Case

事例

「一人一人との信頼を」エントリー数が減少しても採用目標を達成し、面接工数も50%削減

株式会社いなげや

新井 伸育 様

株式会社いなげやは、東京、埼玉、神奈川、千葉の1都3県にて展開されているスーパーマーケットチェーンです。同社には2020年から「harutaka(ハルタカ)」を新卒採用でご利用いただき、現在は『harutaka EF(エントリーファインダー)』もご導入いただいております。今回は採用担当者である新井さんに「harutaka」並びに『harutaka EF』の導入背景とご利用を通して見えてきた採用課題について伺いました。
事例サマリー
課題
  • 採用目標数の達成を目指す一方、エントリー数が年々減少している
  • 後任を育成する時間が取れない
  • 限られた人数で採用活動を遂行しなければならない
導入の決め手
  • 録画データを使い、非言語情報の可視化・定量化が可能
  • 録画データを後任の育成に活用可能
  • 候補者との連絡がスムーズかつ楽になる
  • 採用管理システムと連携ができ、運用面の負担が少ない
結果
  • エントリー数が減少する中でも、採用目標数を達成できた
  • 応募者への効果的なフィードバックが実施でき、魅力付けにつながった
  • より根拠を持って選考ができるようになった
  • 効率的な後任教育を実現できた
  • 面接時間の50%削減に成功

録画選考にネガティブだったいなげやが、「harutaka」を取り入れた理由

「harutaka」導入のきっかけとなった、いなげやが当時抱えていた採用課題を教えてください。

新井さん:大きく2つあります。一つは採用業務の効率化です。当時、新卒採用は私を含め3名で担当していましたが、2020年の年明けからメンバーが産休・育休で離脱することが決まっていました。後任は予定されていましたが、当時の忙しさでは、新たな人員を育成する時間を取るのが厳しく、業務の効率化を図らなくてはと考えていました。
もう一つは、エントリー数の減少です。2017年度は業績が好調だったのですが、その後、決算の低迷や労働問題などの影響もあり、3年間かけて、年々3分の1ずつエントリー数が減っていました。

「harutaka」の導入理由を教えてください。

新井さん:競合スーパーの導入事例を伺い、熱量が伝わる質問設計などを詰めるなか、他社サービスと比べ、「harutaka」のサイズ感がいなげやにマッチしていると感じました。
採用管理システムとの連携、面接担当者の教育への活用を始め、候補者との連絡は面接用のURLを送るだけで済むなど、業務を効率的にする点からも望ましいと思いました。

録画選考には、初めから興味をお持ちでしたか?

新井さん:いいえ、録画という発想は全く持っておらず、最初はライブ面接を入れる予定でした。どちらかというと、録画に対しては、ネガティブな印象だったからです。候補者が準備しきった段階での情報を見ても、人物像はあまり測れないのではないかと考えていました。

ネガティブな印象だったのですね。ではなぜ、「harutaka」で録画選考を実施しようと思われたのでしょう。

新井さん:株式会社ZENKIGENが録画データを用いて、さまざまな研究を重ねていることを知ったからです。候補者傾向の分析や入社後のデータ活用など、利活用の可能性が広がり、ネガティブだった録画選考への印象が、一気にポジティブになりました。

懸念されていた「人物像が図れないかもしれない」という点はどのように工夫しましたか?

新井さん:「harutaka」上で動画を投稿してもらうタイミングで、オリジナルの質問に回答してもらうようにしました。独自の設問を設けることで、人物像を測る一助になればと考えたからです。

2年間に渡り録画選考を見続けたなかで見えた、新たな課題とは

録画選考を実施するなかで、『harutaka EF』導入のきっかけとなる「新たな採用課題」が見つかったと伺いました。どのような課題が見えたのでしょうか?

新井さん:「非言語情報の可視化」「評価軸のブレ」です。動画内のフィーリング、つまり言葉の抑揚や印象などの非言語情報で合否を決めるメンバーもいました。担当者毎の評価軸のブレにもつながるため、非言語情報を可視化・定量化し、候補者を評価する必要性を感じました。これまで不合格とされてきた候補者群から採用するためにも、この2年間で蓄積した録画データを分析し、ボーダーラインを見極められないかと考えました。

録画選考を進める中で、他に何か気づきはありましたか?

新井さん:男女比で見たときの、合格率とその変化です。私が採用担当になった16〜17年度は女性の採用比率が約4割でしたが、この数年間で約7割まで上がりました。ここで言いたいのは女性比率の増減ではなく、会社全体の人口ピラミッドとその維持として見たときに、採用数を伸ばすのと同じぐらい、男女比のバランスを考えた採用を今から行わないと、10年後の会社成長に影響が出るかもしれないということです。

具体的に言うと、どういうことでしょう。

新井さん:最近では育休を取得する男性も出てきましたが、まだまだ女性の方が、出産や妊娠、子育てなどの影響で、仕事を離れなくてはならない状況です。いなげやも、例外ではありません。中堅に相当する30代前半から中盤の女性社員が一時的に仕事を離れることが多いからです。
女性・男性問わず、社員の定着率を上げるために採用を進めることが、結果として、より一層働きやすい組織づくりにもつながると考え、バランスを意識した採用を進めています。

『harutaka EF』のフィードバックが候補者・面接担当者・人事をつなぐ

いなげやでは、『harutaka EF』の結果を面接や選考時のフィードバックに活かしていると伺いました。

新井さん:はい、『harutaka EF』の内容を踏まえ、面接やグループディスカッションなどの場で伝えるようにしています。さまざまな学生さんを見ていると、やりたいことは見えていても、自分がどうあるべきかが分からないためか「手当たり次第」になっている方が少なくありません。もし、いなげやとご縁がなかったとしても、他社選考で改善されればと思い、伝えるようにしています。

どのようなフィードバックを伝えていますか?

新井さん:例えば、「〇〇さんはこういうところが動画内で熱意としてすごく伝わって来たよ。一方で、△△という点の〇〇さんの想いは、自分の言葉でもう少し丁寧に伝えると相手に伝わりやすくて、〇〇さん自身の人柄をさらに周囲が理解してくれることで活躍できる人財になると思うよ」などと、話しています。

録画選考以降に実施されるグループディスカッションの面接担当者をはじめ、最終面接を務める上席にも『harutaka EF』の情報を共有していますが、全ての担当者にお願いしているのが「目の前の印象だけに左右されず、『harutaka EF』の情報も踏まえた上でフィードバックは伝えてほしい」ということです。

『harutaka EF』のように、客観的な指標があることで、各担当者は、主観・客観両方の側面から候補者を知ることができるからです。2つの情報を組み合わせることによって、学生さんたちが腹落ちするような、的確なフィードバックにつながっていると思います。

『harutaka EF』の情報を共有するようになり、面接を務める社内の方からはどのような声が届いていますか?

新井さん:例えば、最終面接を務める上席からは「候補者のことが分かりやすくなった」という声が届きました。非言語情報が可視化され、候補者の評価ポイントが絞りやすくなったからこその声だと思います。
人事としても情報を一元化できるため面接内容や聞いてほしいポイントの調整がよりスムーズになりました。ある意味で、『harutaka EF』の情報が各面接担当者と候補者との橋渡しになっていると思います。

新井さんご自身が、『harutaka EF』をご利用するなかで、何か気が付いた点はありましたか?

新井さん:より根拠のある選考ができるようになった点です。コロナ禍の影響で、学生はガクチカ(学生時代に力をいれたこと)が行いにくくなり、人によっては移動を制限されたケースも少なくありません。

例えば、実際に入社した社員のなかには「店舗に行きたくても行けないから、友達にビデオ通話でいなげやを映してもらいながら見学した」というケースがありました。『harutaka EF』の導入前なら面接担当者によっては不合格だったかもしれませんが、「いなげやを見にいこうとした姿勢は評価しよう」と録画選考を合格にしました。このパターンのように、どのようなときでも「実際の人物像はどうなの?」と『harutaka EF』の情報に立ち返ることで、採用メンバー内での評価軸のブレを防ぎました。

面接時間の50%削減に成功

『harutaka EF』を導入したことで、採用工数などの業務負担などは軽減されましたか?

新井さん:はい、採用工数は随分と減りました。対面面接時に費やしていた調整工数や会議室の準備工数などが削減されました。面接時間だけで見ても、約50%は減少したと思います。またこれまでなら、管理職レベルの方が丸一日時間を空けるところが、2〜3人の担当者レベルで回せるようになったため、人件費で見ても、大幅な削減ができたと思います。

課題の一つに挙げていた後任の教育という点ではいかがでしょう。

新井さん:『harutaka EF』を用いることで、候補者を評価をしながら、後任の育成を行うことができました。そこで活用したのが、「harutaka」の評価機能です。「harutaka」には、候補者情報のフィルターがけ機能があり、評価の平均点での並び替えができます。

実際の進め方としては、最初に私が評価機能を使い、各候補者を評価しながら何名かの録画を抽出します。その録画を他のメンバーに視聴してもらい、『harutaka EF』を確認しながら、評価ポイントのすり合わせを行いました。録画視聴前に『harutaka EF』を使ったレクチャーをしないのは、評価に対し、先入観を持たせないためです。

評価と並行して担当者教育を一緒に行っていたのは、すごいですね。

新井さん:特に今年は、効果が大きかったですね。何も説明しないで録画選考を見せると、「あの子は声が小さいので駄目ですね」という言葉が最初は出ていましたが、データとして残っている動画の視聴を繰り返す中で、「声は小さいですが、◯◯は良いですよね」という表現へと変わっていきました。データが残っていることで、何度も見返すことができるのはありがたかったです。

信頼されて採用するを目指すために、EFができること

いなげやが想い描く「良い採用」とはどのような形でしょうか?

新井さん:企業説明会から最終選考まで、私が一貫して皆さんに話しているのは「信頼されて採用する」ことが学生・企業、双方にとって大事ということです。このスタンスを貫くため、いなげやでは、インターンシップから選考まで、どうしたら学生に信頼を得られるかを考え設計してきました。その要素を担うために導入したのが「harutaka」であり、『harutaka EF』です。

お話から、双方の信頼を大事に進めてきたことが伝わってきました。社内でも何か変化はありましたか?

新井さん:はい。3年以内の離職率が2017〜2019年は約17.8%だったのが、2020〜2022年は約9.8%にまで下がったときには、効果を実感しました。世間的に3年以内に3割が離職すると言われるなか、入社後とのギャップの少ない採用ができたことで、定着につながったと思います。

内定承諾率にも変化はありましたか?

新井さん:ここ数年は、約50%前後で昨年よりも改善しています。市場全体として内定承諾率が下がり、同業他社では約30%台と聞いているので、候補者に対し、納得感がある的確な対応ができていると考えています。内定承諾率が変化しない一方で、冒頭でお話したように母集団は減少傾向にありました。そんな状態でも、双方に信頼感がある採用を心がけることで、応募が少ない年でも一定の採用数は確保できました。

互いに信頼しあえる採用関係を実現するために、『harutaka EF』がどのような点で貢献できそうでしょうか?

新井さん:活用の幅とその広がりです。動画の内容に対し、『harutaka EF』のスコアを元に客観的なフィードバックを出せたりすると、選考に参加してくれた学生に対し、より有益な情報が提供できると思います。

最後に、録画選考の評価とその後の魅力づけに課題を抱える企業やご担当者様に向け、一言メッセージをお願いします。

新井さん:録画選考において、『harutaka EF』を活用して録画選考を行うことは有益だと思います。工数の削減だけではなく、合格率のアップにもつながるからです。実際にいなげやでは、録画選考のある二次選考から三次選考への合格率が約20%上がりました。相手の人柄を見ながら、その会社に合った人財を獲得するという意味でも、『harutaka EF』の活用範囲は広いと思います。

新井さん、ありがとうございました。



いなげや様にご利用頂いている『harutaka EF』について、詳細はコチラをご覧ください↓

エントリーファインダー

株式会社いなげや
エントリーファインダー採用DX録画選考工数削減選考精度向上
業種
小売
利用シーン
新卒
従業員数
1001〜5000名

株式会社いなげや 新井 伸育 様 (あらい のぶすけ さま)

株式会社いなげや 人事部 採用担当課長

※所属・役職等は制作時点のものとなります。

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