きかったのでしょうか?
松井さん:確かにコストもありますが、それならZoomのほうが安いですよ(笑)。我々は選考時に、メインシステムとして「harutaka」を、サブシステムとしてZoomを準備し、オンライン面接に臨んでいました。別系統のシステムを持つことにより、万が一の際でも面接を続けることができるからです。なぜ、「harutaka」がメインシステムなのでしょう。
松井さん:「harutaka」をメインに据えたのは、単にWeb面接ツールとしてではなく、採用プラットフォームとしての進化を期待したからです。言い換えれば、プロダクトに対する今後の期待値の大きさですかね。『harutaka EF』も今後利用していくなかで、ハイマックスにフィットするシステムに成長することを期待しています。願わくば「もう1人の採用メンバー」と呼べるまでに成長してほしい
『harutaka EF』に対し、今後期待する点を教えてください。
松井さん:期待するのは自然言語解析の処理精度の向上です。我々はシステムエンジニアの採用を行っているため、論理的思考や課題解決力などを重視しています。もし、現在搭載されている表情解析に加え、言語解析の部分が今以上に磨かれてくると、よりハイマックスとマッチする人材が『harutaka EF』を通し見極められるのではないかと感じています。中長期的なデータ活用についてはどのように考えていますか?
鳥居さん:具体的なプランというわけではなく、夢の部分のお話となりますが、オンボーディング全体で見たときに、定性的・定量的な評価は今後、絶対に必要になると感じています。どうしても、定性的な評価に頼ると目の前の結果や事象だけで判断してしまうからです。だからこそ、各社員の社内経歴を選考時から振り返り、業務適性などと併せて分析できれば、我々の中のオンボーディングのあり方も変わるのではと考えています。最後にこの記事をご覧になられた方へメッセージをお願いします。
鳥居さん:今、ハイマックスは新卒採用の人数を増やし、会社を拡大する方針で動いています。10〜15年後の組織をつくる世代を、「harutaka」の力を借りながら探していきたいです。松井さん:ハイマックスは2023年度に48期目を迎え、会社の基盤を最初につくり上げてきた人たちが、組織から離れていく時期に入り、世代交代が大きなキーワードとなっています。
鳥居の話にもありましたが、これから入社してくれる新卒社員が、次世代のハイマックスを支える人材になりますし、その人たちを探すのが我々のミッションです。『harutaka EF』には、願わくば、ハイマックスの新卒採用体制におけるもう1人の採用メンバーと呼べるぐらいまでに成長してほしいものです。社外からはZENKGENのメンバーが、社内では「harutaka」などのプロダクトが我々をサポートしてくれると、今後も心強いです。
お二人とも、ありがとうございました。
ハイマックス様にご利用頂いている『harutaka EF』について、詳細はコチラをご覧ください↓