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採用確度を高める「構造化面接」が注目される理由とは?

「最近よく聞くけど構造化面接って何?」「メリットは?」「どのように実施すればいいの?」 構造化面接はGoogleが採用に利用していることから一躍有名になりましたが、何をもって構造化面接というのかが分からずに悩んでしまいますよね。

構造化面接とは、事前に人事担当者が面接における質問から評価項目を設定する面接方法を指します。本コラムでは、構造化面接のメリット、運用方法を弊社産業・組織心理学を専門とする研究員による科学の視点を織り交ぜながらご紹介いたします。

構造化面接とは

構造化面接とは面接におけるバイアス(無意識的に、自分が持ってる信念や期待、仮説と一致するように情報を相手からを見出して、解釈をしてしまうこと)のような主観を極力排除するための面接手法です。

具体的には、応募者に対する評価軸などを事前にしっかりと人事部内で話し合い、評価項目、質問内容を確定します。面接での質問の自由度が低くなる代わりに、誰が面接官をしても平等な評価を下すことができるため、採用面接における不平等感を軽減できる可能性があります。

構造化面接の4つのレベル

「構造化面接」には以下の4段階の構造化度があることが明らかになっています。

Level4:質問が完全に決められており、質問に対する「答え」もある
Level3:質問がある程度決まっており、仕事内容に合わせた具体的な質問と評価軸が決まっている
Level2:質問の縛りは最小限で,基本的には自由に話してもらう
Level1:質問の縛りはなく, 自由に話してもらう

皆様の面接はどのレベルに位置されていますでしょうか?

構造化面接のメリット

多くの研究を統合した結果、構造化度がLevel3以上でないと「入社後のパフォーマンス」はほとんど評価できていないことが明らかになっています。 しかし、実態としてはLevel2以下の企業が多い所感です。面接官のバイアスに左右されることなく、質問事項などを事前にしっかりと準備することで、下記が可能になります。

・会社ごとの一定の評価基準をベースに均一な面接をすることができる ・上記により、応募者の差分がはっきりし、明瞭な評価が可能になる ・面接官のスキルに依存する必要がなくなる

会社の求める採用要件に合致しているから採用したという論理的な説明ができる採用方法が、構造化面接であるといえます。

構造化面接の設計がおすすめな職種

面接の構造化は「新卒総合職」のような採用をしている日本企業においてはハードルが高いと思われるかもしれません。しかし、最初は同じ職種からスタートする企業では構造化面接の有効性が確認されています※1。

一方、自社の変革を促すような新しい考え方や発想を持った人材を採用したい、というような特別な採用を行う場合には、構造化面接は不向きである可能性があります。

※1今城志保(2016).『採用面接評価の科学─何が評価されているのか―』白桃書房.

構造化面接の運用にあたる懸念

構造化面接を運用する際に、よくご質問いただくこととして下記3点の懸念が挙げられます

1.「せっかく構造化面接を設計しても、現場面接官が遵守しない」 2.「造化面接によって質問が項目が決められると、機械的に感じてしまう」 3.「評価項目を具体的に設定しても、人により乖離が生じてしまう」

それぞれお答えしていきます。

1.「せっかく構造化面接を設計しても、現場面接官が遵守しない」

確かに決めたことを運用していく、守られているのかを都度確認する、といったことは難しいです。この点についてはアジェンダの設定や、面接の振り返りが可能な専用の面接システムを使うことがおすすめです。

2.「構造化面接によって質問が項目が決められると、機械的に感じてしまう」

対処法として、次の2つがあります。1つ目は、構造化レベルをLevel3にとどめて、少し自由に会話ができる余地を残す方法です。

2つ目は構造化面接をする時間と、アトラクトをする時間を意図的に分けるという方法です。アイスブレイクの時間を設けたり、評価ジャッジに関する質問が終わった後に自由に会話することで機械的でない印象を持ってもらうことが戦略的に行えます。

3.「評価項目を具体的に設定しても、人により乖離が生じてしまう」

乖離のない定量的な評価は難しいですよね。評価の乖離を最小限にする方法として具体的に設計した採用要件に関して、複数の事象から確認する評価ができていれば乖離が少なくなると考えています。

例えば「グリッド(やり抜く力):努力の粘り強さを確認できる経験があるか」という評価項目に対し、「1年以上の経験があるか」といった定義をするなどです。どれほど多様な観点で評価できるか?というバランスを見つつ、応募者の回答を参考に都度調整する必要があるかと思います。

また、採用のオンライン化によって、面接の録画が可能になりました。面接の録画を複数の人が確認・評価できるようになったため、面接の録画を活用し乖離を防ぐことができます。

構造化面接の運用方法

最後に、構造化面接の運用方法を1.「採用要件の定義」、2.「評価項目の設計」、3.「質問内容の作成」の3点についてご説明していきます。

1.採用要件の定義

質問内容を決定する前に、採用したい人材の要件を決定するようにしましょう。設計方法としては、採用したい人物像についてできるだけ具体的に明文化します。どのような人材が活躍しているのか、一方でどのような人材が活躍できていないかを比較することで採用したい人物像をクリアに設定することができます。

2.評価項目の設計

評価項目の設計のヒントは、1で設定した採用要件が研究手法でどのように測定されているかを、論文を参考に設計することです。

例えば多くの会社で採用要件として設定されている「グリッド力(やり抜く力)」はある研究では「興味の一貫性」と「努力の粘り強さ」の2つの要素から定義されています※2。

こういった研究手法を活用すれば、面接において聞くべき質問と、望ましい回答が定義でき、面接の評価軸や評価項目が設計できるかと思います。

※2:参照:竹橋洋毅, 樋口収, 尾崎由佳, 渡辺匠, & 豊沢純子. (2019). 日本語版グリット尺度の作成および信頼性・妥当性の検討. 心理学研究, 89(6), 580-590. 

3.質問内容の作成

構造化面接を行うにあたって要となることは、質問内容の事前作成にあるといえます。作成方法としては、2の「評価項目の設計」にて作成した評価項目を活用します。評価項目の設計の際にも論文を活用することをおすすめしましたが、論文には質問例も記載されていることもあるため、採用要件を適切に評価する手法として論文を活用することもおすすめです。

例えば「グリッド力(やり抜く力)」の2つの要素は下記が質問例として挙げられています。 「興味の一貫性」:「興味が一貫してずっと続いてきたか」「興味の変わりやすさ」 「努力の粘り強さ」:「数年にわたる努力を要する目標を達成したことがあるか」

柔軟に質問内容を変更できる体制を作っておくことも大切です。構造化面接では質問内容を常に均一にしておく必要性がありますが、事業の方針転換があった場合や採用すべき優秀な人材の定義などが会社の変化によって変わった場合には、質問内容を変える必要性が出てきます。そのため、必要に応じて、質問内容を変化させることができるようにしておく必要性があります。

構造化面接を支援するharutakaのライブ機能

構造化面接の運用は中々人の手だけでは難しい部分もあるかと思います。構造化面接の運用・管理を支援する専用の面接システムの例として、弊社harutakaのライブ面接機能をご紹介します。

面接の振り返りをサポートする機能

「構造化議事録機能」

『harutaka IA』(インタビューアセスメント)で解析されたライブの文字起こしデータを会話のカテゴリーごとに自動分類し、面談内容の簡便的な共有や質問内容の可視化が可能です。何より、面接中にメモをとる必要が最小限になるので「応募者との対話」により集中することができます。

※harutaka IAについてご興味のある方は下記サービスサイトをご参照ください。

harutaka IA(インタビューアセスメント)

「タイムスタンプ機能」

面接中に気になる場面でコメントやスタンプを入力できます。録画の確認や共有、面接の振り返りがより効率的に行えます。

面接のアジェンダ管理機能

「タイムキープ機能」

経過時間と連動したタイムマネジメント機能。時間配分を設定することで、より安心して面接に臨めます。

「ライブマニュアル」

事前にメッセージを設定し、入室前・面接中に面接担当者に表示できます。注意事項の伝達のリマインドにご活用いただけます。

まとめ

皆様「構造化面接」についてご理解いただけましたでしょうか? 構造化面接のメリットや懸念を踏まえた上で、「採用すべき人材」を見出すためにも是非「構造化面接」の導入を検討いただけましたら幸いです。

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