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管理職のあるべき姿に近づく方法とは?

管理職について、組織や部署を管理する役職という認識を持つ人が多いのではないでしょうか?しかし、新型コロナの流行で増えるリモートワークや業務のIT化、女性の活躍、ダイバーシティーなど、時代や企業が変化するなか、管理職のあるべき姿や求められる像に変化が起きています。時代に沿った管理職はどのように育成するのか悩んでいる企業も多いはずです。この記事では、今あるべき管理職の姿について解説します。

そもそもの管理職の役割とは?

管理職の基本的な業務は以下の3つです。

1.業務管理

いち社員である場合は、企業から与えられた業務を遂行することが役割です。しかし管理職の場合は、自分のタスク以外に、部下が行う業務の進捗状況を管理し、調整していかなければなりません。引いては、会社全体を見渡しながら部下の業務管理を行うことになります。

一般的な社員とは違い、最近はより経営側に近い視点や考えを持つことが求められており、社内外問わずさまざまな業務管理にあたる必要があるでしょう。

2.部下の育成とマネジメント

部下の成長を支援する、成長できるようなマネジメントを行うのも管理職の仕事です。業務のなかで部下が能力を発揮できているか、スキルアップが測れている状態なのかなど、部下の置かれた状態や持っているタスクを把握する必要があります。

キャリアについての相談に乗り、必要に応じてチャンスを与えるといったことも行います。部下の成長のサポートは、企業の成長、事業の成功につながる大事な業務です。

3.経営陣と現場をつなぐパイプ役

管理職は、自らも現場で業務に携わる傍ら、経営側の視点を持たなければなりません。どちらの立場も理解しなければならないポジションであるため、普段はなかなかつながらない経営側と現場をつなぐパイプ役として期待されます。

経営側は、現場の困りごとを知る機会がなかなかありません。また、現場も日々業務をこなしているだけでは、経営側との交流がなく、現状を伝えるのが難しいといえます。

そんなとき、管理職がパイプとして橋渡しできれば、企業をより風通しよい状態にできるでしょう。

今あるべき管理職の姿

昨今求められる管理職は、管理する立場以上のことが求められています。部下や組織の管理やサポート役だけではなく、より経営や業績の成長に絡む「攻め」の姿勢が必要なのです。

1.リーダーシップと責任感がある

部下や部署を引っ張っていける、リーダーシップや責任感ある姿が求められています。部下の失敗をただ叱るだけではなく励ましフォローする、失敗したときの挽回策を部下と一緒に考え信頼回復に努める、時には部下に変わって謝罪するという対応をしなければならない場合もあるでしょう。

こうした、組織や部下の前に出て率先して動ける管理職は、信頼を得られやすいといえます。

2.経営側の視点を持つ

一般の社員とは異なり、経営側から部署や業務を見る必要があります。自分の部下やチームだけにとどまらず、会社全体にまで目を向けなければなりません。また、一つひとつのプロジェクトやタスクなどの短期的な展望だけではなく、より長期的な展望を持ち、事業の継続や発展、企業の成長などについて考えることも求められます。

3.成長意欲を持つ

部下や組織に尊敬される、よい手本となることも管理職に求められる姿勢です。成長しなければならないのは部下だけではなく、管理職自身もまた同じといえます。管理職が率先してタスクをこなしたり、どのような局面でも前向きな姿勢を見せたりすることで、部署内のモチベーションの向上につなげられるでしょう。

4.働きやすい雰囲気作り

職場の雰囲気は、仕事の生産性に関わり、引いては企業全体の業績に影響を与えます。部下が能力を発揮しやすい職場なのか、困ったことがあればすぐに相談できる雰囲気になっているかなどに気を配る必要があります。

上司自身が遅くまで残業をしていると、部下は仕事が終わっていても帰宅しづらかったり、上司が有給休暇を取得していないと、部下も休みづらかったりするでしょう。

業務以外のことですが、管理職が率先して定時で帰る、有給休暇を取るなどすると、職場の働きやすさを向上させられます。

管理職に求められる能力

管理職としてあるべき姿に近づくため、身につけておきたいスキルについて紹介します。こちらはアメリカの経済学者ロバート・L・カッツによって提唱されました。カッツは管理職に求められるスキルを以下の3つに分類しています。

業務遂行能力(テクニカル・スキル)

業務遂行能力は、管理職自身が担当している現場で実際に業務を遂行し、企業のために最善の判断をするための知識や技術などのことを指します。技術者であるなら機械類の操作方法、商品を販売しているなら商品知識や市場理解などについてです。

管理職には、上級、中級、下級といった階層があり、業務遂行能力が最も求められるのは、プロジェクトリーダーや部長クラスの下級管理職とされています。

対人関係能力(ヒューマン・スキル)

先ほども説明した通り、管理職にも階層があります。どの階層の管理職にも必要なのが、この対人関係能力です。部下の育成やマネジメント、スケジュール管理能力、コミュニケーション能力などがそれにあたります。

仕事をするなかで、社内外問わず、人とのコミュニケーションは欠かせません。特に管理職となる人は、部署内にとどまらず経営陣、取引先の人まで幅広く関わる必要があります。

対人関係能力を磨くことは、商談の際の交渉力やプレゼンテーション能力を磨くことにもつながることを覚えておきましょう。

概念形成能力(コンセプチュアル・スキル)

事業や企業全体を見渡したうえで、問題解決の方法や今後の戦略を立てるのに必要となるスキルです。主に経営状態を把握し、全体を見通したうえで意思決定が必要となる上級管理職や経営陣に必須の能力です。

予想外なトラブルが起きても対応できる、柔軟性や応用力も同時に求められます。

管理職としてあるべき姿に近づく方法

ここまで、管理職としてあるべき姿や求められる能力について解説してきました。管理職としての経験を積むなかで培われる場合もありますが、現場の管理者として即戦力であることが求められます。管理職としてあるべき姿にできるだけ早く近づくためには、自己学習に加え、企業のサポートが欠かせないでしょう。

管理職だけではなく、人材の育成を効率よく行うには、研修を取り入れるのが一般的です。管理職向けの研修には、基本となる管理職研修や階層別の研修、マネジメントやチームビルディングについての研修などがあります。

求められる役割が多いからこそ、いろいろな研修を通してスキルを身につけましょう。管理職としてあるべき姿に、近づきやすくなるはずです。

管理職のあるべき姿は時代によって変わる

管理職のあるべき姿は、そのときどきの時代によって変わります。以前は、部下や業務の進捗管理やマネジメントがメインでした。しかし、最近では、部下の手本となるような行動やリーダーシップ、経営側の視点を持ち業務にあたることなどが求められています。企業や部署によって求められる像は違ってきますが、管理職はいつでも部下や部署を引っ張っていけるスキルをアップデートできる準備が必要です。企業側は、そんな管理職をサポートできる体制を整えましょう。

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