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「外国人材の採用に成功する要因」を株式会社Sun*藤本氏が語る

藤本 一成 (株式会社Sun Asterisk 共同創業者 執行役員 兼 産学連携責任者)

NEXT HRカンファレンス「外国人材を活かす人事戦略を考える」

2019年4月26日と5月10日の2回にわたり、WEB面接・動画面接プラットフォーム「harutaka(ハルタカ)」を運営する株式会社ZENKIGEN(代表取締役 野澤比日樹)は、「外国人材を活かす人事戦略を考える」をテーマにしたセミナーを開催いたしました。

セミナーでは、日本最大級の外国人向けメディア「YOLO JAPAN」を運営する株式会社YOLO JAPANの加地太祐様と、ベトナムのトップ理系大学でIT日本語教育を行う株式会社Sun Asterisk(旧社名フランジア)の藤本一成様が、それぞれの観点から外国人材の採用や活躍について語っていただきました。

実は当初、1回のみの開催予定だったところ、即座に予約で満席となり急遽追加日程が決定した本セミナー。外国人材に対する注目度の高さが伺い知れます。

本記事では前回のYOLO JAPAN様の記事に続き、Sun Asterisk様の講演をメインにお伝えいたします。

外国人採用における3つの“誤解”と変化の方向性

外国人材活用の最先端で活躍する2社

満員御礼となった今回のイベントは、株式会社ZENKIGENの取締役、水野の挨拶からスタート。平成最後の金曜日、しかも夕方の時間帯でありながら大勢の方が集まっていただいたことに感謝を述べました。人手不足と外国人材の受け入れは多くの日本企業が直面している重要なテーマですが、今回はその最先端で向き合っている2社の取り組みをご紹介したいと語りました。

グローバルで約1400名のITエンジニアが活躍する理由

2019年3月にフランジアから社名変更した株式会社Sun Asteriskは、4ヶ国、6都市にて約1400名のITエンジニアが活躍するデジタル・クリエイティブスタジオです。スタートアップや新規事業の立ち上げに特化したソフトウェア開発を行うほか、近年では大手企業に対して最新テクノロジーを活用したデジタルトランスフォーメーション、ITエンジニアの育成を主な事業としています。

今回、藤本氏はSun*がどのように多くの外国人材を受け入れ、グローバルなチームをつくってきたかについて語りました。

藤本氏自身は2010年にベトナムに移住し、2012年に旧フランジアを共同創業。その後、同社は2014年からベトナムのトップ理系大学であるハノイ工科大学でIT日本語教育サポートを開始し、現在はダナン工科大学、ベトナム国家大学を加えたベトナムのトップ理系3大学にてIT日本語コースを運営しています。

しかし、そもそもなぜ、Sun*はベトナムでIT日本語教育を行っているのでしょうか。

藤本氏は、「優秀なITエンジニアと早い段階で接点を持つため」と語ります。実はベトナムは理系の教育に力を入れている国であり、優秀な技術者が育つ土壌が整っています。ベトナムのGDPに対する教育への政府支出割合は5.65%と世界的に見ても高い水準であり(日本は3.77%)、国際数学オリンピック、情報オリンピック、物理オリンピックでゴールドメダリストを多数輩出しています。つまり、ITエンジニアとしての優位性が非常に高い国なのです。

また、Sun*が外国人材の採用に成功している要因はそれだけではありません。Sun*はプロダクトの納品ではなくサービスの成功にコミットすることを積極的に推進しているのですが、その背景には人材のモチベーションが関わっています。

日本人も外国人も、言われたものをつくるだけではモチベーションが落ちてしまいます。一緒に成長できるクライアントとともに、外国人材も楽しめる仕事を行うから、知人の紹介なども上手く周り、優秀な外国人材が採用できるのだといいます。このサイクルが、従来のオフショア開発との決定的な違いです。

日本企業が抱えがちな3つの“誤解”

外国人材の採用や活躍については、多くの企業が悩みを抱えています。人手不足という大前提がある中で、現場責任者は外国人の受け入れや教育に不安を持ち、人事担当者は外国人材の採用ノウハウを持っていません。

藤本氏は、外国人材の受け入れが進まない理由について、「受け入れ側の企業の問題」と感じています。

藤本氏によれば、外国人材について誤解している日本企業がまだ多いそうです。例えば、「外国人は日本人と違う」「安い賃金で働ける人を集めたい」「外国人にも日本人のやり方を教育すればいい」…。そのような“誤解”を抱えたままでは、「間違いなく失敗します」と藤本氏は語ります。

個人単位で人が違うのは当たり前のこと。一律に「外国人は違う」と考えるのではなく、それぞれの文化・習慣を理解し、個人として受け入れた上で、日本人から歩み寄ることが重要です。

「外国人との違いは、ジェネレーションギャップの延長のようにとらえること。そしてコミュニケーションの手間・時間を惜しまないことです」と藤本氏。

また、外国人材を「安い賃金で働いてくれる人」と考えず、日本の仲間と同じようにキャリアを考えて評価すること。日本人と同じ採用基準・評価基準で見るのはもちろんのこと、日本人より優れている部分があることにも着眼するべきです。

また、外国人に日本人のやり方を教育するだけではなく、日本人従業員の受け入れ姿勢やマインドセットの教育も不可欠です。グローバルに強い組織をつくるためには、日本人側も変わる必要があると藤本氏は語ります。違いを持った人々が集まるとマネジメントは難しくなりますが、そこで工夫できる組織こそが「良い組織」だといいます。

「ダイバーシティこそが競争力の源泉です。今後、多様性を持つことは当たり前になっていくでしょう」(藤本氏)

世界と戦えるグローバル組織になるために

グローバル組織のあり方について、藤本氏はMIT(マサチューセッツ工科大学)のダニエル・キム教授が提唱した組織の成功循環モデルを紹介しました。このモデルを端的に説明すれば、(1)お互いに信用・尊重し、ともに考える、(2)気づきがあり、面白いと感じる、(3)自発的に考え・行動する、(4)良い結果が生まれる、という「グッドサイクル」の循環です。

外国人材を受け入れ、活躍できる組織であるためには、上述の“誤解”をなくし、この成功循環モデルを構築する必要があります。そしてグローバル人材・グローバル思考を備えた組織になれば、自然と事業はグローバル化していくと藤本氏は説明しました。

世界のグローバル企業を見れば、多国籍のチームであることは今や当たり前です。

「世界中76億人の中から優秀な人材を集めようとしている企業に対して、日本の1億2000万人だけから採用を行っていても絶対に勝てません。だからこそ、私たちは本当に強いチームをつくれるようになりたいのです」

最後に藤本氏は、外国人材たちと一緒に働いてきた過去の写真を紹介。彼らの文化で自分たちも楽しみ、新しい技術やプロジェクトに積極的に挑んできたといいます。外国人も日本人も変わらず、前向きに楽しみながら働ける環境づくりの重要さを感じることができました。

ダイバーシティマネジメントを推進する「HARUTAKA(ハルタカ)」

セミナーの最後には、ZENKIGEN社長室 室長兼東京大学共同研究責任者の石丸が登壇。ダイバーシティマネジメントと、動画面接の可能性について語りました。

同一組織における日常・職務の繰り返しは、価値観を硬直化させることにつながってしまいます。そこでダイバーシティマネジメントにおいては、組織の二面性(共通性と個別性)を分別し、多様な価値観への寛容性を強化することが重要です。

こうした組織の共通基盤を構築するためには、徹底したコミュニケーションが不可欠となります。また、外国人採用や中途入社者の定着に関しても同様ですが、もっとも効果的な方法は定期的な面談とされています。

とはいえ多くの企業において、定期的な人事・上司との面談の実施率は低いのが現状です。「現実問題として、必要なコミュニケーションをすべてやりきるのは難しい」と石丸。

そこでZENKIGENが提案するのが、WEB面接・動画面接プラットフォーム「harutaka(ハルタカ)」です。時間・距離・場所の問題を解決する「harutaka(ハルタカ)」は、セミナーのテーマでもある外国人材の採用と活躍においても有効です。

まずはサービス紹介やWebの導入事例をご覧になり、ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

藤本 一成(株式会社Sun Asterisk 共同創業者 執行役員 兼 産学連携責任者)

1975年生まれ、東京都出身。2000年上智大学経済学部経営学科卒業後、安田火災海上保険株式会社(現:損害保険ジャパン日本興亜株式会社)に入社。外資系ソフトウェアベンダー、IT広告代理店を経て、中古車買い取り輸出の株式会社ランクスを創設。2010年ベトナムのハノイに移住後、ベトナムのIT企業社長就任。その後2012年にフランジアを共同設立し、同ベトナム法人であるフランジア・ベトナム(Framgia Vietnam CO.,LTD)の代表取締役社長となり、現在に至る。

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