AI×グループディスカッションが持つ可能性にNTT東日本の新卒採用担当が期待する理由
目指したのは業務世界観がリアルなインターン
NTT東日本では昨年からインターンシップをリニューアルしたと伺いました。新しいインターンではどのような工夫を加えたのかを簡単に教えてください。
伊藤さん:一言でいうと、「業務世界観のリアルさの追求」です。例年実施している、SEとネットワークプランニングの2種類のインターンを難易度以外は現場業務と同じ条件へ変更しました。特に意識しているのは、NTT東日本で働く楽しさや大変さを全て包み隠さず伝えた上で、魅力に感じてもらうことです。例えば、お客様と話している緊張感を味わい、背中に冷や汗を流す体験をしてほしかったので、打ち合わせは実務通り30分間行っています。インターンだからといって、質問や指摘に手を抜くことはありません。緊張感を出すための一環として、我々とは分からないようにかつらをかぶるなど、変装をしたぐらいです。
すごいですね…。そこまでしてリアルを追求する姿勢に、正直驚きました。
伊藤さん:技術知識のインプットにも、こだわりました。NTT東日本のインターンには、理系・文系問わず、さまざまなバックグラウンドを持つ学生さんが参加するため、ネットワーク知識の補完を目的とする研修を初日に行います。学びを持ち帰ってもらいたいという思いから、普段ならネットワークエンジニアに対し有料で行うような内容を今回のインターンでは実施しました。テキストだけでも100数ページに渡ります。小林さん:細かな書類作成や手続き、調整など、業務の泥臭い部分も含め、徹底的に再現しました。インターンに参加した学生さんからは「泥臭いことも全部体験でき、参加してよかった」というコメントが多数寄せられています。入社後にギャップが出ないよう、正直に伝えようとする姿勢を評価いただいた結果だと思います。
録画選考に秘められた「企業ファン獲得」の可能性
「harutaka」導入以前、インターン選考においてどのような課題を抱えていましたか?
小林さん:「harutaka」導入前は、エントリーシートと適性検査から次選考のグループディスカッション(GD)へ進む学生さんを選抜していましたが、どうしても文字上での判断となるため、学生さんの想いや印象が見えにくいと感じる場面がしばしばありました。中には書類選考で合格しても、GDで何も話さずに黙ったままの沈黙してしまう方など、求めるコミュニケーション能力に達していないと感じる方もいました。こうした経験から、NTT東日本にマッチする学生さんを見つけられていないと感じていました。
一昨年からNTT東日本ではインターン選考に「harutaka」を取り入れていますが、録画選考に「harutaka」を取り入れたことで特にメリットを感じたのは何でしょう?
小林さん:候補者から企業に対する単方向コミュニケーションが明確になったことです。録画という特性から双方向コミュニケーションは難しいですが、単方向であっても、熱意やNTT東日本に対する想いを感じることができました。私たちとしても選考の業務工数が抑えられるため、「harutaka」の導入メリットは大きかったと思います。伊藤さん:無限に練習しても変えられないファクターを見るという観点において、「harutaka」を導入したメリットはあったと思います。それこそ書類は無限に修正ができ、人に推敲してもらえればいくらでも高めることができます。しかし、動画など映像から滲み出る人間性は、無限に時間をかけても絶対変わりません。
伊藤さんから見て、特に顕著な違いはどのような点でしょう?
伊藤さん:感覚値で言語化がしにくい部分ではありますが、自分に対する自信が違うという点です。「僕はこのビデオで僕の魅力を伝えますよ。聞いてくださいね」というどっしり構えてる感じが、声や仕草など、冒頭の自己紹介から既に伝わってきます。録画選考ならではの視点ですね。次選考である、グループディスカッションに対しては、どのような効果が期待できますか?
小林さん:録画選考による候補者評価を入れることで、GDの内容がより一層高まることが期待できます。そういう意味では、この録画選考は頼もしい存在です。相手の話や仕草などから学生さんごとの特徴を把握した上で、セッティングをすることも可能になります。他にも「harutaka」から期待できる効果がありましたら教えてください。
伊藤さん:会社の魅力づけ、つまりNTT東日本のファンを増やすという点でも有用でしょう。当社のインターンシップは、ネットワーク研修などを行っているため、参加できる学生さんはどうしても限られてしまいます。しかし、動画選考も含め多面的に選考を実施し、NTT東日本にマッチしそうな学生さんにインターンへ参加・満足してもらうことができれば、インフルエンサーの1人として、当社の魅力を周囲へ発信してくれるかもしれません。ある意味で録画選考を入念に行うことは、NTT東日本のコアファン増加の可能性を秘めています。
AI×ヒトの連携がグループディスカッションをより有意義にする
2022年のサマーインターン選考から『harutaka EF』をご利用いただいてると伺いました。実際に使用された印象を教えてください。
伊藤さん:完成度は大変高いと思います。会社としての傾向が分かりやすく、NTT東日本として求めている人材像をAIが掴んでいるという印象です。まさに『harutaka EF』は、僕たちが言葉にできない感性を言語化してくれました。小林さん:私たち採用チームは、夏・冬とシーズンごとに非常に多くの応募者のエントリー動画を視聴・評価しますが、『harutaka EF』という客観的指標が加わることで、人事の選考業務が短縮されると思っています。また、録画選考時点である程度NTT東日本にマッチする人材に目処をつけられれば、GDにおける人事の選考効率アップも期待できます。
『harutaka EF』の活用方法の一つに、評価指標を参考にGDのチーム分けをするという方法があります。この点についてはどのように思いますか?
伊藤さん:正直、何が正解かは僕にも明言はできませんが、GDにおいて常に意識しているのは候補者にとって不平等がないかどうかです。現在、NTT東日本のGDはランダム配置されています。しかし、チームバランスによっては、いつもならしっかり意見を言える学生さんが力を発揮しきれないというケースも少なくありませんでした。そういう意味では、『harutaka EF』の結果を参考に、タイプをばらけさせてみるというのは面白いと思います。もし、『harutaka EF』を活用してGDを行う際、企業としてはどのような点に注意する必要があると思いますか?
伊藤さん:そうですね、ワークの内容と審査官の評価姿勢が大切になるのではないでしょうか。一般的にGDで出題されやすいトピックスは、コミュニケーション能力やアイデア力の勝負となるため、よく話す学生さんが合格しやすいという特性があります。その対策として、『harutaka EF』の結果上にてコミュニケーション能力が高そうだと評価された方の印象に惑わされないよう注意を払いつつ、ロイヤリティや事業理解、将来的な事業発展などを網羅的にGDのテーマに盛り込むことで、この点はフォローできると考えます。
NTT東日本をテーマにすることで、審査官となる社員も、会社に対する前提条件を把握しているかや企業理解度、事業としての可能性などを、普段の業務と照らし合わせながら判断することができます。こうした工夫を加えることで、GDにおいても、『harutaka EF』×現場社員による良い評価体制がつくれるはずです。
AIマッチングに込められる期待
今後、『harutaka EF』を用いて、どのようなことを実現していきたいかを教えてください。
伊藤さん:動画を通して見える適性から、今後の配属参考などに活用できたらと思っています。現在、NTT東日本では社内でAI開発を進めています。例えば、最初は『harutaka EF』で評価を行い、よりNTT東日本らしい人材を探す場合には自社AIを使うなど、AIの使い分けや併用で採用を進めていくことで、よりマッチ率を上げられるかもしれないと考えています。候補人材の信頼性を高める意味でも、『harutaka EF』の性能向上には期待しています。GD×『harutaka EF』の可能性という点についてはどう思われますか?
小林さん:こうした使用をしたことがないため一意見に留まりますが、『harutaka EF』の結果を蓄積する中で、GDにおける評価と傾向の関係性が見えてくると、評価の仕方にも変化が生まれるのではないかと思います。職種によっては適正が異なるため、どのタイプがどの特性に合うかなどのマッチングが見えてくると、私たちの感覚値だけではなくて、AIスコアの過去実績も参考に候補者を判断するという一つの可能性も出てくるかもしれません。伊藤さん、小林さん、ありがとうございました。
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