「エントリー動画は期待以上の成果」NTT東日本の採用チームが考える成功理由
導入のきっかけは「動画選考の進めやすさを考えたUI設計」
よろしくお願いします。はじめに、今回インターンシップ選考にエントリー動画を導入した理由を教えてください。
赤井田さん:一言で言うなら「エントリーシート(ES)から感じ取りにくい、学生さんの印象や熱意を測りたかったから」です。例年、書類選考やWEB適正検査を経て面接で会える学生は、エントリー数全体の約1/3でした。ひとりでも多くの学生と接点を持つ機会を探す中で、動画選考にたどり着きました。
五十嵐さん:また技術系の新卒採用を進める中で、面接前にコミュニケーション能力や難しい研究内容を分かりやすく説明できる力などが見られると、より選考を円滑に進めやすいという想いもありました。
ESとはまた違った側面で学生を理解するために動画選考を導入した訳ですね。皆さんがharutakaを知ったのはどのタイミングでしょう。
赤井田さん:22卒向けの夏のインターンシップ選考にエントリー動画を導入するため、各社のWEBサービスをリサーチしている時です。harutakaの最初の印象は、「業界問わず利用されているサービス」でした。検討時、各社からヒアリングやデモをさせていただきましたが、その中で一番使いやすそうなサービスがharutakaでした。
そのように仰っていただきありがとうございます。さまざまな企業がある中で、「harutakaを選んだ決め手」を教えてください。
赤井田さん:一番の理由は、「動画選考の進めやすさを考えたUI(ユーザーインターフェイス)設計になっていた」からです。応募動画を見るまでの流れが分かりやすく、サービスへのこだわりを感じました。採用管理ツール(ATS)との連携がスムーズだったのも要因の一つです。
動画からよく見えた学生の熱意やコミュニケーション力
動画選考の導入にあたり、harutakaを扱う中で不安だった点はありましたか?
赤井田さん:harutakaというよりも、「動画選考」という採用ステップが増えたことで、エントリー数が減ってしまわないかが非常に不安でした。現在の採用設計だと、選考過程が一つ増えてしまうからです。また、私たちが今回見たいと思っている「コミュニケーション能力や熱意が、そもそもエントリー動画から測れるのかどうか」も心配でした。
五十嵐さんと吉川さんは、harutaka導入後から採用チームに参加されたと伺いました。最初、動画選考に対してどのような印象を持っていたかを教えてください。
五十嵐さん:動画選考は、当社としても前例のないことだったので、学生の皆さんがどのような形でご自身を表現してくれるかは率直に気になりました。ESと動画で見られるものの違いをはじめ、思考力や主体的な行動力、リーダーシップなどがどのように差として現れるかなどの変化も興味がありました。
吉川さん:動画選考を実施すると聞いた時、シンプルに「そんな選考方法があるの?」というのが第一印象でした。ESやグループディスカッション、面談が当たり前だった自分たちの時代から「大きく変化したな」と驚いたぐらいです。ただ考えてみると、事前に雰囲気を知れたり、様子を見れたりするのは、当社としても大きな判断基準になると思います。こうした気持ちから、学生さんが応募してくるエントリー動画がすごく楽しみでした。
実際に学生が投稿してくれたエントリー動画から、今回見たかったコミュニケーション力や熱意、雰囲気などはチェックできましたか?
赤井田さん:期待していた要素は、動画から見られたと思います。冒頭でもお話した通り、最初は不安でした。ただエントリー動画を視聴すると、1分間という短時間でも、分かりやすくご自身を表現されている方ばかり。これは簡単なようで、かなり難しいことだと思います。
五十嵐さん:話し方や動画内の目線を意識しながら、決まった時間内に会話を収めるのは、社会人でも練習しないと中々できません。学生の皆さんの選考にかける熱量を感じました。
赤井田さん:そもそも熱意がないと、動画の登録すらしてくださらない方も、いらっしゃるはずです。そういう点も含め、ESでは見られない部分が測れたと思います。
吉川さん:コミュニケーションの面でも、発言や表現方法をはじめ、自身の見せ方を工夫している学生さんが多かったです。私たちの印象に残りやすいよう、自身を表すさまざまな工夫を凝らして表現してくださり、その一手間から当社のことを考えてくれている様子を感じました。
「評価の細分化」「ペアで視聴」ーー効率的に業務を進めた初めての動画選考
今回、動画選考を初めて実施するにあたり、工夫した点を教えてください。
赤井田:ZENKIGENのご担当者に相談し、他社さまの事例なども踏まえ「どのような質問が効果的なのか?」のアドバイスをいただきました。さらに私たちもエントリー動画を自分たちで制作し、チェックしたいポイントが見られそうかなどを議論しました。
五十嵐:学生と動画選考について話していると、オンライン選考には慣れていても、エントリー動画は初めてという応募者が少なくない印象でした。そのため、少しでも気持ちをほぐしてもらえるよう、人事3名で撮影した「こんにちは、NTT東日本です。頑張ってください!」というエール動画をアップロードする前に視聴できるようにしました。実際に学生から「あの動画を見て、気持ちがほぐれました」という声が寄せられ、嬉しかったです。
選考の精度を高めるために人事の皆さんで試しに動画を制作されたのですね。こうした過程から何か気づきはありましたか?
赤井田:はい、ZENKIGENの方のアドバイスから得た気づきとしては「設問はシンプルにした方が良い」という点です。これは、候補者の考えやオリジナリティを見やすくするためです。そのため、今回は全2問の質問を各1分ずつの動画で提出してもらいましたが、最初の設問は「自己PRを教えてください」のようにシンプルな内容にしました。
実際に応募動画を確認する中で、評価基準が採点者によって大きく分かれることはありませんでしたか?
赤井田:多少のズレはあっても、大きく評価に差が出ることはありませんでした。1人で確認することによって評価の偏りが出ることを避けるため、当社はペアで動画を確認しました。また動画選考を開始するタイミングで全メンバーが集まり、基準に対する目線合わせを徹底しました。
吉川:コミュニケーション能力の中でも、どういう観点で評価するかを細分化し、その項目に合わせてそれぞれのメンバーが動画を見ていたため、大きなズレがなかったのだと思います。
最初、動画選考に応募してくれる学生が減ることを心配されていましたが、その点はいかがでしょう。
赤井田:エントリー動画での離脱はほとんどありませんでした。要因としては、大きく2点あると考えています。1点目は「リマインドを徹底したこと」です。フォローを徹底したことで、学生さんが当社の提出締め切り含め、意識してくれたのだと思います。2つ目はエントリー選考の投稿に対し、私たちが思う以上に学生側の抵抗がなかったことです。導入している企業自体が増えていることも大きいと思います。
オンライン選考の導入は次世代の採用を考える最初の一歩
ここまでのお話から、当初の期待以上にエントリー動画をご活用いただいてる印象を受けました。
赤井田さん:ここまで成果を出せたのは、動画選考前に全体で評価のすり合わせをできたのが大きかったと思います。また、オフラインと比べないこともかなり重要だと感じました。それは今後もオンライン選考を通し、学生さんと向き合う過程が増えてくるからです。そのため、オンラインとオフラインで比較するのではなく、「どれだけ学生さんの良い点を見つけられるか?」という観点から動画を見るようにしました。
五十嵐さん:私たち自身、「まず自分たちがオンラインへの抵抗を無くそう」という想いから、積極的に社内でもWEBコミュニケーションを心がけていました。こうした取り組みもあり、オンラインだからといって抵抗感を持たずに学生さんを評価できたのだと思います。
吉川さん:私もお二人と同じ印象です。また自分が思った以上に、学生の皆さんがオンラインに慣れているようにも感じました。私たちが意識したポイントという観点から少し視点はずれますが、学生さんのオンラインコミュニケーション能力が高いため、相手を知りやすかったのではないかと考えています。
22卒に向けてエントリー動画をどのように活用していきたいかを教えてください。
赤井田さん:冬のインターン選考でも引き続き利用していきたいと思っています。今後はオンライン採用をもっと当たり前にしていく必要があるため、オフラインやオンラインを言い訳にせず、「オンラインで良い選考、良いインターンシップの実現」に向けて進めていきたいです。
最後に、今後エントリー動画による選考を検討している方へメッセージをお願いします。
五十嵐さん:エントリー動画の一番の利点は、学生さんの熱意が感じられる点です。動画内の表情や伝え方などの観点から、当社に対しどのぐらい興味を持たれているかをしっかり確認できました。もしエントリー動画に関心のある企業さんがいらっしゃったら、ぜひご検討されることをおすすめします。
吉川さん:今回の動画選考を通して、学生のアピールの方向性としても、企業の見る方向性としても、すごく良いと思いました。今、この記事を読まれている方の中には「これからの時代に合わせて採用をどうしたら良いのか?」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そういう意味でも、動画選考は自分たちの選考方法を振り返るきっかけになると思います。
赤井田さん:もし動画選考を検討している企業さんがあるのなら、ぜひ「やってみたらいかがでしょう?」とお伝えしたいです。実際に会わないまでも、動画を通し多くの学生さんと対面することは、相手を深く知る第一歩になると思います。
皆さん、ありがとうございました。
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