Case

事例

WEB面接の導入で採用予定人数より2.5倍の採用が実現。地方との就職格差をなくすツールとして今後も期待。

社会福祉法人森友会

立山 貴史 様

「すべての子どもの最善の利益のために」を保育理念に掲げる社会福祉法人森友会。年齢別の担任制ではなく、0~1歳と2~5歳で分かれる異年齢保育を通して、多様で豊かな人間関係の中で子どもたちの心身の成長をサポートしています。年齢が違うことで、子ども同士で刺激し合い、学び合う。子どもたちが自分たちで遊びや生活のルールをつくり、守っていく姿を見られるのが異年齢保育の特徴。同法人では、今回「保育士」の新卒採用にて、WEB面接サービス「harutaka(ハルタカ)」による採用活動を行いました。保育業界で初の事例となったharutaka(ハルタカ)導入までの経緯や運用時の工夫について、理事長の立山様と広報活動を担当された井上様にお話を伺いました。
事例サマリー
課題
  • 保育士が足りない現状の中、できるだけ多くの学生に出会いたい
導入の決め手
  • 「harutakaを通して就職格差をなくしたい」というZENKIGEN の想いに共感した
  • オンライン面接によって、経済的な負担が強いられる地方学生の就活をサポートできる
結果
  • 応募者8名を全員採用し、うち5名が地方出身
  • 1人あたりの採用コスト並びに面接時間を約30%削減
  • IT化に慎重な保育業界にテクノロジー導入のメリットを伝える良いきっかけになった

森友会の保育方針を理解してもらう広報活動は、応募数に直結する。

保育業界で初のWEB面接サービス「harutaka(ハルタカ)」導入となりました

harutaka(ハルタカ)導入の経緯についてお話する前に、森友会と保育業界の現状についてお話させてください。私たち社会福祉法人森友会は、幼稚園と保育園の両方の機能を併せ持つ「認定こども園」と「認可保育園」を経営しています。保育理念として「すべての子どもの最善の利益のために」を掲げていますが、実際のところ現在の日本では、認可保育園や認定こども園で子育て支援事業を実施しない限り、無認可保育園しか全ての子どもが遊びに来ることはできません。認可保育園で預かることができるのは、ご両親が共働きなど保育環境に欠けると認められた0歳~5歳までの就学前の児童のみ。幼稚園は、満3歳以上でないと入園できないと制度上定められているからです。では、無認可保育園でいいかというとそうではありません。無認可保育園は、公費助成がほとんど出ないので、最低限のコストで経営しなければならない苦しい台所事情を抱えています。現代の日本では、子どもたちが良い保育環境で過ごすというのは難しいことなんです。

そうした厳しい状況のなか森友会として、どういう保育環境を子どもたちに提供しているのでしょうか。

私たちは、年齢別の担任制ではなく、0~1歳と2~5歳で分かれる異年齢保育を行っています。異年齢保育には、クラスなどの大きな集団単位で行う「一斉保育」で身につけるのが難しい「非認知能力」を育てる目的があります。数がわかる、字が書けるなどの「認知的能力」と異なり、目標に向かって頑張る力、他の人とうまく関わる力、感情をコントロールする力など、社会で活躍するために欠かせない能力が非認知能力です。この非認知能力を育てるにあたり最適な時期が、1歳~小学校就学までの幼児教育の期間。例えば食事をする際、こぼさずきれいに食べるよう保育士が子どもを手伝うケースがありますが、私たちは子どもがテーブルに食べ物をこぼしても、すぐに拭きに行ったりせず静かに見守ります。むしろ、隣で保育士が食べる姿を子どもたちに見せています。すると、まずは年齢が上の子どもからマネをします。マネした子どもを見て、さらに小さな子どもが影響を受けるようになります。食事に限らず遊びや生活全般においてもマネしたり、教えたり、教えられたりといった子ども同士の関わりが随所に見られるため、多様で豊かな人間関係が構築されるのです。いっぱい失敗して、いっぱい誉められて、いっぱい肯定された経験が子どものうちに必要です。失敗しても「なんとかなる」と自分を奮い立たすことのできる人が、世の中を力強く生きていける。受験や恋愛で失敗して、コンプレックスを抱えたまま引きこもってしまう子どもを減らすためにも、幼児教育の時期に非認知能力を育てることが大切なんです。

なるほど確かにそうですね。ただ、将来必要と言っても、保護者に理解されないこともあるのではないでしょうか。

そうならないように私たちは、自分たちの保育方針の説明や園見学といった広報活動に注力しています。何千億円、何兆円という税金が投入される保育業界の中でも私たちは公益法人という立場から、社会に対して還元する意味でも、保育所保育指針や幼稚園教育要領などに準拠した保育に、より真剣かつ本気で取り組まなければいけない。保護者の皆様にきちんと理解していただくための広報活動をしなければならないのです。これは、採用活動でも同じです。リクルートサイトでは、スマートフォンでも見やすい画面構成で採用情報に留まらない園紹介や、保育方針についても詳しく載せています。こうした広報活動は、応募数に直結するので絶対に手を抜くことはできません。今回のWEB面接についても解説動画をつくり、動画投稿のハードルを下げる工夫をしています。運用時の広報活動に関しては、井上さんに担当してもらいましたので、後で詳しく聞いてみてください。

WEB面接を通して、首都圏と地方の就職格差をなくしたい。導入初年度からWEB面接した8名を全員採用。

harutaka(ハルタカ)について、ZENKIGENからどういった説明がありましたか。

昨年は100人採用できたのですが、今年は前年に比べて進捗が良くなかった中で、ZENKIGENさんからharutaka(ハルタカ)の話がありました。最初のプレゼンで「harutaka(ハルタカ)を通して、世の中から就職格差をなくしたい」との想いをZENKIGENさんから聞いた瞬間、すぐに導入を決めました。というのも保育業界は、都心部と地方の就職格差が深刻で、経済的な理由から大学に行けず、専門学校を卒業して保育士になれば、いまの状況を抜け出せると考える必死な想いの学生が大勢います。面接を受けるために「片道切符分だけでも交通費を貰えませんか」と養成校から言われることもあるほどです。harutaka(ハルタカ)を使うことで、地方学生の就職活動をサポートができるのではと思いました。社会的に不利な状況の人たちに対して、何もサポートしないというのは、公益法人である自分たちがやってはいけない。自分たちだからこそやるべきと常に考えています。

保育業界の人材不足は、ニュースや新聞で見聞きすることが多いですよね。

保育園で子どもを預かる際、0歳の子ども3人に対し保育士1人というように、年齢・子どもの人数によって、保育士の人数が定められています。つまり保育業界では、預かる子どもの人数に必要な保育士が圧倒的に足りていないのです。実際、保育園を建てても保育士が足りずに、定員割れするケースが多く見られます。業界全体の離職率は13%と高く、他業界へ転職してしまう人が多いのも懸念点です。そういう点では、森友会の離職率は6%と業界平均を下回っています。募集人数も今のところ確保できていますが、学生の応募傾向は毎年変化するので油断はできません。そういった意味でも来年度は、harutaka(ハルタカ)を通じて、全国の学生からより多くの応募が集まればと期待しています。

harutaka(ハルタカ)を通しての応募数は何名でしたか

今年は、導入初年度ということもあり、応募数自体は8名と多くはありませんでしたが、投稿してくれた全員の人柄が素晴らしかったので、8名全員採用しました。採用の判断基準は、応募者の人柄です。誉めることが上手な人や、物事に対してポジティブに取り組める人であれば理想的ですね。WEB面接の設問が「志望動機」や「学生時代の経験」など固い内容だったため、緊張しながらまじめに答える動画が多かったですが、逆にその人の誠実さが画面を通してこちらに伝わりました。来年度は、よりその人のパーソナルな部分がわかる設問でもいいかもしれません。

当初想定していたharutaka(ハルタカ)での採用予定人数を教えてください。

今年がharutaka(ハルタカ)導入初年度ということもあり、最低3名採用できればと考えていました。しかし、ふたを開けてみたら倍以上の8名採用と期待以上の反響があったことに驚いています。また、保育士を目指す学生は、ITに詳しくない人が多い傾向がありますが、harutaka(ハルタカ)から応募した学生に関しては、そうした苦手意識のある方はいませんでした。IT化に慎重な保育業界では、貴重な人材が採用できたと思います。今後は他の業界と同じように、保育業界でもIT化が進んでいくでしょう。今回のharutaka(ハルタカ)を通じた採用のIT化のおかげで、テクノロジーを導入するメリットについて、職員と話やすくなりました。早速、ITの教育教材を導入したいと話す園長も出てきたので、これからが楽しみです。遊びや生活の中で、子どもたちがいろいろなことを習得するスタイルは変えませんが、子どもたちがロボットやITに触れる機会を多くつくることで、将来ロボット開発やエンジニアになる夢を描けるようになればいいと思います。

ZENKIGENの対応で良かった点や、要望について聞かせてください。

最初から最後まですごくやりやすかったです。先ほども言いましたが、最初のプレゼンがとてもわかりやすかった。広報採用チームの担当者も私と同じく「すぐやろう」と非常に前向きでした。導入後も手厚くサポートしてくれたので、全くストレスを感じませんでした。要望というか期待することとしては、私たちのような複数施設を経営する企業や法人だけではなく、小さい規模の法人でも導入・利用できるサービスとして広めてほしいですね。特に保育業界は小規模法人で頑張っている経営者がたくさんいるので、そうした人をバックアップできるサービスであって欲しいと思います。もし、そういった経営者がharutaka(ハルタカ)を導入する機会があれば、私たちが感じた良かったことを全て伝えます。こういうサービスを待っている保育業界の経営者はたくさんいますから。


(次項より、社会福祉法人森友会 あかねの森保育園 副園長 井上宇宙さんに伺ったお話を掲載いたします。)

コストも時間も約30%削減。WEB面接の認知度を上げて、来年度は20名採用を目指す。

harutaka(ハルタカ)導入によって、削減できたコストや時間について教えてください。

これまでの採用活動では、養成校や業者からの紹介、就職イベントを通じて応募を募っていました。昨年度は採用1人につき約40万円かかっていたところ、今年度は約30%コストカットできました。また、時間については、対面の面接だと1人あたり30~40分かかりますがWEB面接では、1人あたり5分、もう一度見直しても10分かかりません。こちらも約30%工数を削減できました。

どういった方々が投稿された動画を御覧になったのでしょうか。

理事長、統括園長、統括補佐、人事担当者数名で、投稿された動画を確認していました。選考フローは、就職フェアor紹介→園見学→面接→内定と進んでいきますが、今回のWEB面接は園見学の後に入れる形で運用しました。事前に就職フェアや園見学で面識のある学生だったことから、ある程度の人となりはわかっていたので、動画での印象は総じて良かったです。結果、WEB面接をした方8名全員採用ということになりました。内訳は地方が5名、首都圏が3名と地方学生を採用したい私たちの想い通りの採用ができたので満足しています。もとは大分県の法人だったことから、理事長をはじめ大分出身者が多いんです。そういう背景もあり、地方の学生をバックアップしたい想いが強いので、地方在住の学生を積極的に採用しています。

WEB面接に対して、養成校の反応はいかがでしたか。

最初にWEB面接のチラシとポスターを持って伺ったときは、「本当に、WEB面接で学生の人柄がわかるのか」と心配する先生もいらっしゃいましたが、今回は園見学の後にWEB面接を行うということを伝えると共に、地方の学生を1人でも多く採用するための施策であることを丁寧にご説明しました。少ないチャンスで就職しなければならない学生を、なんとかしたい先生の気持ちは理解できるので、こちらも誠意を持って話しました。これまでも毎年全国約500以上の養成校にパンフレットや求人票を送るなど、養成校といい関係を築けていたのも大きかったと思います。

広報活動全般を担当されたそうですね。

はい。養成校に配布するチラシやポスター、HPトップ画でのWEB面接のお知らせ、就職フェアで掲示するポスターなど、スムーズにWEB面接へ移行できるよう、ポスターやチラシ、求人票にもQRコードを入れました。また、保育業界でharutaka(ハルタカ)導入は初と聞いていたので動画投稿をイメージできるよう、宣伝効果も狙ったWEB面接解説動画をつくりました。初の試みだったので、とにかく多くの学生にWEB面接のことを知ってもらうために、できる施策はすべてやりました。

ZENKIGENのサポートはいかがでしたか。

WEB面接の設問を表示する時間や、設問の数についてアドバイスしていただき助かりました。また、採用時の広報活動について、セミナーを開いてくださったので勉強になりました。そのセミナーの中で、私たちが導入していないインターンシップや地方学生の確保という、大きなテーマを見つけることができました。それまでは、園から近距離で人材を探すのがほとんどでしたが、東京で働きたい人を北海道で見つけられることがわかったとき、地方在住の学生との距離がharutaka(ハルタカ)を通じて、一気に縮まりました。保育業界の採用活動では、いい人材を幅広く集めることが大切なので、地方まで視野を広げられるharutaka(ハルタカ)は、保育業界にとても合っていると思います。

来年度に向けて、どういった施策をお考えなのか教えてください。

先ほども話しましたがWEB面接は、業界としても新しい取り組みなので認知度を上げていくことが第一だと考えています。よく園見学に来た学生から「園全体がキレイ」「子供主体の保育が魅力」と感想を言ってもらうことが多いので、そういった園のPR動画を配信したり、今年度WEB面接で採用した学生の動画をつくってもいいと思います。また、選考フローとして、WEB面接の後に対面での面接という流れを組むことも考えられます。学生の数や応募状況は毎年変わるので、状況に応じて柔軟に対応しながら、来年度はWEB面接だけで20名の採用を目指したいですね。


録画選考をアシストする『harutaka EF』について、詳しくはコチラをご覧ください↓

エントリーファインダー

社会福祉法人森友会
録画選考ライブ面接地方採用母集団拡大
業種
サービス
利用シーン
新卒
従業員数
101〜1000名

社会福祉法人森友会 立山 貴史 様

社会福祉法人森友会 理事長

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