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事例

JFE商事の新卒採用担当者が語る録画選考における印象の定量化とその可能性

JFE商事株式会社

佐郷 大海 様

JFE商事株式会社は、鉄鋼をはじめ、金属や化学製品など、販売から加工・流通までを広く支える専門商社です。同社には2020年から「harutaka(ハルタカ)」を新卒採用でご利用いただき、現在は『harutaka EF(エントリーファインダー)』もご導入いただいております。今回は採用担当者である佐郷さんに「harutaka」並びに『harutaka EF』の導入背景とご利用を通して見えてきた採用課題について伺いました。
事例サマリー
課題
  • 選考業務の効率化
  • 採用基準の定量化
導入の決め手
  • 人柄や印象が見える化できる
  • 印象の数値化が可能
結果
  • 客観的な評価軸の形成に成功
  • 評価の言語化が行いやすくなった
  • チーム内での選考基準が統一された

商社業だからこそ、第一印象からお客様を惹きつけられる学生と出会いたかった

「harutaka」導入のきっかけとなった、JFE商事の採用課題を教えてください。

佐郷さん:我々の課題は、面接でより当社にマッチする学生さんとお会いすることでした。JFE商事は商社業ということもあり、お客様とどれだけの関係性を構築できるかが、一つの素養として求められます。
録画選考を導入する前は、Webテストやエントリーシート(ES)など、人柄が見えにくいもので判断していましたが、コミュニケーション能力と併せ、その方が持つ印象の魅力も含め判断できる方法はないかと探していました。


学生の人柄やコミュニケーションを知るという観点から、新卒採用に録画選考をご検討されたわけですね。

佐郷さん:はい、そうです。話す相手を見ていると、人柄が言葉や仕草ににじみ出てきたり、瞳にはこれまでの経験や深みが現れてきたりします。録画から伝わる印象や熱意を元に「ぜひお話ししてみたい」という方に面接へ進んでもらうことで、参加していただく方にとっても、当社にとっても、有意義な機会にという想いがありました。


実際に、エントリー動画による録画選考を選考に取り入れたことで、採用はどのように変わりましたか?

佐郷さん:より当社にマッチする学生さんとお会いできるようになりました。対人が多いからこそお客様への第一印象に関わる「ハキハキした話し方」「場面に応じて声のトーンを調整できる」など、ファーストインプレッションが素敵な方がますます増えたと思います。顧客対応において、「この担当者は信頼できる」と入りで感じていただく部分でもありますので、新卒採用の評価においても引き続き大事にしたい点です。

録画選考から感じた「定量的な基準」の必要性

録画選考を実施するなかで、『harutaka EF』導入のきっかけとなる「新たな採用課題」が見つかったと伺いました。どのような課題が見えたのでしょうか?

佐郷さん:録画選考によって候補者の印象をより理解できるようになった一方、担当者ごとでの「判断のブレ」が発生していないか、課題に感じました。公平に評価するためには、どれだけの方を評価してもブレない選考基準の必要性を感じたからです。

二次面接以降は管理職も選考に参加しますが、録画選考並びに一次面接は人事の若手メンバーで対応します。しかし、毎年新人のメンバーも加わるため、評価軸を一から共有する必要がありました。

動画とはいえ、1人約1分の内容を1,000人分視聴したら、約1,000分はかかります。我々も人間なので、1人目に見た学生と、300人目に見た学生を全く同じ基準で選考できているか、正直不安はありました。そして、基準が定性的な内容だったからこそ、候補者の印象を定量化できればと考えるようになりました。また、人事担当者のマンパワーにも限界があるため、定量化によって負担が軽減できればとも感じていました。


実際に初めて『harutaka EF』の説明を聞いたときには、どのような印象を受けましたか?

佐郷さん:「ほんまか?」というのが、正直な感想です(笑)。率直に興味が湧いた一方、印象が定量化できるという発想がなかったので、「これまで我々が行った評価と相関性はあるのかな?」というのが、シンプルな疑問としてありました。


『harutaka EF』の導入検討時、「AIを選考に用いること」に対し、社内からの反応はいかがでしたか?

佐郷さん:人事部内では前向きな反応でした。業務時間に制約がある中で、いかにクリエイティブな仕事に時間を使うかが社内課題として挙げられていたため、まさにEFはそのための取り組みにピッタリだったからです。また、中長期的な視点から、タレントマネジメントの一環として、可能な限り、データ蓄積を進めたいというニーズもありました。

お客様とお話をしていると、AIの採用導入に慎重な企業が多い印象です。JFE商事では、導入時にどのような検討を行ったのかを教えてください。

佐郷さん:これまで蓄積していた約1,500人ぐらいのサンプルデータを使い、過去の合否とAIが判定した合否にどれぐらい相関があるのかを探るところから始めました。検討時、我々が一番懸念したのがリスク管理の部分です。従来合格としていた候補者が、AI判定により不合格とならないか、それによってこれまでと母集団のカラーが変わらないかなどを心配しました。その点に注意しながら、ZENKIGENと一緒にテストを進めたところ、懸念点は払拭され、JFE商事にマッチする合格基準を定量化できたことから、導入を決めました。

AIの導入によってブレない選考基準を持つことができた

『harutaka EF』導入によって、採用や業務はどのように変わりましたか?

佐郷さん:まず、システムを「harutaka」に集約できたことで、採用活動自体が楽になりました。抜け漏れが防げるようになり、ヒューマンエラーが起きにくくなったからです。「harutaka」内でデータ蓄積を行えるようになったため、採用のみならず、入社後の人材育成を視野に入れたデータ活用など、数年後を見据えて情報を集めるという意識が社内に生まれました。将来的には入社時と5年後の成長などが比較できるようになるかもしれませんが、今はその下地を作っている段階です。


エントリー動画のAI解析を通し、評価軸を定めることにはどのようなメリットがあると思いますか?

佐郷さん:やはり、ブレない選考基準を持てることです。「JFE商事に合う学生はこういう人かな?」と感覚的に評価していた部分を、言語化しやすくなりました。評価を定量化した結果、メンバー間の評価共有や引継ぎを安心して行えるため、業務の属人化が防げるようになったと思います。極論ではありますが、もし明日から私が急にチームを離れるようなことになっても選考は問題なくできます。誰が欠けても継続的に採用を実施できるという点では健全な形だと思います。


メンバー教育という意味でも、『harutaka EF』は活用できますか?

佐郷さん:はい、できると思います。採用に限らず、会社の仕事全般に当てはまることだと思いますが、言語化しにくい仕事、感覚で伝える引き継ぎ、場慣れによって覚える業務など、多々あると思います。もちろん、仕事を肌で覚えるのも大事だとは思いますが、『harutaka EF』のようなサービスがあると、最初に仕事を覚える上での拠り所になるのではないでしょうか。これから活躍するメンバーにとっては、『harutaka EF』の型を知ることで、自分なりの採用の型を作る良い練習になると思います。

もしかしたら、若手だけでなく、二次面接などで選考に関わる人の中にも、「この候補者ってどんな方だっけ?」と自分の評価を再確認する意味で『harutaka EF』を利用したい人が出てくるかもしれません。今はまだ採用の入口段階での利用ではありますが、将来的には選考フロー全体である程度関わっていけるかもしれないと期待しています。


『harutaka EF』の導入によって、佐郷さんご自身が仕事を進めやすくなったと感じる点を教えてください。

佐郷さん:我々の場合、若手社員が実務を動かす主力となりますが、キャッチアップするのに精一杯で一年が終わるという状態が続いていました。しかし、EFを導入することで「見える化」が進み、その分、これまで時間を割きにくかった採用企画や中長期的な視点での採用活動を考える時間が取れるようになりました。我々が時間を使うべきなのは、本来はシステムや社内業務のキャッチアップではなく、学生と向き合う時間です。今では、学生の皆さんと話す余裕もでき、より人事として意味のある業務に時間を回せるようになったと思います。

データ活用に期待するのは採用情報を加味した上での社員と学生のマッチング

今後、『harutaka EF』を使いどのようなことに挑戦していきたいかを教えてください。

佐郷さん:学生・人事が互いに納得感のある採用にしたいです。学生さんからしたらAIから評価されると聞くと厳しいものがあるかもしれません。AIによる定量化は、あくまで公平な選考を行うための補助材料であることをご理解頂き、私たち人事はとことん学生に向き合っていきたいです。学生の皆さんの魅力をより公平に理解できていると思いますし、さらに深くお互いを知れるきっかけになるような活用を、我々も模索していきたいです。


その中で株式会社ZENKIGENに対し、どのようなことを期待しますか?

佐郷さん:今、我々のEF活用はまだスタートに立ったところなので、ZENKIGENにはもっと中に入ってきてもらいたいです。「harutaka」ではエントリー動画以外に、ライブ面接の機能を活用していますが、一次面接や二次面接の中でも定量化できる部分はあると思います。効果的な面接に向けた連携に向けて、面接内容の話題提案や時間配分にしても、いろいろなことが言語化できる状態になるよう、お手伝いをしていただけると嬉しいです。


現在データは蓄積中とのことでしたが、将来的にデータが集まったら新卒採用においてどのような取り組みをしてみたいと思いますか?

佐郷さん:最終面接が終わった後に、入社を迷っている学生さんに現場社員を紹介することがあるのですが、今は感覚的に「この方にはこの社員」という感じで相手を決めています。データが蓄積されていくと、似た印象値だった社員に依頼するなど、採用データを加味した上でのマッチングが実現できるかもしれません。そういう意味だと、これから挑戦できることはたくさんあると思います。


最後に、この記事をご覧いただいた方に向けてメッセージをお願いします。

佐郷さん:今回、『harutaka EF』の導入において我々は、ZENKIGENとともに検討を重ねました。あらゆる可能性や問題点を考え、向き合ったからこそ、今も支障なく運営できていると思います。我々の場合、まだまだ入口の部分のため、すぐに効果が出るわけではありませんが、改革を加えることによって既存の採用手法を疑い、新たな検討を進める雰囲気、風土が形成され、「あるべき採用」を実現するための足掛かりになるはずだと期待しています。

採用はブラックボックス化されている業務が多く、少しずつでも見える化、言語化された状態にするのは健全な取り組みです。今回の「harutaka」を用いた録画選考、『harutaka EF』を使った定量化はその一歩になったと思います。

佐郷さんありがとうございました。


JFE商事様にご利用頂いている『harutaka EF』について、詳細はコチラをご覧ください↓

エントリーファインダー

JFE商事株式会社
エントリーファインダー採用DX録画選考選考精度向上
業種
商社
利用シーン
新卒
従業員数
1001〜5000名

JFE商事株式会社 佐郷 大海 様 (さごう だいき さま)

人事部 企画人事室

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