オンライン時代こそ大事にしたい「ノンバーバル」の意味や活用例を解説
「ノンバーバル」は人間のコミュニーケーションにおいて重要な役割を果たしています。働き方の多様化や感染症対策でリモートワークが推奨されていますが、そんなオンライン時代においては「ノンバーバル」を用いたコミュニケーション が重要になってきます。本記事では、「ノンバーバル」という言葉の意味や重要性、具体例をご紹介します。
目次
ノンバーバルとは
ノンバーバル(non-verbal )とは、「非言語」「言葉を使わない」といった意味の言葉を持つ言葉です。反対に、バーバル(verbal )は「言語」という意味を持ちます。
ノンバーバルコミュニケーションとは
コミュニケーションには2つの種類があります。会話や文字といった言語情報を用いたものを「バーバルコミュニケーション」、反対に言語を使わないコミュニケーションのことを「ノンバーバルコミュニケーション」と言います。
ノンバーバルコミュニケーションは非言語コミュニケーションとも呼ばれ、うなずき、表情、目線、声の大きさやトーン、仕草といったものがノンバーバルコミュニケーションに該当します。
ノンバーバルコミュニケーションの重要性
ノンバーバルコミュニケーションがはコミュニケーションにおいてとても重要な役割を持っています。
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは1971年に「矛盾したメッセージを発せられた際に聞き手がどのように受け止めるか」という実験を行いました。
実験の結果、言語情報が相手に与える影響はたった7%しかなく、視覚や聴覚といった非言語情報をもとにメッセージを受け止めているということが判明し、これを「メラビアンの法則」と名付けました。
情報の種類 | 影響度合 |
---|---|
視覚 | 55% |
聴覚 | 38% |
言語 | 7% |
日常会話やビジネスの場においても、この「メラビアンの法則」を感じたことがある人は多いのではないでしょうか?
・自分が話しているときに相手が目線を合わせたり、あいづちを打たないので話を聞いていないように感じる
・チェーン店のマニュアル化された接客でも笑顔が大きい、声のトーンが明るい人の方がより良い接客に感じる
例えば上記のような場面が挙げられるでしょう。人は意識していなくてもノンバーバルコミュニケーションを積極的に受け取っているということがわかります。
ノンバーバルコミュニケーションの効果
信頼関係の構築
笑顔や目線を合わせること、あいづちをしっかり打つことなど、ポジティブなノンバーバルコミュニケーションを積極的に行うことは相手との信頼関係の構築に役立ってくれます。
伝えたいメッセージを補完する
内容に伴ったノンバーバルコミュニケーションを行うことで、より明確なメッセージを送ることができます。例えば、怒りを伝えたいときに、声のトーンを低くし、体の前で腕を組むといったような方法があります。
相手の気持ちを深く理解する
相手が発した言葉だけでなく、ノンバーバルコミュニケーションを観察することで、相手が今何を思っているのか?ということをより深く理解することができます。例えば体を揺すったり、ため息をついていたり、言葉には出していない要素が相手を理解するヒントになると言えるでしょう。
ノンバーバルコミュニケーションの具体例
アメリカのコミュニケーション研究者であるマーク L.ナップはノンバーバルコミュニケーションを7つに分類しました。
1.身体動作:身振り、姿勢、表情、視線、まばたき、瞳孔反応など、体の動き
「目は口ほどに物を言う」という言葉もあるように、視線や顔、体の動きによって人の印象は変わってきます。
2.身体特徴:スタイル、頭髪、皮膚の色、体臭、容貌など
その人が持つ価値観によって身体特徴を目にした際に異なる印象を持つことがあります。
3.接触行動:自分や他人の体に触れる行動、スキンシップなど
文化によって異なりますが、握手やハグといったスキンシップにより親しみ・安心感があるといった印象を与えることができます。
4.近言語:あいづち、イントネーション、声のトーン、話す速度、泣き・笑い、間投詞など
近言語とは、話をするときの言語の側面的要素を持つもので、近言語をどのように用いるかによって話の印象が大きく左右されます。
5.プロクセミックス:空間の認知、対人距離、パーソナルスペースなど
プロクセミックスとは他者との距離の取り方も意思伝達手段の一種であるという考え方のことです。どれくらいの物理的距離で会話をするかによって相手に対する印象が異なってきます。
6.人工物の使用:洋服、化粧、アクセサリーなど
服装や化粧、アクセサリーなどを使用して相手に意思を伝える手段です。ビジネスの場面ではスーツなどのフォーマルな服装を着る、逆にパーティーシーンでは華やかなメイクやアクセサリーを使用する、といったTPOに合わせた印象をコントロールすることができます。
7.環境:建築様式、インテリア、照明、温度など
インテリアや照明、温度などによっても人が感じる印象は異なってきます。例えば暖色系のインテリアや照明を用いることで親しみやすさを与えるなど、必要に応じて環境もコントロールすることでコミュニケーションの手助けとなってくれます。
オンラインだからこそ重要!ノンバーバルコミュニケーション
リモートワークの普及により、オンラインミーティングの機会が以前より増えてきています。
オフラインでは、ランチタイムや休憩時間に雑談で交流を深めるということもできましたが、オンラインではそのような機会もなかなか持ちにくいもの。その分、円滑なコミュニケーションを取るためにノンバーバルコミュニケーションを活用していきましょう。
あいづちや視線で傾聴の姿勢を
オンラインミーティングだと相手に伝わっているかという点が不明瞭になりがち。自分が聞き手の際は、適度にあいづちを打ったり、Webカメラの方に視線を送ることを心がけましょう。
話を聞いている、伝わっているという姿勢を伝えることで話し手に安心感を与えることができます。
話すときは声や表情をワントーン明るく心がける
リモートワークが続き、話し声や表情が単調になってきてしまっている方も多いのではないでしょうか。自分が話すときは、声や表情をいつもよりワントーン明るくすることで、ハキハキとした印象を与えることができます。
また、髪型や服装、照明といったカメラに映る要素にも気を遣うことでより良い印象をコントロールすることが可能です。
ノンバーバルコミュニケーション活用で円滑なリモートワークを
本記事では、ノンバーバルという言葉の意味や、ノンバーバルコミュニケーションの重要性、具体例やリモートワークにおける活用例をご紹介しました。他人と近くで会話することが難しい今だからこそ、あいづちや表情、声のトーンといったノンバーバルコミュニケーションを心がけて、相手との信頼関係の構築に役立てましょう。