オンライン研修とは?種類やメリット、デメリットなどを紹介
オンライン研修は、従来の集合型の研修とは異なり、その場にいなくてもネット環境さえあれば参加できる研修スタイルのことを指します。リモートワークやオンライン上で完了する業務が増えた昨今、導入する企業が増えています。この記事では、オンライン研修とはどのような研修なのか、メリットとデメリットなどを解説。実際にこれから導入する企業の担当者に向けた、成功させるコツなども併せて紹介します。
目次
オンライン研修とは?
オンライン研修は、インターネットを使い、時間や場所にとらわれずに行う研修のことです。WEBセミナー、リモート研修などと呼ぶこともあります。
コロナウイルスが流行して以降、徐々にオンライン研修が増えていると言われています。理由は、リモートワークが増え、オンラインでする業務が身近になったこと。2つ目は、出勤せずに業務に当たる機会が増えていることです。
代表的なオンライン研修の種類
オンライン研修には2つのパターンがあります。これからオンライン研修を取り入れる企業や担当者は、それぞれの研修の特徴や目的に沿った方法を見極め、導入するようにしましょう。
1.WEBツールを使ったオンライン研修
こちらは、SkypeやZOOMといった無料ビデオツール、専用WEB会議ツールなどを介した研修方法になります。集合型の研修より準備が簡単で、低コストにて行える方法です。研修内容は企業側で企画し、用意しなければなりません。しかし、企業が必要としている研修に用いることができ、チャットを使ったコミュニケーションや資料のやり取りも簡単にできます。
2.研修サービスを使ったオンライン研修
研修サービスを使ったオンライン研修とは、オンライン上でコンテンツを視聴する形で行う研修のことを指します。eラーニングと呼ばれることもあり、いつでも、どこでも、繰り返し見られるのがポイントです。コンテンツを作成している会社は多くあるので、どのような研修を必要としているのか、予算、フォロー体制などを鑑みて選ぶようにしましょう。
オンライン研修のメリット
集合型の研修にはないオンライン研修のメリットには、以下の3つがあります。
時間や場所に縛られずに研修ができる
オンライン研修は、WEB環境さえ整っていればいつでも、どこにいても受けることができます。遠方に住む社員や休職中の社員なども受けやすい方法です。それは、配信者である企業側も同じで、必ずしも会社に出勤して行う必要はありません。
コストが削減できる
講師や社員の移動費や宿泊費、会場の費用など、集合型やオフラインで行う研修は何かとお金がかかるものです。オンライン研修に切り替えることで、研修に関わる人たちの移動費や宿泊費、会場費用などを抑えることができます。
繰り返し見られる
研修サービスを使った研修なら、内容を繰り返し見ることができるので、研修内容の定着にひと役買います。また、研修日に参加者が予定を合わせられないという場合でも、後で研修を受けることが可能です。
オンライン研修のデメリット
集合型研修にはないメリットが魅力的なオンライン研修ですが、もちろんデメリットもあります。
実務研修には向かない
オンライン研修は、どちらかというと座学としての要素が強いため、実務系の研修には適していません。また、ロールプレイングやワークショップといった、集団で取り組む研修も行うのが難しいと考えておくのがいいでしょう。
参加者同士の交流が少なくなる
集合型の研修とは違い、オンライン研修は各々の場所から参加するため、参加者は自室でひとりきりという場合がほとんどです。研修中はチャットを使うこともありますが、参加者同士が交流を深めるようなシチュエーションではありません。研修といえば、普段は会うことがない社員同士がお互いを認知したり、仲を深めたりする場でもあります。オンライン研修は、そういった機会がないことを覚えておきましょう。
オンライン研修に必要なアイテム
オンライン研修の導入には、以下のアイテムが必要になります。
・PC
・ヘッドセット
・カメラ
・有線ネット環境
特に発信者側は、画質、音質にもこだわる必要があるので、ネット環境にも気を配るようにしましょう。
PCには、SkypeやZOOM、そのほかのWEB会議ツールなどをダウンロードしたものを用意します。契約が必要な場合もあるので、研修の日程が決まり次第、準備しましょう。有線のネット環境は、安定した配信を行うために重要です。PCやヘッドセット、カメラは、参加者も必要になるものなので、研修に合わせて準備してもらうようにしましょう。
オンライン研修を成功させるコツ
オンライン研修は、新しい研修方法であるため、どのように行うと成功するのか、つかめていない企業、担当者もいるのではないでしょうか。オンライン研修を成功に導くためのコツを紹介します。
1.事前準備や練習を徹底する
先ほどの準備すべきアイテムもそうですが、コンテンツ内容や進行方法の確認、練習は徹底して行いましょう。集合型の研修とは、参加者に伝わる話し方や速度、ボディーランゲージなどが異なります。参加者からの反応も確認しづらいので、どのように進行するのが効果的なのかということも確認する必要があります。事前の準備や練習を行っておくと、トラブルが起きたときも対応しやすくなるでしょう。
2.テクニカルトレーニングを受けさせる
テクニカルトレーニングでは、オンライン研修に使うWEB会議ツールの使い方や資料の共有方法などについて学びます。
一般的なテクニカルトレーニングの項目は、以下の3つです。
・接続方法や操作方法
・マイク、カメラのONとOFF、ミュートの方法
・資料の共有方法
3.チャットを活用する
WEB会議ツールには、チャット機能付きの場合が多くあります。集合型の研修とは違い、参加者とのコミュニケーションに問題を感じる場合もあるかもしれません。しかし、チャット機能をうまく使うことで、集合型と似たような臨場感を出すことができます。質問やアウトプットの時間を設定しておくのも効果的です。
4.原則「顔出し」で受講をお願いする
研修の参加者には、アイコンではなくビデオをONにした状態の「顔出し」受講をお願いしましょう。研修の臨場感を演出したり、コミュニケーションを活発に行ったりするために有効だからです。部屋でひとりきり受講していると、良質な緊張感も薄れてしまいます。カメラをONにして集合型の研修のような雰囲気を作ると、オンライン研修がより効果を発揮するでしょう。
5.休憩を挟みながら行う
オンライン研修でも集合型研修でも、参加者の集中力を考慮した長さのコンテンツ作りや、上手に休憩を挟みながら行いましょう。理想は30分〜1時間に一度、10分休憩を組み込みます。ずっとパソコンやスマホの画面を見続けて話を聞くのは、意外に疲れるものです。適度に休憩を挟めるようなタイムスケジュールを組むように工夫してみてください。
6.進行補助役を置く
オンライン研修では、集合型の研修にはないテクニカル面でのトラブルが付き物です。よって、進行役以外に、WEB会議ツールやネットに関して詳しい人を進行補助として置いてみてください。システム上のトラブルがあったときも、焦らず対応することができます。
7.フォローアップを行う
オンライン研修でも、フォローアップを行うことで、研修内容の定着をはかることができます。研修中にわからなかった箇所の質問に答えたり、レポートやアンケートなどを提出してもらったり、研修後にテストを受けてもらったりするのもいいでしょう。
オンライン研修を導入してみよう
集合型の研修に慣れていると、参加者がいない空間で発信することに緊張するかもしれません。しかし、従来の集合型研修より、それぞれの場所から多くの人が参加できるというメリットがあります。大人数で集まりにくい社会情勢から考えると、導入するのが吉といえるでしょう。新しい人材教育の一環として、オンライン研修の導入を検討してみませんか?