「採用スキームの改善でエントリー動画の応募が300%増加」動画選考2年目の企業が語るリアル体験記
「会いに行く時間を話す時間に変えたい」出会いを増やすために決断したオンライン選考
今回はよろしくお願いします。まず、ツルハホールディングスが抱えていた採用課題を教えてください。
若林さん:課題は、自社が求める人材を1人でも多く見つけ、採用の機会損失の防止と、採用業務の経費削減です。当社は一人でも多くの学生と会うため、遠隔地でも社員が赴き、対面で話すことをモットーにしています。ツルハでは新卒総合職採用を担当する5名にかかる出張費や人件費、学生の交通費や会場費などが問題となっていました。
オンライン採用に興味を持った知ったきっかけは何でしょう。
若林さん:きっかけは、2018年に大手外食チェーン店が「AIによる採用を開始した」というニュースを見たことです。テクノロジーを採用に取り入れることが迅速な課題解決につながるのではと考えました。中途でも同じような課題を抱えていたため、両方で使えるサービスを探していたところ、harutakaに出会いました。
選考過程にエントリー動画を取り入れた理由も採用の機会損失を防ぐためでしょうか?
若林さん:そうです。それまで新卒採用の一次選考はグループ面接のみでしたが、一人の学生に注力できる時間が数分間と限られており、学生に対し申し訳なさを感じていました。応募者を深く理解し、採用の機会損失を避けるために、エントリー動画による選考を検討し始めました。
エントリー動画から垣間見える「候補者の性格」
harutakaを導入して良かった点を何でしたか?
若林さん:地方学生の採用が円滑に進むようになったのは嬉しい点です。実際これまで、地域によっては1人の学生に会うためだけに会場を手配するケースがありました。費用面も、会場費、出張費や人件費などを考慮すると数百万円単位で削減されました。また採用管理ツール(SONAR)とharutakaが連携しているため、業務工数自体も抑えられています。
では、動画選考を入れて良かった点を教えてください。
若林さん:TPO(Time, Place, Occasion)を意識した振る舞いができる学生かどうか、動画からでも良く分かることです。就活慣れした学生はエントリー動画もそつなくこなしているように見えるかもしれませんが、動画内容の細かい点にその学生の性格が出てくるんです。例えば動画中に洗濯物が映っていたり、身なりが整っていなかったりなど。ふとした瞬間にその候補者の性格が垣間見えます。
場慣れするからこそ、身近なところで油断している候補者も少なくないわけですね。
若林さん:そうなんですよ。一方、普段の選考では見られない、候補者の発想力などが動画で見られるようになりました。
実際にエントリー動画を見ている中で、発想力が印象的だった方はいましたか?
若林さん:自己PRの方法を工夫する応募者が出てきたのは印象的でした。ある学生は、留学先のタイで出会ったツルハドラッグの印象を現地語のテロップを入れた紙芝居で紹介してくれました。こうした学生はキャッチーで、印象に残りやすいです。
当社では面接官の間で動画を共有するため、きっと最終面接のときには「あの紙芝居面白かったね」と話のネタになると思います。その子に限らず、「POP作成の才能があるのではないか?」など店舗勤務に求められる才能の一端を動画から感じることも増えました。
採用スキームの改善で動画選考の選択者が300%アップ
エントリー動画の導入から2年が経過し、ここまでを振り返り大変だった点を教えてください。
若林さん:導入初年度、当初見込んだ利用数を獲得できなかったときには頭を抱えました。ただこの点は、選考スキームを変更し、学生がエントリー動画を選びやすい環境を作ることで改善できました。
具体的にどのような点を変えたのでしょう。
若林さん:心がけたのは学生負担の削減です。例年、選考参加条件として説明会参加を必須としていましたが、未参加の学生でも選考へ参加できるようにしました。またエントリー動画提出時のアンケートも簡易にし、履歴書も選考の後半に提出としました。
その効果もあり、コロナ禍においては、応募者の80%近くが一次選考で動画選考を選んでくれるようになったのです。結果、前年と比べると、動画選考の選択者が300%アップしました。
素朴な疑問ですが、それだけ学生からの支持があるのなら1次選考をエントリー動画のみにしても良い気がしました。グループ面接を残しているのはなぜでしょう。
若林さん:学生によっては動画だと力を発揮できない人もいるためです。自身が一番能力を出せる環境でトライしてほしいため、グループ面接も選べるようにしました。
まさに学生ファーストを意識した判断ですね。最後にこの記事を読む読者に向けたメッセージをお願いします。
若林さん:これまで当社には、「面接=対面」というバイアスがあったと思います。それは応募してくれる学生に直接会わないのは失礼という気持ちがあったからです。恐らく同じ思いを抱いている人事の方も多いのではないでしょうか。
ただ改めてエントリー動画を導入し実感したのが、面接時間が増えた方が、学生の皆さんには喜んでいただけたという点です。結果として、経費削減にもつながりました。
また1次選考と最終選考が違う人の場合、社内で動画を共有することによって、応募者を理解した状態で話すことができました。エントリー動画と実際に会ったときのギャップも、面接時の判断材料として有用です。
動画選考の準備期間はありましたが、一度選考が始まれば、後は日々ブラッシュアップするのみです。双方にとって効率的な選考になるよう、これからもチーム一丸となり頑張ります。
若林さんありがとうございました。
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ツルハホールディングスの若林さんには、オンライン採用振り返りTV(WEBセミナー)でも「エントリー動画の利用とその裏話」についてお話いただきました。ぜひこちらから記事をダウンロードし、本記事と併せご覧ください。
オンライン採用 振り返りTV セミナーレポート