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企業への帰属意識とは?メリットや低下すると起こる問題、高める方法を解説

個の時代と呼ばれる昨今。社員の企業に対する帰属意識の薄れが懸念されています。労働状況や環境の変化が著しいなかで、人的資源である社員の帰属意識の向上は、事業の成功や企業の成長に欠かせません。この記事では、社員が帰属意識を高めることのメリットや低いと起こる問題などを解説します。

帰属意識とは?

帰属意識とは、ある集団に所属している意識をのことを指します。国や自治体、民族、会社、家族などに用いられる言葉で、もともとは心理学の用語です。

企業においての帰属意識とは、企業そのもの、もしくは部署、自社の商品やサービスなどに対する愛着や興味などのことを指します。

従業員エンゲージメントとの違い

帰属意識と似た言葉に、「従業員エンゲージメント」という言葉があります。帰属意識が従業員から企業への一方的な関係なのに対して、従業員エンゲージメントは従業員や社員の企業への貢献と、企業から従業員への福利厚生、教育などの支援といった双方向の関係を示します。

ロイヤルティとの違い

ロイヤルティは、英語でLoyaltyと表記し、「忠誠」「誠実」といった意味があります。自分より上の立場の人に、尊敬の念をもって奉仕するという考え方です。帰属意識との違いは、企業と社員の間の力関係を前提にしている点です。帰属意識は、力関係を前提にしていません。

帰属意識が高いと得られる3つのメリット

企業だけではなく、どの集団でも帰属意識全体が薄れていると言われる時代ですが、帰属意識が高いとどのようなメリットが得られるのでしょうか?

1.社員が自発的に仕事に取り組むようになる

帰属意識が高いと、社員が自発的に仕事に取り組むようになります。企業の一員として、心から事業の発展に貢献したい、成果を出したという思いが溢れるからです。オフィスで起こるできごとのすべてを、自分ごととして受け止められるようになります。

2.上司や同僚とのコミュニケーションが増える

帰属意識が高い人や集団は、一体感が強くなります。上司や同僚といった立場に関わらず、自然にコミュニケーションが増え、生産性のアップにつながる、信頼がある関係を結べるようになるでしょう。

3.定着率がアップする

帰属意識の薄れとともに現在問題になっているのが、社員の定着率の低下です。少子化、終身雇用制度の崩壊など、雇用状況の変化が著しいため、社員の離職率に悩む企業も多いでしょう。

その背景には、社員の企業に対する帰属意識の低さが潜んでいます。このチームでもっと働きたい、目標を達成したいなどの帰属意識が高められれば、定着率を向上させられると言えます。

帰属意識を高めにくい原因

近年、企業への帰属意識は高めにくいとされています。その原因は、

・社員がワークライフバランスを重視した働き方をするようになって交流が減っていること

・雇用制度や評価方法が見直されたこと

・企業のビジョンが不明瞭なこと

が挙げられます。

以前は、企業に所属しているだけでも自然に帰属意識の感情が沸いたものですが、以上の理由で、社員が帰属意識を感じにくかったり、高めにくかったりする状況に陥っていると言えます。

帰属意識が低いと起こる3つの問題

なかなか高めにくい帰属意識ですが、低いままにしておくと離職やモチベーションの低下につながることも。以下では、帰属意識が低いと起こる3つの問題を解説します。

1.離職につながる

帰属意識が高いと得られるメリットのなかでも説明しましたが、帰属意識が低いと、社員や従業員の定着率が低下につながります。

「どうしてここで働かなければいけないのか」「自分はここで何をやっているのか」と疑問に思うと、企業で働く意味がわからなくなり、頑張る理由を失くしてしまいます。企業や組織をよくしようと思う気持ちが薄れている状態なので、よりよい成果を出したいと業務にあたっている、帰属意識の高いほかの社員や従業員に悪い影響を与える可能性もあるでしょう。

2.働くモチベーションが下がる

帰属意識が低いと、「自分が企業や職場にとって必要のない人間なのではないか」という考えに至ります。企業やチームなどに愛着がなく日々の生活のためだけに働くと、自然に業務に向かうモチベーションも失われるでしょう。

3.社員同士のやり取りが減る

自分が必要とされていないと思えば、社内での同僚や上司とのコミュニケーションが減るのは必然です。コミュニケーションが減ると、業務に対する士気も上がりません。

最近では、リモートワークやWEB会議など、対面せずに行う仕事が増えています。以前のようなコミュニケーションが取りにくくなっており、企業に対する帰属意識の低下を招く原因のひとつだと言われることも。

企業や集団への帰属意識を高めるには、コミュニケーションが不可欠だということがわかっていただけるでしょう。

帰属意識を高めるためにできる5つのこと

社員の企業に対する帰属意識を高めたい場合は、以下の5つのことを試してみましょう。

1.キャリアビジョンを明確にする

社員自身に、今後自分がやりたいことを考えさせます。それに、企業から求められていることを結びつけたキャリアデザインを行ってみましょう。業務にあたるうえで、行動の原動力にすることができ、帰属意識の向上につなげられます。

2.福利厚生を充実させる

福利厚生の充実や改善は、社員に、企業や上司が自分たちのことをよく考えてくれている、自分たちの意見に耳を傾けてくれていると感じさせるきっかけにできます。よって、その選択をしてくれた企業やチームのためにもっと頑張ろう、よい成績を残そうと考えるようになり、帰属意識が高まりやすくなると言えるでしょう。

3.企業の理念や目標などを浸透させる

社員に、企業や事業に対する誇りを持たせることも、帰属意識を高める理由になります。入社して少し経ち、日々の業務に追われると、企業の理念やブランド価値などについて考えることが少なくなってしまう場合も。

折を見て、企業の理念やブランド価値について社員に共有し、共感してもらうようにしましょう。社員一人ひとりが携わっている事業や業務の目的、目標を意識し直すことで、会社や社会の役に立っているという気持ちを思い起こさせるのです。会議や社内報、クレドカード(社員の在り方を記載したカード)などを用いて、アプローチしてみましょう。

4.人間関係の向上

一緒に業務にあたる上司や同僚との関係が良好だと、企業に対する帰属意識を高めることができます。ポジションや世代の差によって、コミュニケーションが減っている場合もあるでしょう。対応策としては、メンター制度や研修などを導入し人材開発を行うと、世代やポジションが違う社員同士の交流の場を作ることができます。

5.研修を取り入れる

帰属意識を高めるために、チームで行う研修を取り入れるのもいいでしょう。

有名なものに、事業目標を達成するためのチーム強化を行う「チームビルディング研修」やチームでミッションをクリアして団結力や主体性などを引き出す「ビジネスゲーム」、ひとつのテーマについて数回研修を行う「インターバル研修」などがあります。

帰属意識はもちろん、業務についての知識や社会人としてのマナー、行動力などを育てるのにも適しているため、ぜひ取り入れてみてください。

帰属意識を高め社の求心力をあげよう

帰属意識は、企業の求心力やチームワークを高めるのに必要な意識です。集団でひとつの目標を達成させようとすると、帰属意識が不可欠になります。部署やチーム、ひいては企業全体の一体感をより高めたい場合は帰属意識に注目し、改善してみるといいでしょう。

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