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HRM(人材資源管理)とは?基本的な考え方や活用方法を解説

少子高齢化や価値観の変化により、人材を活かして育てることがますます重要になってきています。この記事ではHRMの基本的な考え方や活用方法について解説しています。

HRMとは

HRM(Human Resource Management・人材資源管理)とは、人材そのものを経営資源として捉え、有効活用するための方法を構築・運用する仕組みのことです。

HRMと類義語を簡単に解説

PM(人事労務管理)

HRMとは対照的に、人材を労働力やコストと捉え、監視・統制していく考え方。人材は短期的な視点で捉えられており、人材育成・開発という観点がない点がHRMと異なります。

HCM(人的資本管理)

HCMとは人材が持つ能力やスキル、経験を資本として捉え、組織の利益最大化に活用していく考え方。HCMは人材そのものではなく、能力やスキル、経験に焦点を当て、その資本を最大化することで組織の利益を拡大する点が特徴です。

HRMは2つのモデルが存在する

HRMには「ミシガン・モデル」と「ハーバード・モデル」という2つのモデルが存在します。この2つのモデルの違いについて解説していきます。

ミシガン・モデル

ミシガン・モデルとは、1980年代ミシガン大学を中心に行われた研究によって生まれた概念です。

企業の戦略的経営の3要素を「使命と戦略」「組織構造」「HRM」と定義し、HRMの経営戦略的な側面を重視しています。また、HRMの基本機能を「採用・選抜」「人材評価」「報酬」「人材開発」の4つに定義し、この4つを循環させてパフォーマンスを最大化することを目指したモデルです。

ハーバード・モデル

ハーバード・モデルとは、1980年代にハーバード大学で行われた研究によって生まれた概念です。組織が一方的に労働者を管理するのではなく、労使の協調を築くことを重視したモデルになります。

HRMは、「状況的要因」(従業員の特性、経営戦略、労働市場など)と「ステークホルダーの利害」(株主や経営者、従業員など)から影響を受けるという前提をもとに、「従業員の影響」「人的資源のフロー」「報酬システム」「職務システム」の4要素をHRMの領域として定義しています。

これらの4要素を機能させることにより、従業員のコミットメントと能力を向上させ、人的資源のコスト有効性を高めることにより、組織と個人の目標を合致させることがHRMの成果であると主張されています。

また、成果の実現により「従業員の幸福、組織の有効性、社会全体の繁栄」といった長期的成果がもたらされると考えており、長期的な視点で捉えられたモデルといえます。

HRMの活用方法

それでは、自社にどのようにHRMを導入すればいいのでしょうか。具体的な活用事例を見てみましょう。

人事制度の見直し

優秀な人材を育成していくために、人事制度の見直しを行っていきましょう。各種休暇制度を整える、場所や時間に柔軟に対応した多様な働き方の支援をするといった施策が挙げられます。最近では、留学・就学のための休暇を取得できる企業なども増えています。

評価制度の整備

自社の評価制度が公平で明確なものになっているか確認しましょう。例えば、人事評価ツールにおいて管理を明確にすることや、360度評価やコンピテンシー評価といった新たな評価制度を取り入れることなどが挙げられます。

人材育成の充実

HRMにおいて最も重要な要素が人材育成といえます。OJTや eラーニング、各種研修の実施、資格取得の補助といった施策が考えられます。スキルや知識の上達を評価制度に反映することでさらに好循環が生まれるでしょう。

HRM活用で優秀な人材を育てよう

本記事では人材そのものを経営資源として捉え、活用する仕組み「HRM」について解説しました。現行制度の見直しや人材育成の充実といった今日から始められるHRMの活用事例もご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。

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