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AIが候補者の採用体験を向上させる理由【DX時代の採用戦略セミナーレポート】

宮村 昌則 (株式会社ZENKIGENエンタープライズユニット)

採用のトレンドがどれだけ移り変わっても、各社が追い続ける永遠の課題があります。それは候補者体験(Candidate Experience)の向上です。昨今、選考のオンライン化が浸透したことで、AIがこの課題の突破口になると期待されています。

今回、DX時代の採用戦略として考えたい候補者体験向上とAI活用について、ZENKIGENエンタープライズユニット 宮村よりお話しさせて頂きます。アナログ主体の採用が抱える候補者体験の課題をはじめ、なぜAIが向上のカギとなるのかを解説します。

※本記事は2021年11月9日に実施されたオンラインイベント「DX時代の採用戦略 ~候補者体験向上編~」の内容をまとめ、記事化したものです。

アナログからデジタルへ。オンライン採用の登場で採用は転換期を迎えた

従来のアナログ要素の多い採用活動では、「集める」「見極める」「口説く」という3つの行動にて、採用の確からしさや再現性などの検証が困難だと言われています。

その一つが、今回のテーマにもなっている「候補者の意向をあげるような体験とその提供」です。候補者の意向を高めるような体験を、面接官全員がつくれているかどうかを、アナログに頼った選考では追跡しきれません。今後、経験値や勘に頼らず、再現性のある採用を進めていくためのカギとなるのが、「可視化」と「データドリブンな業務改革」です。

採用手法としてオンライン面接・面談が主流になった昨今、選考時の動画データを活用できる時代になりました。近い将来には、動画等から得られた定量情報を分析し、現状を可視化した上で、そのデータから対策を検討するのがベストな選択となるかもしれません。

ここで用いられるのがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。ツールの導入やIT化のためではなく、各社が採用におけるなりたい姿を目指し、デジタル活用を進めます。ZENKIGENでは、DXに向けた動きを4つのステップで捉えており、昨今の採用はオンラインとデジタルの間にいると考えています。

動画解析など、技術の実用化が進んだことで「記録データをどのように可視化するか?」が、今後数年間の採用テーマとなっていくでしょう。

候補者体験の課題は「コミュニケーションの質」

ZENKIGENは候補者体験を「会社の認知から転職先の選定まで、意向を高めるための一連の体験やタッチポイント」だと考えています。つまり、採用サイトやイベント、面接・面談、社員との座談会などの候補者との接点を通し、どのようにして意向をあげていくかを考える必要があります。

候補者体験は、会社選びにも大きく関係します。エン・ジャパン株式会社『人事のミカタ』が行ったアンケート調査によると、 中途採用を経験した求職者の約85%が、面接を受けてから「この会社には入社したくない」と思った経験があると答えています。また、面接官の不快な態度や言動で入社を辞めたり、選考中の悪い体験を他の人に伝えたりした人は70%を超えます(※ 1)。

株式会社ワンキャリアが行った新卒採用向けアンケートでも、内定承諾の決め手に「社風・人」と答える学生は約30%以上存在しました(※2)。

候補者の体験を高めるために重要になるのが、「一貫したメッセージ」の発信になります。願わくば、選考に参加する全社員が同じ内容を再現できることが理想です。このときに考えたいのが、タッチポイントの分類とその内容になります。

タッチポイントと言ってもいろいろな切り口がありますが、ここではコンテンツとコミュニケーションについてお話しします。

採用サイトや各種イベントや説明会など、コンテンツを用いた交流は企業から候補者に対し一方向なやり取りが行われ、情報も既に決められた内容のみが提供されます。一方、面接や面談、OB訪問などのコミュニケーションは、双方向でやり取りが行われ、発信される情報も状況に応じ、変わります。

候補者体験の向上を考える際、多くの企業では、採用メッセージや内容の深堀など、コンテンツの改善が施策の中心でした。対して、コミュニケーションは質よりも、頻度などに改善指標が置かれ、量が重視されているように感じます。

この背景には、コミュニケーションの質の改善が困難だという理由がありました。面接や面談がブラックボックス化されているため、これまでのアナログ主体の選考方法では、定量的な分析ができなかったからです。

コミュニケーションの分析を難しくしているのは「変数の多さ」です。面接や面談では、会話や回答の精度や視点など、言語情報から得られるバーバル情報と、表情や声色、仕草といった言語以外の情報を示すノンバーバル情報が多数存在します。2つの要素が会話中に入り乱れているため、面接中はもちろん、その後の改善も含め、具体的な施策が打ちにくいのです。

AIの面接活用が候補者体験向上のカギになる

コミュニケーションの質の改善に期待されるのが、AIです。当社では、AIを使い、コミュニケーションの改善や狙い通りの振る舞いができるようなサービスを提供しています。

「いい人材を見抜いてくれる」のように、AIは人の代わりに選考を判断してくれると思われがちですが、当社はそのようなAIを開発したいのではありません。最終判断を行う人たちが、納得感のある判断ができるよう、人には見えにくい部分の可視化をサポートするサービスを提供していきます。

例えば、面接力向上サポートAI「インタビューアセスメント」では、音声・表情・時間の3つを定量化し、アウトプットします。会話はリアルタイムで文字起こしされ、候補者に伝えているメッセージとその文脈、ニュアンスまでをログから確認できます。また、会話が相手に伝わっているかどうかも、姿勢や音声、表情、会話の内容を解析することで、把握が可能です。

面接から得られた定量データはダッシュボードで一元管理されるため、同席をしていない人事や面接担当者も面接を定量的に理解し、分析ができます。

さらに本サービスでは、AIが面接中に対応改善に向けたアドバイスを面接官へ送るため、面接に不慣れな担当者でも面接品質の担保が可能となりました。

こうした候補者や面接官の情報を蓄積していく中で、その会社ごとの候補者体験における勝ちパターン、つまり「どのような話をしたら相手の意向があがるるのか?」を把握できる可能性があります。その前段階となる、入社意向をあげる環境醸成のために必要な要素を知る機会としても、AIによるコミュニケーションの品質の可視化は、ますます重要になるでしょう。

ーーご視聴いただきありがとうございました。

候補者体験の改善を可能にするharutaka インタビューアセスメント

今回のセミナーでご紹介したharutaka インタビューアセスメントは面接内のコミュニケーションを誰にでも解釈可能な形でデータ化をします。

面接内の文字起こし機能や表情/発話データ解析により面接内での体験の観測を可能にし、採用担当者と面接担当者がデータに基づきコミュニケーションのPDCAサイクルを行うことができます。

候補者への魅力づけに対しての全く新しく、誰にでも実現可能なソリューションになりますので、お気軽にお問合せください

インタビューアセスメント

参考:
※1 エン・ジャパン株式会社 人事のミカタ 採用の成否は面接官が握る!求職者700人のホンネ!マズイ面接官、ファ ンをつくる面接官 https://partners.en-japan.com/special/old/160106/2/

※2 株式会社ワンキャリア 内定辞退者の本音に迫るー企業がとれるたった二つの辞退予防策とは?https://note.com/onecareercloud/n/n5b41c03b9b8f

宮村 昌則(株式会社ZENKIGENエンタープライズユニット)

新卒で三菱商事株式会社に入社。自動車・モビリティグループにて、海外向けトレーディング、投資先管理業務に従事。入社4年目でメキシコに派遣。2020年ZENKIGENに入社。現在は大企業向けセールスに従事。

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