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組織を強くする支援型リーダー「サーバントリーダー」の意味や特徴を解説

リーダーというと、強い力で部下を率いていくイメージがありますが、近年そのようなリーダー像とは異なる「サーバントリーダー」に注目が集まっています。本記事ではサーバントリーダーの意味や特徴、サーバントリーダーシップを活用している企業の事例などをご紹介します。

サーバントリーダーとは

サーバントリーダーとは、奉仕や支援を通じて信頼され、周囲から主体的に協力してもらうリーダーのことです。サーバント(servant)は「使用人」「召使い」「奉仕者」といった意味を持つ言葉です。

教育コンサルタント・研究者のロバート・グリーンリーフは「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」という自身のリーダーシップ哲学に基づいた考え方「サーバントリーダーシップ」を提唱しました。

1970年に「リーダーとしてのサーバント」というタイトルのエッセイを発表し、アメリカにおけるサーバントリーダーシップの認知度を高め、1990年に亡くなるまで執筆活動を続けました。サーバントリーダーシップはビジネスの場だけでなく、医療、教育、行政/NPOといった様々な領域で活用されています。

従来の支配型リーダーシップとの違い

「支配型」と呼ばれる従来のトップダウンのリーダーシップは、リーダーが意思決定を行いメンバーがそれを遂行するものでした。組織はピラミッドの形に例えられ、上下の役割は明確に分かれておりました。

一方でサーバントリーダーシップは逆ピラミッド型に例えられ、メンバーの意見を聞きながら協力関係を築き、チームとしての成功を支援します。これまで言われたことに従うだけだったメンバーにも自主的な発言や行動が求められるようになり、結果としてチームの活性化に繋がるといったメリットがあります。

サーバントリーダーシップが求められる背景

市場環境の変化やライフスタイル・価値観の多様化により、これまでの支配的なリーダーシップでは成果を上げ続けることが難しくなってきました。先行きが見えにくい不確実な世の中の変化に、組織として柔軟に対応するため、サーバントリーダーシップが必要とされています。

サーバントリーダーに必要な10の特性

サーバントリーダーには10の必要な特性があります。それぞれの特性を見ていきましょう。

1.傾聴(Listening)

相手の話に耳を傾け、望みを引き出すことが可能です。同時に自分自身の内なる声にも耳を傾け、自分の存在意義を両面から考えることができます。

2.共感(Empathy)

傾聴するためには、相手の立場に立って、何をしてほしいかが理解しなくてはなりません。他者の気持ちを理解し、共感することができます。

3.癒し(Healing)

相手にとって欠けているもの、傷ついているところを見つけて癒し、本来の力を取り戻させることができます。

4.気づき(Awareness)

自分自身への気づきがサーバント・リーダーを強化します。それにより、他者への気づきを与えることができます。

5.説得(Persuasion)

権威や命令を用いることなく、相手と合意を形成しながら説得を促すことができます。

6.概念化(Conceptualization)

日常の業務上の目標を超えた大きな夢を見たり、ビジョナリーな概念を持ったりして、それを相手に伝えることができます。

7.先見力、予見力(Foresight)

現在と過去を照らし合わせ、今の状況がもたらす結末を見定めようとすることができます。

8.執事役(Stewardship)

自分の利益よりも、相手に利益をもたらすことに喜びを感じることができます。

9.人々の成長に関わる(Commitment to the Growth of people)

仲間の成長に深くコミットできます。メンバー一人ひとりの存在をそのものに内在的価値があると信じています。

10.コミュニティづくり(Building community)

同じ制度の中で仕事をする人たちの間に、大きく成長できるコミュニティを創り出すことができます。

サーバントリーダーシップに取り組むメリット

メンバーの自主性が育つ

サーバントリーダーシップはトップダウン型ではなく、対話型のリーダーシップであるため、メンバーが自ら考え行動する力が身につきます。

組織への満足度が高まる

一方的な命令ではなくメンバーとリーダーの対話によって意思決定がなされていくため、自分自身と組織との関わりを強く感じることができ、結果的に組織への満足度が高まります。

サーバントリーダーシップに取り組むデメリット

意思決定に時間がかかる

対話を通じて組織の方向性を定め、意思決定を行っていくため、スピーディな意思決定が必要な場には不向きです。組織の成長スピードが求められる場面では必ずしも有効なリーダーシップではないといえるでしょう。

メンバーの成長度合いによっては機能しない

自ら考え行動することが苦手な経験の浅いメンバーが組織の大半を占める場合にはサーバントリーダーシップは向いていいません。メンバーの成長度合いによっては、トップダウン型のように明確な指示を伝えることも必要です。

サーバントリーダーシップに取り組む企業例

サイバーエージェント

サイバーエージェントでは、半年に一度、人事異動の希望が出せる制度や、社内キャリアエージェントという社員のキャリア相談に乗り、適切な人員配置を提案する部署を設けています。

また、「GEPPO」という制度で、月に1度、全社員からヒアリングを行い、ハラスメント予防や社員のパフォーマンス状況の把握に役立てています。

良品計画

無印良品を運営する良品計画の元社長の松井忠三氏は、業績が急落したタイミングで社長に就任しました。社長就任後、松井氏は全国のほぼ全ての店舗を回り、現場の声に耳を傾け、「MUJIGRAM」という業務を見える化するマニュアルを作成。マニュアル作成後も現場の声を吸収しながらブラッシュアップを重ね、業績悪化からV字回復を果たしました。

不確実な変化の時代にサーバントリーダーの活用を

周囲への奉仕や対話を通じ、意思決定を重ねていく「サーバントリーダー」の特徴や、サーバントリーダーシップを活用している企業の事例などをご紹介しました。サーバントリーダーシップはすぐに成果が出るものではありませんが、従業員の自主的な行動の促進や、組織満足度の向上といった長期的なメリットがあります。従来型のマネジメントに限界を感じている企業において、サーバントリーダーの考え方を取り入れてみるのはいかがでしょうか。

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