Case

事例

オンラインはクリエイティブに使おう!数千人の学生と向き合うベイクルーズ人事が見据えるアフターコロナの採用

BAYCREW’S GROUP

早野 彰二 様

関 愛生

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの企業が新卒採用をストップする一方、オンライン上で活動を続けた企業も少なくありません。
まさに新卒採用が転換期を迎えようとする中、独自の学生アプローチやオンライン活用で走り切ったのが、ベイクルーズグループでした。ファッションを中核とした、40を超えるブランドを展開する同社には、毎年数千件の応募が届きます。これだけの人数を抱えながら、どのようにしてコロナ渦の採用を進めたのか。
「オンラインを通して、求めている人材に出会いやすくなった」と語るのはベイクルーズグループ 人財統括の早野彰二さん。いつでも人事と話せるオンライン相談室の開設、学生のニーズに応えたオンラインセミナーの実施など、採用の型にはまらないスタイルで戦略を打ち出してきました。
今回は、早野さんと同社のharutaka(ハルタカ)導入から支援までを長年サポートしているZENKIGEN セールスの関 愛生へのインタビューを通し、その秘訣と覚悟に迫ります。


事例サマリー
課題
  • コロナ禍でも採用を止めずに面接を進める
  • 面接のフルオンライン化
導入の決め手
  • 既に利用中の採用管理サービスとharutakaがシステム連動していた
結果
  • 件数割合は全体で150%伸びた
  • 面接が録画されることで面接官へフィードバックできるようになった

事前準備で「スムーズな切り替え」を実現

新型コロナウイルス感染拡大の影響でアパレル業界のみならず、多くの企業で採用が止まりました。そんな中、ベイクルーズグループが採用を継続できた理由を教えてください。


早野さん:一番の理由は、元々オンライン面接実施に向けた準備を進めていたからです。2月の時点で、「4月から5月にかけて実施される1次・2次選考はオンライン開催」と迅速に決められたのもそのため。関さんには、この準備に向けてよく相談に乗ってもらいました。
:早野さんには、2019年からオンライン面接に向けた準備やそのための段取りなどをご相談いただいてたんです。前もってオンライン化の準備を進めていたこともあり、危機的状況の中でもベイクルーズグループは混乱せず切り替えられたのだと思います。


オンライン面接に切り替えようと思った大きな理由は何だったんですか?

早野さん:学生・面接官ともに機能の使いやすさはもちろん、「人柄がつかみやすい」と好評だったからです。元々、私たちはharutakaを地方学生との面接に利用していました。

今だから正直に話しますが、最初はオンライン面接で人材が見極められるかどうか、半信半疑だったんです。接客含め対面でのやり取りが多いアパレル業界だからこそ「会ってこそ分かる」という気持ちが強かったのかもしれません。しかし何度かharutakaを利用するうちに、その印象は次第によい方向へ変わっていきました。

:そのように仰っていただけるのは嬉しいです。最近早野さんと話していると、コロナ前と後でharutakaの利用や扱い方に変化があったように感じています。実際、その辺りはどうなんですかね。

早野さん:気がついちゃいましたか(笑)それは、harutakaを機能ありきの便利ツールとしてではなく、「人の本質を見極めるもの」という側面で見るようになったからです。それまでは、地方学生と企業をつなぐツールとしか考えていませんでした。そのため、リアルと同じ場をオンライン上で作ることを意識し、採用環境も設計していました。

しかし今では、オンラインだからこそ分かる、学生の振る舞いや表現を読み取ることにシフトしたんです。harutakaから得られる情報や運用の可能性を考えると、もはや人材開発ツールのように感じています。

学生の気持ちと徹底的に向き合う「オンライン面接」

オンライン主体となる採用を進める中で、ベイクルーズグループが変えたのはどのような点だったのでしょう。


早野さん:例年対面でグループ面接で行なっていた1次・2次選考を、全て1:1形式のオンライン面接に変更しました。ひとりひとりと向き合える状況を作ることで、限られた時間の中であっても、学生・面接官がお互いに理解しあえる環境を作りたかったんです。業界的にブランドや洋服が好きという学生が集まりやすいからこそ、外からは分かりにくい仕事のリアルや想いを面接の場では正直に伝える必要があります。時間をかけて全員と話すことで、仕事をする意義やその気持ちを言語化できる人材に出会えました。

:今回初めて全社的にオンライン面接へ移行することもあり、1:1形式の方が進めやすいというアドバイスをお伝えしてはいましたが、ここまでの母集団となると採用チームの準備や選考も相当大変だったんじゃないですか……。

早野さん:かなり大変でしたよ(笑)。1次面接だけでも千数件となるため、中途採用のメンバーの力も借り、まるまる1カ月かけて進めたぐらいです。特に今年は新型コロナウイルスの影響でアパレル業界の採用が延期や中止になったため、例年よりも数千件多いエントリーがありました。件数割合で見ても、全体で約150%の伸び、エリアによっては200%以上増加しています。


それだけ応募者が増加したのなら、効率面を重視して「グループ面接にしよう」という声があってもよさそうですよね。


早野さん:確かに、学生数と採用の効率化を考えたらグループ面接の方が早かったかもしれません。しかし、学生たちが自粛期間中に気持ちの整理や掘り起こしをしてくれているのを分かっていたので、その思いに寄り添うためにも1:1で進めたかったんです。学生からも「自分を見てもらえている」とこの面接は好評でした。そうそう、harutakaを使う中で、学生だけでなく社員教育の面でも学びはあったんですよ。


社員教育にもharutakaを活用されているんですね。どのように利用されているのでしょうか?


早野さん:よく使うのはライブ面接の録画機能です。動画を使いながら面接の様子をフィードバックすることで、エビデンスを元に社員間で納得感のいくやり取りができるようになりました。これまでは他のメンバーが同席していない面接だと、その様子や状況を深掘りするのが難しかったんです。こうしたフィードバックを重ねる中で、ファッションを仕事にする覚悟を他のメンバーたちがより具体的に学生へ伝えられるようになりました。

:harutakaには面接の様子を残しておく録画機能をはじめ、面接の見所を記入するコメント挿入機能などがあります。社内の情報共有に用いられることが多いため、ベイクルーズグループのように社員教育や育成にまで生かされていることには驚きました。

早野さん:録画は、社員だけではなく、学生たちの成長を振り返るのにもよい機能だと思っています。ベイクルーズグループの場合、応募から内定後面談まで最大で4回振り返りの機会があります。動画から学生たちの成長が手に取るように分かるのは、大変感慨深いです。

「オンライン相談室」「オンラインセミナー」就活の悩みや不安に応え続けた2カ月

ここまでの話を伺うなかで、「学生に寄り添いたい」という気持ちが早野さんからひしひしと伝わってきました。なぜ、こうした思いを強く持たれるようになったんですか?


早野さん:一番は「これ以上、学生を不安にさせたいくないという気持ち」からです。社会が混乱している中、大人以上に、学生たちは先の見えない現状に不安を抱いていました。2月から定期的に採用スケジュールを発信したのも、いち早く彼らに必要な情報を届けたい思いからです。

:早野さんは学生たちの気持ちに寄り添うために、常にharutakaを活用するアイディアを考え、よく私たちに「こんなことできないかな?」と相談してくれます。harutakaのライブ面接機能を使ったハヤノの相談部屋も、学生を不安にさせたくない一心で開設されたんですよ。


……ハヤノの相談部屋とは、何ですか?


早野さん:4月から6月までの間、自社採用ページにharutakaのライブ面接のリンクを入れ、「困ったことや悩みがあったらいつでも相談しておいで」と私と直接話ができる場を学生に解放していたんです。
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早野さん:相談室を開いていると、採用に悩む学生の気持ちや悩みがリアルタイムで入ってくるんですよ。


まるで、就活生の駆け込み寺ですね。


早野さん:実際に多くの相談や悩みが寄せられました。「2カ月前に『一旦、面接を止めます』と企業からメールをもらいましたが、その後一度も連絡がなくて……どうしたらよいか分かりません。」「オンライン面接に不慣れで、対策に困っています。」などの声が毎日のように届くんです。

こうした不安な気持ちを解消するために、自社の情報をこまめにだしたり、選考のあり方を見直したりしました。またオンライン面接の不安解消に向けては、関さんにご協力いただき、学生向けオンラインセミナーも開催したんですよ。

:「学生さんたちの声に応えたいから協力してくれないか」とお声がけいただき、登壇しました。ベイクルーズグループ内定者30名に向けて、オンライン面接のポイントや注意点をお伝えさせていただいたんです。ここには、「これからの時代は、オンラインでのやり取りや交流は欠かせないものになるから」という早野さんの考えもありました。

「カギは学生に与える価値設計」人事のクリエイティブな発想が新しい時代の採用を作る

今後、オンライン採用の価値はどのように変化していくと思いますか?


早野さん:オンラインという環境に付加価値はつくと思いますが、基本的な土台は対面も一緒のため、ほとんど大きな差はないと思います。確かにオンライン採用は場の空気などに左右されにくいため、より人となりがつかみやすいとは思います。ただ、「だからオンラインの方がよい」というわけではないんです。あくまでも「対面とはまた違った角度でその人を見られる要素」が加わったと私は考えます。

:たしかにリアルとオンラインの融合があるからこそ、それぞれの要素を足し合わせることで、これまでに見えなかった全体像が分かることは多いですよね。ぜひこの機会にお伺いしたいのですが、一緒にお取り組みしている中で、今ベイクルーズの採用が転換期にあるように感じています。早野さんからはどのように映っていますか。

早野さん:「学生への価値提供」「人事が考えるharutakaのクリエイティブな使い方」という2点に着目して、採用設計をもう一度構築し直した方がよいと思っています。新型コロナウイルスが本格化する2月までとコロナ禍の採用を比較し、学生との関係も含め考え直す必要があるんです。オンラインという手法ありきの考えではなく、どのような価値を設計し、戦略を練るか。そのためのカギとなるのが、自分たちの価値を具体化することだと思います。


harutakaの活用という点ではいかがでしょう?


早野さん:harutakaにはWEB面接サービスという言葉以上の可能性が秘められていると感じています。もし、社内システムとしてharutakaを利用できれば、その社員の入社からの成長過程が分かるんです。それこそ採用だけでなく、店舗配属時の店長紹介や年間振り返りへの活用など、可能性は広がるばかりです。

:他にも「SNSのようにharutakaをオープンプラットフォームにできないの?」「社員が学生にイイねを送れるようにならないかな?」など、実現にはいたっていませんがharutakaの限界を引き伸ばしてくれるような提案を毎回早野さんからは頂戴します。

早野さん:クリエイティブに可能性を考えるとキリがないぐらいに面白いんだよ、harutakaって(笑)


With/Afterコロナ時代に向けて、自社の採用において大事になることは何だと思いますか?


早野さん:「学生へ価値を最大限に提供できるか」です。最近、あたり前にECは普及する世界において、対面接客が与える価値についてよく考えます。ECを利用した方が便利にも関わらず、店舗へお客さまが足を運び、商品を購入する意味とは何なのか。それはきっと人によって違うはずなんです。

採用も同じではないでしょうか。説明会も面接もオンラインで見られる中、学生がリアルで会いに来る意味や価値は何か。求められているものに私たちはどのように応えるのか。自分たちができることを見極めながら、提供できるものについて考えたいと思います。


最後に早野さんから、今後オンライン採用を積極的に進めたい企業やその担当者へメッセージをお願いします。


早野さん:オンラインが可能性を広げてくれることに目を向けてほしいと思います。ITを取り入れていないばかりに苦手採用の機会損失と自社の可能性を閉ざしてしまうのは、悔しくありませんか。人と人が接することによってビジネスが生まれるアパレル業界にいるからこそ、ITやオンラインが業界の未来を広げていくことに期待をしているんです。引き続き、学生と企業がフェアな関係を築くためにも、harutakaの可能性を引き出しながら、クリエイティブに活用していきたいです。

オンライン面接ツール『harutaka』について、詳しくはコチラをご覧ください↓

WEB面接ツールharutaka

BAYCREW’S GROUP
ライブ面接地方採用母集団拡大選考精度向上
業種
アパレル/小売
利用シーン
新卒
従業員数
5001名以上

BAYCREW’S GROUP 早野 彰二 様 (はやの・しょうじ さま)

株式会社ベイクルーズ 人財統括 採用PR Div.

ベイクルーズの飲食部門に学生アルバイトとして入社。その後、大学4年時にグループの人事部門へ異動となり労務、企画、採用と人事関連業務を経験する。現在は、主に新卒採用、採用PRを担当。

BAYCREW’S GROUP 関 愛生 (せき よしき)

株式会社ZENKIGEN コンサルティングパートナー

高校1年時にネパールへ単身移住。現地校に通いながら貧困地域で水道事業や国際NGOとの連携プロジェクトを主導。大学入学後は、ネパール、タイなどで2週間の学生交流プログラムや、UNICEFとの共同プロジェクトを開催。大学4年時の6月に、創業メンバーとしてZENKIGENへ入社。東京大学との人事向けAIの共同開発や、ライブ面接サービスの事業開発に取り組む。

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